PwCコンサルティング、「国内シェアリングエコノミーに関する意識調査2018」の結果を発表

シェアサービスの認知度は、前年比10ポイント上昇するも、いまだ40%台

利用経験・意向では、若年層や子育て世帯がけん引する傾向が続く

2018年9月7日
PwCコンサルティング合同会社

PwCコンサルティング合同会社(東京都千代田区、代表執行役CEO:足立 晋)は9月7日、「国内シェアリングエコノミーに関する意識調査2018」の結果を発表しました。昨年に続く2回目の調査で、日本国内全域の16歳~70代の男女を対象に実施しました。

日本におけるシェアリングエコノミーのサービスについての認知度は42.4%で、昨年と比較して10%以上増加しました。サービスの認知においては各年代で大きな差は見られないものの、利用経験と今後の利用意向では、若年層ほど高い結果となりました。一方で、利用する際の懸念事項としては、「事故やトラブル時の対応」が各カテゴリーを通じて最も多く挙げられました。この傾向は昨年からほぼ変化がなく、今後、日本においてシェアリングエコノミーのサービスをさらに浸透させていく上では、品質担保の仕組みや信頼の確立が大きな課題になると考えられます。

本調査を実施した、PwCコンサルティングの新規事業創出活性化のための専門チーム「グローバルイノベーションファクトリー」リーダーの野口 功一は次のように述べています。

「認知度は昨年より上昇したとはいえ、まだ日本に広く浸透しているとは言えません。海外ではシェアリングエコノミーの代表格とされるライドシェアや民泊が、日本では規制の問題などで普及していないことが一つの要因と考えられます。一方で、スキルシェアの分野のように、家事、介護、料理、子守などニッチなニーズを満たす新サービスが登場し、少しずつ利用者の支持を拡大させている例もみられます。デジタルツールに慣れ親しんだ若年層やライフスタイルの変化が頻繁に訪れる子育て世帯が、需要をけん引していく傾向は今後も続くと考えています」

「国内シェアリングエコノミーに関する意識調査2018」主な調査結果

※本調査レポート「国内シェアリングエコノミー意識調査2018」はこちらからダウンロードできます。

「シェアリングエコノミーのサービス」の認知を聞いたところ、「シェアリングエコノミーのサービスのいずれかを知っている」と回答したのは42.4%で、2017年よりも10%以上増加しました。「知っている」と回答した人(n=4,210)の内訳を見ると、認知されているサービスのカテゴリーは、多い順に「モノ」(70.7%)、「移動手段」(68.9%)でした【図1】。

また、「(サービス・製品の)利用者」としての「シェアリングエコノミーのサービス」の利用意向を聞くと、10~30代の関心が高く、「利用したいと思う」「利用を検討してもいいと思う」の合計がそれぞれ半数を超えました【図2】

【図1】シェアリングエコノミーの認知

Q:「シェアリングエコノミーのサービス」の中でご存知のものをお知らせください(「場所・空間」「移動手段」「モノ」「ビジネスプロフェッショナルスキル」「家事・手伝い・シッターなどのスキルや労働力」「クラウドファンディング/P2P型資金調達」から複数回答)

シェアリングエコノミーの認知
認知されているサービスのカテゴリー

【図2】シェアリングエコノミーのサービスの利用意向

Q:「シェアリングエコノミーのサービス」のいずれかを、「(サービス・製品の)利用者」として利用してみたいと思いますか。

シェアリングエコノミーのサービスの「利用者」としての利用意向 年代別
シェアリングエコノミーのサービスの「利用者」としての利用意向 カテゴリー別

さらに、全回答者から「シェアリングエコノミーのサービスのいずれかを知っている」「シェアリングエコノミーのサービスのいずれも知らない」の各1,000名を抽出し、計2,000名に対して、メリットや懸念事項などを、サービスのカテゴリーごとに調査しました。

「シェアリングエコノミーのサービス」を「利用者」として利用する場合のメリットについて聞くと、全てのカテゴリーにおいて、「金銭的な節約」が最多でした【図3】。一方、「事故やトラブル時の対応」が全てのカテゴリーにおいて最も懸念されていることが分かりました【図4】。

【図3】「シェアリングエコノミーのサービス」を利用するメリット

Q:「シェアリングエコノミー」のサービスを「利用者」として利用する場合、メリットとして考えられるものはありますか。利用経験のない場合は利用すると仮定してお答えください(複数回答)。

