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PwCは、監査業務のための人工知能(AI)の開発に注力しています。2015年から2017年にかけて、米国・シリコンバレーにあるソフトウェア開発企業、H2O.ai(エイチ・ツー・オー・ドット・エーアイ)と協業し、AIと機械学習を使用した革新的なプログラム「GL.ai」を構築しました。数十億に及ぶデータポイントをミリ秒単位で分析し、人間の目には見えない情報を可視化する方法で、総勘定元帳における不自然な点を検出します。
GL.aiは2017年10月、グローバル会計専門誌『International Accounting Bulletin(IAB)』が選出するオーディット・イノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。
「状況に応じてさまざまなリスクを同時に見つけられることが、GL.aiの優れている点と言えるでしょう。例えば、監査人が被監査会社の社員一人ひとりの行動パターンを全て見て異常を探すのはたいへん非効率ですが、GL.ai ならばそれを実現することができます」
GL.aiは、PwCが持つ知見を生かし、監査人の経験に基づく判断を再現できるよう、アルゴリズムを組んでいます。アップロードされた全取引、全ユーザー、金額、および全てのアカウントを調べて、人間特有のバイアスなしに、総勘定元帳における不自然な取引(不正・エラーの可能性を含む)を検出します。GL.aiは、使用されればされるほど精度が向上していきます。
GL.aiは、2017年9月6日時点でカナダやドイツ、スウェーデンや英国など12カ国20件でトライアルを実施し、無事に終えています。
GL.aiは監査プロセスのスピードを向上させ、効率性を高めるばかりでなく、監査人に対し、真のリスク領域に集中して注意を向けることを可能にします。大量のデータを分析できるGL.aiならではの恩恵と言えるでしょう。
PwCでは、次世代のAI監査モジュールも開発しています。監査業務そのものを革新し、監査品質や監査業務の効率性を向上させ、監査人が機械にはできないことにより多くの時間を費やせるような体制の構築を目指します。すなわち、データから得られるインサイトを活用した戦略的かつ魅力的なアクションプランの策定や、良好な関係の構築のためのコミュニケーションに注力できるようになるのです。
PwC Japan監査法人は、市場をリードするプロフェッショナルのスキル、堅実な監査アプローチ、人工知能(AI)をはじめとするテクノロジーを融合した新時代の監査を通じて、デジタル社会に信頼を築くプロフェッショナルファームを目指します。
PwCは監査業務におけるテクノロジーへの投資を継続的に行っています。新たなテクノロジーがローンチされればそれに目を向け、グローバルの保証業務のエコシステムや監査手法と連携することで、そのテクノロジーを自分たちの領域に合った形で監査システムに取り入れています。
デジタル社会において、監査が今、大きく変わりつつあります。監査をめぐる最新のテクノロジーや、監査業務の変革を進めるPwCあらた有限責任監査法人のアプローチを紹介します。
PwCは、グローバル会計専門誌『International Accounting Bulletin(IAB)』が選出する2019年のオーディット・イノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。