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「過去の延長に未来がある」という前提からの脱却
欧米では2006年の国連によるPRIの提唱、国内では2015年のGPIFによるPRI署名を契機に、投資意思決定プロセスにESG要素を組み込む動きが拡大しており、国内外でサステナビリティをめぐるさまざまな動きが加速しています。また、統合報告書に代表されるように、長期的な企業価値創出の観点から、非財務情報を開示する動きが広がっています。反面、いまだ多くの企業の経営目標や経営指標は「財務目標」です。これでは経営管理が「結果管理・経済価値管理」に留まり、環境・社会価値の重要性の高まりに合わせた「社会的価値創出」を表現できません。これは、社会の要請に対して、経営管理が「戦略性のある価値創出活動を管理する状態」に至っていないことを意味します。
経営は、果たして「過去の延長に未来がある」という前提に立ち続けて良いのでしょうか。
社会的要請や開示内容の変化をとらえ、従来の財務情報中心の「業績管理」から、サステナビリティ経営の考え方を反映した「価値創造経営」への変革をご支援することが私たちの役目だと理解しています。
PwCコンサルティングの強み
従来の「業績管理」から脱却し、企業価値を最大化する「価値創造経営」を実現するには、
- 財務諸表に現れない資産・価値・活動を含めた「価値創造ストーリー」を可視化すること
- 将来を見通して判断する「意思決定構造」を具備すること
という2つの視点が欠かせない、と考えています。
PwCの経理財務コンサルティングが提供している「価値構造の拡張（思考の変革）」と「時間軸の拡張（志向の変革）」という2つの「シコウ（思考・志向）」に関わる経営改革支援は、まさにこれらの視点を踏まえたコンサルティングサービスです。
これまでの「業績管理」では、「財務」と「過去から現在（実績）」に焦点を当てていました。これに対して、これからの経営では、「財務」だけでなく「製造」「人材」「技術」「社会」「環境」を加えた「戦略目標達成に必要な経営力」に基づいて、事業活動から企業価値までのストーリーを明確にする「価値構造として捉える要素を拡張する、思考の変革」が重要です。また、「過去から現在」ではなく「将来」「未来」を起点として、単価や数量といった根拠情報の標準化と蓄積による経営計画の統合（財務計画とエンジニアリングチェーン・サプライチェーンの統合）により、環境変化に素早く対応する「時間軸として捉える要素を拡張する、志向の変革」も同様に重要です。この「価値構造の拡張（思考の変革）」と「時間軸の拡張（志向の変革）」を通じて、経営管理は「価値創造経営」に進化すべきだ、と私たちは考えています。
企業と企業を取り巻く環境が加速度的に変化する中で、経営のかじ取りはかつてないほど困難になっています。「過去の延長に未来がある」という前提から脱却し、「学習すべきは将来にある」という抜本的な経営変革をご支援できることが、私たちの強みだと考えています。
価値創造経営のプロデューサーとして
従来の経理財務コンサルティングでは、経理財務機能を改革（Finance “を”Transformation）することに注力してきましたが、これからは全社戦略および顧客の期待を踏まえ、ファイナンスの専門性を用いて、価値創造経営の強化を通じたビジネス全体の改革（Finance“で”Transformation）に注力することが求められると考えています。
加えて、コンサルティング業界が担う改革支援では、課題の複雑性が高まっていることから、単一の解決策では有効な改革や課題解決に至ることが困難になっています。そこでPwCの経理財務コンサルティングでは、企業経営の中枢である経営管理を司る立場を活かし、自身がファイナンスの専門性を用いたビジネス全体の改革を支援するとともに、PwCが有するストラテジーやビジネストランスフォーメーション、テクノロジーなど多様なプロフェッショナルを巻き込み、価値創造経営の「指揮者」「プロデューサー」として、企業価値の向上に総合的に貢献することに取り組んでいます。
「過去の延長に未来を見る」のではなく、「未来からストーリーを逆算して変革を実行」すべく、企業変革を担うプロフェッショナル集団をリードすることで、顧客と社会の未来に貢献していきます。
小林 たくみ (Takumi Kobayashi)
テック系スタートアップを起業後、複数の大手コンサルティングファームで15年以上のビジネスコンサルティング経験を経て現職。ビジネスコンサルティングとテクノロジーコンサルティングの双方の専門性を有し、ファイナンス機能をはじめ、コーポレート機能全般の戦略立案、構造改革、組織再編、業務設計から、S/4HANAなどのERP導入・AIなどを活用したオペレーション改革に至るまで、主に製造業のクライアントに対してフルレンジでのサービスを提供している。
グローバルおよび国内双方でのプロジェクトマネジメント経験に加え、寄稿やカンファレンス講演、研修講師など対外発信活動の実績も豊富に有している。
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