「シェアリングエコノミーのサービス」を利用するメリット(「利用者」として)

【図4】「シェアリングエコノミーのサービス」を利用する場合の懸念事項

Q:「シェアリングエコノミー」のサービスを「利用者」として利用する場合、懸念事項はありますか。利用経験のない場合は利用すると仮定してお答えください(複数回答)。

「シェアリングエコノミーのサービス」を利用する場合の懸念事項(「利用者」として)

シェアリングエコノミーについて感じていることを聞くと、半数以上が「行政による規制やルールの整備・強化が必要」と回答しました。また、「2年後には自分がシェアリングエコノミーのサービスを利用していると思う」と回答したのは、2割以下でした(いずれも「あてはまる」「ややあてはまる」の合計)【図5】。

シェアリングエコノミーのサービス利用経験者に対し、サービス・製品の「提供者」との交流経験※について聞くと、27.7%が「経験がある」と回答しました。また、2,000名に対し「提供者」本人と会って交流することへの抵抗の有無について聞くと、3割以上が「抵抗はない」と回答しました【図6】。

※交流の例:一緒に出かける、一緒に作業をする、取引以外の会話をするなど

【図5】「シェアリングエコノミー」について感じること

Q:「シェアリングエコノミー」について、ご自身が感じる気持ちをお知らせください。

「シェアリングエコノミー」について感じること

【図6】「シェアリングエコノミーのサービス」利用時の「提供者」とのコミュニケーション

Q:「シェアリングエコノミー」のサービスを利用した際に、提供者本人と直接会って交流した経験はありますか(利用経験者のみ)。

Q:「シェアリングエコノミー」のサービスの利用時、提供者本人と直接会って交流することに抵抗はありますか

※交流の例:一緒に出かける、一緒に作業をする、取引以外の会話をするなど

「シェアリングエコノミーのサービス」利用時の「提供者」とのコミュニケーション

「国内シェアリングエコノミーに関する意識調査2018」概要

  • 調査期間:2018年5月25日~28日
  • 調査対象:日本国内全域の16歳~70代の男女
  • 調査方法:Webによるアンケート調査
  • サンプル数:9,918名にスクリーニング調査を行い、うち2,000名が本調査に回答
  • 主な調査内容:シェアリングエコノミーについての認知、サービス利用経験の有無、サービス利用意向などついて調査。そのうち、「シェアリングエコノミーのサービスのいずれかを知っている」と回答した1,000名、「シェアリングエコノミーのサービスのいずれも知らない」と回答した1,000名の合計2,000名を抽出し、それぞれシェアリングエコノミーのサービスを利用する場合のメリットや懸念点、日本経済・社会や自分自身への影響、シェアリングエコノミーについて感じることなどについて聞いた。

PwCコンサルティング合同会社について

PwCコンサルティング合同会社は、経営戦略の策定から実行まで総合的なコンサルティングサービスを提供しています。PwCグローバルネットワークと連携しながら、クライアントが直面する複雑で困難な経営課題の解決に取り組み、グローバル市場で競争力を高めることを支援します。

詳細はこちら

PwCについて

PwCは、社会における信頼を築き、重要な課題を解決することをPurpose(存在意義)としています。私たちは、世界158カ国に及ぶグローバルネットワークに236,000人以上のスタッフを有し、高品質な監査、税務、アドバイザリーサービスを提供しています。

詳細はこちら

PwC Japanグループについて

PwC Japanグループは、日本におけるPwCグローバルネットワークのメンバーファームおよびそれらの関連会社の総称です。各法人は独立した別法人として事業を行っています。

複雑化・多様化する企業の経営課題に対し、PwC Japanグループでは、監査およびアシュアランス、コンサルティング、ディールアドバイザリー、税務、そして法務における卓越した専門性を結集し、それらを有機的に協働させる体制を整えています。また、公認会計士、税理士、弁護士、その他専門スタッフ約7,300人を擁するプロフェッショナル・サービス・ネットワークとして、クライアントニーズにより的確に対応したサービスの提供に努めています。

詳細はこちら

{{filterContent.facetedTitle}}

{{contentList.dataService.numberHits}} {{contentList.dataService.numberHits == 1 ? 'result' : 'results'}}
{{contentList.loadingText}}