2023年12月1日、PwCあらた有限責任監査法人(以下「PwCあらた」)とPwC京都監査法人(以下「PwC京都」)が統合して「PwC Japan有限責任監査法人」が誕生しました。デジタルの活用や非財務情報の保証など、監査法人の業務環境が変化する中、私たちは両法人の強みを活かし、PwCのPurposeである「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する」を実現していきます。
両法人の職員は、新法人の創業メンバーとしてエンゲージメントを高めるため、2023年9月から5回にわたり、それぞれのカルチャーや業務への理解を深め、より良い新法人の姿をともに考えるワークショップ「知り合う会」を開催してきました。今回は、2023年9月21日に東京オフィスで開催された際の様子をご紹介します。
「知り合う会」は、統合にあたって一方のカルチャーや業務をもう片方に強制するのではなく、「お互いの人となりや強みを理解し、新たな組織を創るエネルギーをともに高める」(PwC Japan有限責任監査法人・鈴木智佳子執行役、カルチャー変革推進担当/人財DX担当)ために企画されました。よって、会の冒頭は「お互いを知る」と題し、少し緊張気味な参加者の自己紹介や、各種データ・社員アンケートに基づく両法人のプロフィール紹介が行われました。
まず両法人の共通点として、「社会やクライアントからの信頼」を創業以来重視し、時代の変化に対応しながら社会・経済の挑戦を支えてきたことが説明されました。この中で、PwCあらたはPwC Purposeを実現する共通の判断軸「Critical Few Behaviours」を、PwC京都は前身の監査事務所から脈々と受け継がれる「信頼の絆」の大切さとその想いの源流となる動画を紹介しました。
そのうえで、両法人のメンバーは日々自らを律し、企業のビジネスアドバイザーとして「経営の
根幹を支え、正しい方向に導くこと」に強い誇りを持っていることが示されました。
「両法人とも『社会やクライアントからの信頼』を元にした信頼の構築を重視しており、Purposeは同じ」と語る鈴木智佳子
こうした共通点があることに加え、PwCあらたは「アドバイザリー業務に強い」「グローバル案件が多い」こと、PwC京都は「IPO実績が豊富」「京都に本社を置く、日本を代表する複数企業と、長年の監査で培われた関係性を持つ」ことなどがユニークな点として示されました。これらを受け、参加者からは「基本的な考えが同じで、安心感を持てた」「お互いの特徴・強みを融合し、クライアントへの提供価値を高めたい」といった意見が早速飛び出しました。
お互いの人となりや組織を知り、参加者同士の談笑も増えてきたところで、メインセッション「お互いについての理解を深める」が始まりました。テーブルごとに、参加者たちは自身の所属チームや担当業務について説明した後、セッション1の内容を踏まえて「お互いの共通点・ユニークな点を聞いて率直にどう思ったか」「どのような点を大切にしたいか」「どのようなことに挑戦したいか」の3つをテーマに、活発なディスカッションを繰り広げました。
各テーブルに法人・所属チーム・職階が異なる参加者が集い、活発に意見を交換
多様な意見が交わされる中、PwCあらたの参加者からは、セッション1で紹介されたPwC京都の動画を受けて「職員だけでなく、クライアントとも『PwC京都の歴史・文化・信頼の価値観』を共有し、全員で伝統を大切にしてきたことが素晴らしい」といった声が聞かれました。
一方、PwC京都からは、PwCあらたの未来志向でデジタルを活用した監査変革や、最新のグローバル・外部知見の入手ルートが豊富なことに関心を示す参加者もみられ、「AIなどの最新のテクノロジーを使い、業務品質をさらに高めたい」といった声が上がりました。
各自の業務内容や注力分野を語り合う中で、法人の哲学や置かれている環境によって、それぞれ「若手の育成方法」や「クライアントとのコミュニケーションスタイル」などが異なることに驚いた参加者も。これらを受け、挑戦という観点では「両法人のナレッジを広く共有するための社内イベントを開いてはどうか」「懇親会やクロスアサインを通じ、お互いの良いところを学びたい」など、協働に意欲的な声が続々と上がりました。
会場の熱気が高まる中、最後は「将来に向けた議論」と題し、次のアクションを考えるディスカッションの場が設けられました。セッション2の内容を踏まえ、引き続き各テーブルで「個人レベルで何ができるか」「どうやって人間関係を広げていくか」などをテーマに、活発な意見交換がスタート。中には「新法人が、社会やクライアントとより強固な信頼を構築するには、どのような取り組みが必要か」について、白熱した議論を交わすテーブルもありました。
個人レベルでのアクションについては、相互理解を深めるために「固定観念を排除し、お互いを尊重するマインドを常に持ち続ける」といった声や、周囲の意識を高めるために「今日得た理解やお互いの良さを持ち帰り、チームに周知する」といった前向きな声が上がりました。
また「今回のイベントで知り合った人たちと交流を続け、その輪に他の人も巻き込みたい」「自身の専門性について発信し、コラボレーションの機会を探りたい」など、自身がドライバーとなり、さらなる連携を目指す参加者も多くみられました。
「お互いにやってみたい仕事を聞き、新たな挑戦につなげていきたい」と意気込む参加者
人間関係を広げていくという観点では、統合後の採用活動や研修、業務、キャリア開発などにおける「法人・部門を横断した協業機会」を希望する声が多数上がりました。部門を超えたクロスアサインや他オフィスでの業務機会の拡大、エンゲージメント単位での人財交流など、多様な働き方への期待も寄せられ、その相乗効果で「クライアントに新たなPwCの価値を提供できるのではないか」との意見も。各自が多様な可能性を感じる中、会は幕を閉じました。
限られた時間ではあったものの、お互いを知り、語り合う中で「仲間意識」を育んだ参加者たち。「また、すぐ会いましょう」「一緒に働くことを楽しみにしています」と別れ際に言葉や握手を交わす一人ひとりに、「新たな法人を創っていく」というエネルギーが満ちていました。