Our alumni stories:新たな道を切り拓くPwC卒業生に迫る~Vol.18 馬場 竜介氏編~

グローバル食品専門商社・西本Wismettacホールディングスで組織の革新を担う

食産業の変化を見据えた組織の変革がミッション

井野:
現在の職場では新たなチャレンジもあると思いますがいかがでしょうか。今後の展望についても教えてください。

馬場:
PwC在籍時には、常に時代を先取りして、組織が目指す方向性に沿ってどのように人事の仕組みや制度を変えていくか試行錯誤していました。現在の組織でも基本的に同じことをやっていますが、違いは人事の専門家や仲間が少ないことです。PwCにいた時は少し油断しても周囲が自然と動いてくれました。今は私が甘えると止まる事柄がたくさんあります。

現状と限られたリソースを駆使してベストを尽くすこと。それが新たなチャレンジになると思います。

西本Wismettacホールディングスは、次のステージに向かうフェーズです。現時点では非上場化して不退転の決意で変革を進めていこうとしています。なかでも人事組織や企業文化、価値観は変革のためにとても重要です。その構築をしっかり進めていくことが私のミッションであり、達成することで次の風景が見えてくるでしょう。

また、気候変動や人口増加などの環境変化により、食の世界は分かりやすい過渡期にあります。テクノロジーの進化も見過ごせません。例えば、画像解析技術が発展すればトレーサビリティのコストもぐっと押し下げられるでしょう。あるいはDNA解析や画像ベースで、食品の味が可視化できる未来も近づいています。デジタル化やAI化が加速し業界構造が変化していくなか、企業としてしっかりとインパクトを提供し続けられるよう、変革を促す役割を果たしていきたいです。

井野:
食品業界の変化により、馬場さんが関わる方々の専門性も変わってくると予想されますか。

馬場:
専門性も価値観も変わっていくはずです。食の世界はまだデータ化されていない部分も多く、ハイコンテキストな人のつながりが強いビジネスです。ただ今後はデータ化が進むことが確実であり、人材の育成方針や行動基準も変化していくでしょう。このような変化の時代にCHROとして仕事をさせてもらえることに非常にやりがいを感じます。

井野:
食の世界が大きくトランスフォーメーションしていこうとするなか、プロフェッショナルファームはどう変化していくべきでしょうか。PwCに期待することもお伺いしたいです。

馬場:
まず人材の育成・輩出という文脈ではPwCの存在はとても大事だと思います。プロフェッショナルな人材を育てるゆりかごとしての機能は、今後も残り続けるだろうし、期待したい一面です。

そしてPwCはグローバルレベルでトレンドの最先端にいます。ナレッジも蓄積されており、組織の規模的にもPwCだからこそできることが多いでしょう。PwCの皆さんが活躍し続けていることは卒業生としてうれしいこと。食の業界に限らず、世の中の課題を解決し変革を促すために今後も重要な役割を担ってほしいです。

井野:
本日の対談の内容を胸にしっかり刻んで今後も精進していきます。貴重なお時間をいただきありがとうございました。

プロフィール

馬場 竜介

西本Wismettacホールディングス株式会社 執行役員 CHRO 

日本オラクル株式会社人事マネージャー、コロムビアミュージックエンタテインメント株式会社(現・日本コロムビア株式会社)人事部長などを経て2008年に当時のべリングポイント株式会社入社(2009年にプライスウォーターハウスクーパースコンサルタント株式会社に)。PwC時代は一貫してヒューマンキャピタル部門。2014年から2017年までPricewaterhouseCoopers LLPニューヨークオフィスに出向。2019年から西本Wismettacホールディングス株式会社、2020年より現職。

井野 貴章

PwC Japan有限責任監査法人 会長

1991年に中央新光監査法人に入所。1997年からクーパース&ライブランドの米国ニューヨーク事務所に出向。2007年にあらた監査法人(当時)の代表社員に就任。執行役品質管理担当、執行役人事担当の役職を経て2020年にPwCあらた有限責任監査法人(当時)代表執行役に就任。2024年6月に退任し、2024年7月よりPwC Japan有限責任監査法人会長。

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