助成事業2023年度秋期食料システムの助成先決定について

公益財団法人PwC財団では、助成事業2023年度秋期食料システムにつきまして、以下のとおり助成先を決定しましたのでお知らせいたします。

当財団は今後も社会課題の解決に取り組む団体への助成を通じて、持続的な社会の実現を目指してまいります。

1.助成対象となる活動

テーマ1:食品ロス削減・アップサイクル

ICT、AI、バイオテクノロジーなどの技術を活用することで、無駄となる農林水産物および食品を削減したり、生産段階での残渣や廃棄食品などの食料システム上で生じるロスをアップサイクルして有効利用し、農林水産業分野の生産性向上や環境負荷を低減した持続可能な社会形成を目指す活動。想定している技術や取り組みは以下のとおりです。少なくとも1つの技術・取り組みは実証済みである必要があります(一部、今後実証を目指すものを含めることができます)。

  1. ロスの削減・発生抑止:生産から消費までの各プロセスで生じている農林水産物や食品のロスを抜本的に削減する、またはロスの発生を抑止する技術や活動
  2. アップサイクル:生産から消費までの各プロセスで生じている農林水産物や食品のロスをアップサイクルし、廃棄処理にかかるGHG排出量の削減と、非化石の資源・資材の再利用を両立する技術や活動
  3. 持続可能な農林水産物・食品の市場評価形成:ロス削減や循環型資材の利用などにより、環境や社会へ配慮して生産された農林水産物および食品や、そのような活動に取り組む地域の生産物が市場で適正評価されるための技術や活動

テーマ2:タンパク質危機

欧州を中心とする気候変動対策の中で、畜産業への忌避感が高まり、海洋資源の利用制限が進んでいる。それに対して、バイオテクノロジーなどを活用し、地球環境や生態系に配慮しながら、誰もが健康的な生活を営むために十分な量のタンパク質源を供給することを目指す活動。想定している技術や取り組みは以下のとおりです。少なくとも1つの技術・取り組みは実証済みである必要があります(一部、今後実証を目指すものを含めることができます)。

  1. 持続可能性と生産性を両立した養殖または畜産モデルの構築:生産段階での利用資源量を極小化し、GHG排出量を削減するなど地球環境や生態系に配慮しつつ、効率的かつ効果的にタンパク質源を供給する技術や活動
  2. 地域特有資源の有効利用:地域特有の農林水産資源や未利用の農林水産資源を食用に活用することで、特徴的な地域資源として付加価値化する技術や活動
  3. 科学的プロセスによるタンパク質源の創出:既存の食料生産と競合しない代替的なタンパク質源の生産や、農林水産物の機能性向上(タンパク質含有量の向上など)に資する技術や活動

2.助成先および助成金額

テーマ1

助成先 助成事業概要と目的 助成金額(万円)

株式会社TOWING

未利用バイオマスを活用した高機能バイオ炭による農産物の増収および、食農領域で発生する有機性廃棄物の削減・アップサイクルを実現する。

これにより、農林水産業分野の生産性向上や環境負荷の低減を実現した、持続可能な社会形成を目指す。

1,000

テーマ2

助成先 助成事業概要と目的 助成金額(万円)
リージョナルフィッシュ株式会社

超高速の品種改良技術とスマート養殖技術を活用し、美味しく、かつサステイナブルな新しい水産物品種の開発に取り組む。環境負荷の低減や養殖事業者の生産性向上に資する品種を開発し、飼育に必要な飼料量の低減効果などの性能を評価する。

このテクノロジーを活用することで、減少しつつある天然水産資源を保全し、地球環境や生態系に配慮しながら、誰もが健康的な生活を営むために十分な量のタンパク質源を供給することを目指す。

1,000

本ページに関するお問い合わせ