
欧州移転価格実務シリーズ 第3号:オランダの観点
本シリーズでは、欧州で事業展開する日系企業の移転価格担当者が留意すべき点などについて解説します。第3号では、オランダの移転価格税制の概要、税務調査の動向、特徴、そして相互協議および事前確認制度の現状について解説します。
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アルプス山脈とジュラ山脈の間、欧州の中心に位置するスイスは、地理的には小さい国 (約 41,300 平方キロメートル) ですが、経済的には強力で、国際的にさまざまな国・地域と緊密につながっています。
スイスが経済的に強固な要因としては、安定的かつ機能的な政治体制、優れた教育制度(学術教育・職業訓練)、開放的で自由な経済環境、信頼性の高い法制度、高水準のインフラストラクチャー、そして実利主義・効率主義的な傾向などが挙げられます。スイス国民は独立と統治を尊重しており、民主的な直接選挙による意思決定も頻繁に行われます。EUには所属せず、独自の通貨(スイスフラン)を使用していますが、EUとは友好的かつ強固な経済的関係を築いています。
地理的には離れていますが、日本とスイスは約160年にわたり友好的な関係を築き、相互に重要な交易パートナーとなっています。両国は、他の国にとって最も重要な投資先のトップ 10 にランクインしており、経済関係の強さと重要性が見受けられます。
スイスは1人当たりの名目国内総生産(GDP)が世界で最も高い国の1つであり、かつ最も高い生活満足度を誇っています(経済協力開発機構による世界の生活満足度に関する調査「life satisfaction index average」で、平均を大幅に上回る満足度を獲得)。加えて、日本との類似点として、スイスは世界で最も平均寿命が長い国の 1 つであるということが挙げられ、高齢化社会を起点とする同様の課題および機会に直面しています。
スイスの成熟し、多様化が進んだ経済は、ここ数十年にわたり、緩やかながらも着実に成長してきました。新型コロナウイルス感染症の世界的大流行に対しても、スイス経済は安定を保ち、2020年に一定程度影響を受けたものの、その後急速に回復しました。また、世界の発展に伴い不確実性の高まりが見られる中、インフレ率、失業率ともに非常に低い数値が予測されています。
スイスは、医療・ライフサイエンス、金融テクノロジー、機械・時計に代表される精密機器産業など、さまざまな業界におけるイノベーションを牽引しています。そして、ハイテク業界のファミリー企業の多くはそれぞれの市場における「隠れたチャンピオン」であり、影響力の高い海外のビジネスパートナーを探しています。またスイスにはチューリッヒ工科大学(ETH)やスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)といった世界的に有名な大学があり、その周辺には ITスタートアップ企業の強力な集合体や、多国籍産業リーダーの地域本部が形成されています。
税制面では、スイスは欧州の中で最も低い付加価値税率(7.7%)を誇り、法人税や個人所得税も安定的な税率を保っています。BEPS2.0政策に伴う国際税制の改正により、スイスの課税は税率だけでなく、計画された取引や再編に関し、あらかじめ税務上の影響を明らかにするために事前税務裁定の取得するなど、スイスの税務当局との効率的な手続きの観点からも高い競争力が維持されると考えられます。
上記の点は全て、スイスを経済的にも税制的にも世界で最も魅力のある国の1つにする要因となっています。私たち PwCスイスは、非常にユニークで強い結束力のあるスイスのビジネス環境、規制環境の中でクライアントが事業を行うにあたり、幅広いサポートを提供します。
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