
監査法人メンバーによるNPO会計1Dayプロボノ―会計を用いた寄付者とのコミュニケーション―
PwC Japan有限責任監査法人は、ステークホルダーとの信頼構築において重要な役割を担う「会計・財務」に焦点を当てた1Dayセミナーを開催しました。会計士による講義とワークショップの様子を紹介します。
NPO法人のこたべは、「地元への愛着」と「主体性」をテーマに、北海道の道南地域を中心に活動する人材育成法人です。具体的には様々な年代の幅広い分野の人が集まる地元コミュニティを運営し、将来的に地元で活躍する若者を育てる事業や、食育体験事業、地域商社事業など、食と教育に携わる活動を多岐にわたって推進しています。
「日々のコミュニティ運営で精一杯だった」と語るNPO法人のこたべ代表・平島美紀江さんにとって、外部の専門家からの支援を受け入れることは「新たな展望を開く鍵」となったとのこと。PwC Japan有限責任監査法人の3名のプロボノメンバーが2023年6月から5カ月間、NPO法人のこたべの課題解決を伴走型によるプロボノで支援したことが、平島さんにとってどのような体験となったのか、お話を伺いました。
PwC:
―PwCのプロボノチームの支援を受けることになった時の気持ちを教えてください。
平島:
のこたべは、地域社会に貢献することを目的とした教育プログラムを提供しています。しかし、その実現には多くの挑戦が伴い、特に事業計画の策定は大きな課題でした。
そんな時、プロボノのお話がありました。最初は「何をお願いできるんだろうか」と不安でした。
そんな中、PwCのプロボノチームが提供する支援は、私たちにとっての光となりました。支援における彼らの目標は、私たちの事業計画を新たな視点から見直し、より効果的なものにすることでした。
PwC:
―実際にプロボノ支援を受けて、どのような成果がありましたか。
平島:
私たちは日々の運営に追われ、行政に対して論理的にアプローチができないことに悩んでいました。そこでPwCチームは、まず既存の事業計画をアップデートすることから着手してくれました。
自分達のアピールしたいことを網羅的に盛り込んでいた当初の事業計画書は、行政のニーズを捉えたものではありませんでした。プロボノメンバーは徹底的にフラットな姿勢で話を聞いてくれ、二人三脚でのこたべの理念を深く理解してくれました。その結果私たちの言葉を、より伝わる形に整理し、事業計画に反映させてくれたことは、大きな安堵と喜びとなりました。
そして、多角的な専門知識と論理的な視点をもって、私たちの活動理念と行政への提案をうまく結びつけてくれました。このプロセスでコミュニケ―ションを活発に行い、たくさん意見交換ができたことで、相乗効果が生まれました。
また、事業計画書を作るにあたり、町の戦略から読み込むという発想は大きな学びでした。
PwC:
―プロボノ支援の良かったところを教えてください。
平島:
PwCとの連携は、私たちのこたべにとって計り知れない成果をもたらしました。例えば、具体的なターゲットを設定することで、戦略と先方ニーズに合わせた事業計画を策定することができました。これも、プロボノメンバーの共感と理解があったからこそだと思います。
プロボノのメンバーが同じ目線で応援してくれたことや、自分が彼らと一緒に戦略をたてられたことが自信につながり、諦めず新たなチャレンジをしたいというモチベーションになったのだと思います。
PwC:
―今回のプロボノ支援は、今後の活動にどのようにつながりそうでしょうか。
平島:
今回プロボノに入っていただいたことで、私たちはビジネスの進め方や行政への働きかけ方について新たな視点を得ました。そして、ステークホルダーである町の戦略に作戦をたてて、アプローチをするスキームを習得しました。
しかし、この協働から得た最大の学びは、プロボノチームとの人間関係の構築の重要性です。彼らのサポートによって、トップビジネスマンの論理的思考方法に感銘を受けただけでなく、彼らの人柄からくる我々のプロジェクトへの真摯な関わり方に、深く感謝しています。
平島美紀江さん
特定非営利活動法人のこたべ代表。「残さず食べる、食べるを残す。」をモットーに、生産者と生活者をつなぐデザインに取り組む。北海道食育コーディネーター。
特定非営利活動法人のこたべは、「地元への愛着」と「主体性」をテーマに、北海道南部を中心に活動する人材育成法人。http://nponokotabe.org/
プロボノ支援は、知識や技術の共有だけではなく、互いに寄り添い、共感し、学び合う体験だったようです。今回関わったPwC Japan有限責任監査法人のプロボノメンバー3人のコメントを紹介します。
實政 恭平
提案先である自治体の行政計画に、のこたべの活動理念と実績を対応させて提案できるように構成したのが今回の事業計画書・提案書のポイントでした。
平島さんの発想力やバイタリティにはこちらも学ぶところが多く、「この熱い思いをぜひカタチにしたい」と、一層熱が入りました。これまでの活動実績の整理の仕方を一緒に考えたり、今後の事業に関するアイデアを意見交換したりするなかで、良い影響を与えられたことをうれしく思います。
江成 凌平
PwC側のプロボノメンバー間で、互いの業務や関心により異なる複数の視点で課題を客観視できたことや、密な連携を行うことで相乗効果を生むことができました。メンバーの役割分担もうまくでき、よい関わり方ができたと感じています。
森下 早紀
行政への働きかけを狙いつつも、日々自分たちでやっている幅広い取り組みもきちんと推進されている平島さんのエネルギーに感銘を受けました。私たちがお役にたてた部分は、資料作成のプロセスやプラスアルファの観点だと感じています。平島さんの持ち味である発想力こそが、次のチャレンジにつながったのだと思います。
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ジェンダーダイバーシティがもたらす新たな視点と、分野を越えた知識の融合が、いかにイノベーションを加速させるか。STEAM人材育成は教育、キャリア、そして社会の変革にどのようなポジティブな影響をもたらすのか、第一線で活躍する専門家たちが熱く語りました。
PwC Japanグループは、「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する」というパーパス追求のもと、株式会社三井住友フィナンシャルグループ、富士通株式会社と協働し、企業の社会貢献活動推進担当者、事業開発担当者や、NPOをはじめとするソーシャルセクターの担当者を対象に、連携のきっかけづくりを主眼としたイベントを初開催しました。
PwC Japanグループは2024年7月23日、教職員や自治体関係者を対象にした次世代教育に関するセミナーを開催し、「テクノロジーが加速度的に発展する中で、私たちは次世代の教育とどう向き合うべきか」をテーマに、これからの社会に求められている教育環境について議論しました。