藤川 琢哉(Takuya Fujikawa)

PwCコンサルティング合同会社 パートナー

データアナリティクス

コロナ禍でパワーを発揮するAI

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はいまだ収束が見えず、経済の先行きは見通しにくい状況です。こういった不確実な状況下において、経営の意思決定を行う際には、経験や勘ではなく、データアナリティクスやAIがパワーを発揮します。社会・経済状況、または人間の行動・心理状況をデータにより可視化する事で定量的に市場の動向を把握でき、また自社のビジネスへのインパクトを分析する事によって、より正確な将来予測とそれに基づく経営意思決定が可能になります。


米国では、この厳しい経済状況にも関わらず、52%の企業がCOVID-19をきっかけにAIの導入を加速させているという調査結果が出ています。そのユースケースはいずれもCOVID-19の影響をデータで分析し、経営意思決定に役立てるものであり、具体的には最適な人員計画の策定、サプライチェーン影響シミュレーション、COVID-19関連政策が経営に与える影響の分析(シナリオプランニング)、需要予測などが多いです。


さらに注目すべきは、AIを活用することで収益増加につなげている企業が散見されるという点です。上記調査の対象企業全体で収益増加を見込んでいる会社が18%なのに対し、AIを全社的に活用している企業のうち25%が収益増加を見込んでいます。AIがレジリエンスを高める証拠となる調査結果と言えるでしょう。

足踏みする日本企業

経営においてAIの活用が注目をされてから数年が経過し、さまざまな成功事例を日々ニュースなどで目にする昨今においても、残念ながら多くの日本企業は導入にまだ足踏みをしている状況です。昨年のPwCの調査では、「試験段階から実用段階への移行」を優先課題に上げている企業は、米国よりも日本に多く、日本企業が実用化に踏み切れていない様子が伺えます。多くの日本企業がAIに注目し、PoC(Proof of Concept)を実施している点は素晴らしいと思っています。しかし、実用段階への移行に踏み出せなかったり、せっかくの成果を特定の部門に閉じたままにして全社展開できていないというのが現状です。

確かに、AIの実用化・全社展開は骨の折れる仕事です。

  1. AIによる予測・レコメンドなどを行う以前にデータドリブンで意思決定を行う企業文化が無ければ、いくらAIが意思決定を支援するデータを提供しても、十分な効果は得られません。
  2. データが部門ごとにサイロ化されていては、AIを作る以前のデータ統合作業だけで疲弊してしまいます。
  3. AIは新たなデータを得る事で学習をし精度が向上するため、以前にAIが出した最適解が後日変わる可能性もあります。AIの進化に対して、アジャイルに事業計画を変更する企業文化がなければ、AIの効果を十分得る事はできません。

このように、AIを導入する以前に文化醸成、人材育成、インフラ構築、プロセス改革などやるべきことはたくさんあります。データ・AI活用は全社変革(トランスフォーメーション)であるという認識を持ち、データ・AI活用による成果に確信を持って、腰を据えて取り組む必要があります。

「AI経営」の変革パートナー

経営の意思決定の中枢にAIを据え、状況把握から意思決定・実行までの全てにおいて圧倒的なスピードとレジリエンスを獲得する事を、PwCでは「AI経営」と呼んでいます。私たちは日本含む世界149カ国・地域のPwCグローバルネットワークと緊密に連携することで豊富な経験と知識を共有し、クライアントの「AI経営」実現を支援しています。アナリティクス・AIのユースケース数は1,500を超え、先述の変革上のKSF(Key Success Factor:重要成功要因)を含めて、膨大なナレッジとなっています。

データアナリティクスチームは、これらの知見を生かし、「AI経営」への変革の長い旅路を共に乗り越えていくパートナーでありたいと考えています。

藤川 琢哉(Takuya Fujikawa)

専門分野・担当業界

データアナリティクス

東京工業大学大学院でAIを専攻後、べリングポイント株式会社に入社。同社のPwCネットワークへの加入と社名変更に伴い、プライスウォーターハウスクーパースコンサルタント株式会社に転籍。

十数年にわたりデジタル領域のコンサルティング業務に従事。
データアナリティクスをはじめ、サイバーセキュリティ、プライバシー、ITインフラストラクチャなど幅広いデジタル領域の専門性を有する。デジタル先進企業のアカウントリードを7年経験し、デジタルトランスフォーメーション(DX)における先進的な取り組みや課題について豊富な知見を持つ。

現在はPwCコンサルティングにおけるデータアナリティクスチームの責任者を務める傍ら、クライアントのCDO (最高デジタル責任者)を中心としたエグゼクティブに対しDXに関するアドバイスを提供している。

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