Our alumni stories:新たな道を切り拓くPwC卒業生に迫る―Vol.11 浜口真人氏編―

PwCで培った能力でスタートアップの着実な成長を後押しする“IPO請負人”

好奇心を糧にスタートアップを支え続けるキャリアを深掘る

久保田:
ますますの活躍が楽しみな浜口さんのキャリアですが、今後の展望や取り組みたいことを教えていただけますか。

浜口:
当面の目標は管理部長を務めているFOR YOUのIPO準備をしっかり進めて、スムーズに進行していくことです。並行して、IPOやバックオフィス整備の相談を受けているスタートアップをサポートしながら、成長を後押ししていきたいです。

私は今43歳ですが、体力的に50歳を超えて同じ働き方を続けていくのは難しいかもしれません。事業会社の監査役なども会計士が求められるポジションの1つですので、将来的にはそれらの役回りに挑戦するのも面白そうだと思っています。

ただいずれにせよ、今後もスタートアップに関わり続けることは変わらないと思います。好奇心は尽きませんし、さらに深く掘り進みたいですね。日本社会がより活性化していくためにもスタートアップにはどんどん活気づいてほしい。そのために、自分ができることに全力で力を傾けていこうと思います。

久保田:
スタートアップと密接な距離にいる浜口さんとして、日本のスタートアップ領域にどのような助言やご意見がありますか。

浜口:
私が最近よく思うのは、目線の高さの問題です。“スモールIPO”などとよく表現されますが、グロース市場では100~150円億あたりの目線感がやや一般化している感が否めません。スタートアップの経営者の皆様には1,000億円超え、さらにはその先の企業価値を目指すなど、最初の目標設定を意識的に高めてほしいと伝えたいです。

久保田:
たしかに2006年の立ち上げ以降、私たちの監査法人がIPOを支援した企業のうち、4社が時価総額1兆円超を達成しました。決して夢ではないですよね。「できるか否か」以前に、「目指すかどうか」がとても大事だと思います。個人的には、スタートアップ領域の“IPOのご意見番”として浜口さんが活躍されていくことを強く期待しております。最後にPwCなどプロフェッショナルファームに期待することを教えてください。

浜口:
近年、生成AIや暗号資産など、これまで想像すらできなかった新しいビジネスやサービスが続々と登場しています。FOR YOUでも、生成AIを活用した事業モデルの可能性などについて議論しています。ただ専門かつ最先端の領域なので、コアな部分まで触れることがなかなか難しいと感じています。そのような競争力のある技術やサービスをPwCのグローバルネットワークの中にいる皆様に広めていただき、私たちのような新興企業もその恩恵にあずかれたらありがたいと思います。

また日本はそれら先端的な産業でなかなか強みを発揮しきれていない現状があります。PwCにはグローバルの英知を結集して、新しいビジネスをどこよりも早く柔軟にキャッチアップしていただきたい。また監査やコンサルティングの力で、日本の新しい産業を牽引していく役割を果たしてほしいと期待しています。

久保田:
浜口さんがPwCで得た経験をベースに活躍されていることを知り、うれしさと同時に誇りを感じます。本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。

プロフィール

浜口 真人

株式会社FOR YOU 執行役員 管理部長 

公認会計士試験合格後、あらた監査法人(当時)にて会計監査業務に従事し、主に法定監査やIPO支援業務などを行う。

複数のベンチャー、スタートアップ企業のバックオフィスで上場準備や経理業務に従事した後、2023年4月に株式会社FOR YOUに入社。管理業務全般を担当。

久保田 正崇

PwC Japan有限責任監査法人 執行役副代表

1997年青山監査法人入所。2002年から2004年までPwC米国シカゴ事務所に駐在し、現地に進出している日系企業に対する監査、ならびに会計・内部統制・コンプライアンスにかかわるアドバイザリー業務を経験。

帰国後、2006年にあらた監査法人(当時)に入所。大手通信会社、通信機器メーカー、通信端末販売代理店など、多数の通信事業会社に対する、日本・米国・IFRSでの監査、会計・内部統制・コンプライアンスにかかわるアドバイザリー業務に従事するとともに、IT企業の東京証券取引所IPO支援、J-SOX導入、IFRS導入をはじめとする各種アドバイザリー業務を主導。

国内外の企業に対し、特に海外子会社との連携にかかわる会計、内部統制、組織再編、開示体制の整備、コンプライアンスなどに関する監査および多岐にわたるアドバイザリーサービスを得意とする。

2020年7月に執行役副代表(アシュアランスリーダー/監査変革担当)に就任。企画管理本部長、AI監査研究所副所長を兼任。

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