2019年10月25日
PwCあらた有限責任監査法人
※本プレスリリースは、2019年10月4日にPwCが発表したプレスリリースの翻訳です。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。
2019年10月4日 ロンドン‐PwCは、グローバル会計専門誌『International Accounting Bulletin(IAB)』が選出する2019年のオーディット・イノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。現金及び預金の監査手続を自動化したCash.aiが評価されたことによるもので、10月3日にロンドンで開催されたThe Digital Accountancy Forum & Awardsにおいて、PwCのグローバル・アシュアランス・チーフ・イノベーション・オフィサーのゲーリー・ラプシー(Gary Rapsey)に賞が授与されました。
審査員が求めていたのは、効率性、監査の質、ステークホルダーの満足度を高めるだけでなく、より時代に即した価値の高いアシュアランスサービスを実現する可能性のある新しいイノベーションでした。
Cash.aiは、人工知能(AI)を活用して被監査会社の文書を自動で読み込み、理解し、テストまで行います。処理可能な文書は、決算書の現金及び預金残高、銀行勘定調整表、銀行残高証明書、為替書類、銀行の財務状況などで、実質的に現金及び預金に関する全ての監査手続を完了することができます。
Cash.aiは監査手続の完全AI化に向けて実用化された最初の作業モジュールで、手法を標準化し、インテリジェントオートメーション(IA)を活用することで、監査の質と効率をこれまでにない水準に引き上げます。
Cash.aiは、現在までに4カ国でパイロット稼働を行っています。監査の質と信頼性を高めるだけにとどまらず、自動でデータをリクエストしてから即座に課題を発見するまでの手順をより円滑にし、被監査会社も利便性を享受できます。
PwCは、Kaggle Grand Master(※)の称号を持つデータサイエンティストを擁する、シリコンバレーの世界的なAI企業や、ロンドンを拠点に活躍するUI/UXデザイナーと協働し、Cash.aiを開発しました。ドライバーレスAI(AIを使ってAIを構築する技術)の活用によってAIアルゴリズムを迅速かつ正確に開発できるようになり、大勢のデータサイエンティストを投入することなくCash.aiをグローバル展開することが可能になりました。
PwCのグローバル・アシュアランス・チーフ・イノベーション・オフィサーのゲーリー・ラプシーは、次のように述べています。
「このような権威ある賞をいただき、大変光栄です。この賞は、革新的技術が監査手法を根底から変革させられることを広く示すものです。Cash.aiには非常に多くの好意的な反応が寄せられています。私たちはCash.aiが、今どのように役に立つのか、また将来に向けてどんな可能性を持っているのか、期待しています」
またPwCのグローバル・アシュアランス・リーダー、ジェームズ・チャーマーズ(James Chalmers)は、次のように述べています。
「監査に対するステークホルダーの期待と実際の成果のギャップは、これまでになく広がっています。社会やビジネス界の要請に応えられる監査を今後も継続していくために、これからの監査は、より広く、より深く、より将来を見据えたものでなければならないと考えています」
「監査は今後、人間と機械がそれぞれ得意なことを分担するようになるでしょう。すなわち判断を下したり、曖昧さに対処したりすることは人間が行い、大量のデータを処理し、レビューし、テストするといった作業は機械が行うのです。Cash.aiは、PwCのpurpose(存在意義)にのっとり、未来へとつながる監査を継続するためのテクノロジーへは積極的に投資するという私たちのコミットメントを体現するものなのです」
(※)Kaggleとは、一般から寄せられたデータをもとに、世界中の統計家やデータ分析家がその最適モデルを競い合う、予測モデリング及び分析手法関連のプラットフォームを運営する会社であり、当該プラットフォームの名称でもある。Grand Masterはそのコンペティションにおける最高位の称号。