S.Lu

シニアアソシエイト(2020年度入社)ビジネスリスクコンサルタント職

リスク管理におけるクライアントの意識改革。それが会社を守ることにつながる

入社してすぐに与えられたチャレンジの機会

両親は中国人なのですが、私は生まれも育ちも日本なので、実は中国語よりも日本語のほうが得意です。なので、将来はこうした私のバックグラウンドを生かして日本をベースに海外とつながるような働き方をしたいと考えていました。例えば、中国人と日本人では話し方が異なるとよく言われます。強い口調に聞こえる中国人の話し方は、穏やかに話す日本人からすると馴染みがないようですが、私にとっては違和感なく日常的なことです。こうした両者の文化の違いを知っていることがビジネスにおいて強みとして生かせると思っていました。就職活動を進める中でPwCあらた有限責任監査法人(当時)を知り、海外拠点への異動機会やグローバルな環境があるとのことで、自身の強みを生かした挑戦ができるかもしれないと期待して入社することにしました。

入社後、リスク・アシュアランス(RA)部に所属してすぐに、私の強みを生かす機会がありました。中国のクライアントとのプロジェクトにアサインされ、監査で得た評価をもとに内部統制のデザインや運用に課題がある点を共有し、改善方法についてディスカッションするという業務でした。アサインされた当初は入社1年目ということもあり経験も知識も乏しく、不安ばかりでした。日本語や英語でのディスカッションであれば、常に上司のフォローを受けることが可能ですが、上司は中国語が堪能なわけではないので、微妙なニュアンスを理解してクライアントに実際に提言するのは私になります。すなわち、私の伝える内容がRAとしての見解になるわけです。どのように説明すれば、クライアントの理解が得られるのかを現場責任者と何度もすりあわせをしてのぞみました。

考える限りの準備をしたつもりでしたが、「こちらの意図が理解されていない」とクライアントから厳しい指摘を受けたり、私たちのリスクの説明が理解できないと言われたりもしました。それでも怯まず、時にはミーティングの中で上司と相談しながら根気強く意見交換したことで、最終的にクライアントと改善の方向性について相談されるような信頼関係を築くまでに至りました。

目指すはグローバル。キャリアデザインを自由に描く

入社3年目までは、クライアント内においてITシステムを用いた業務が適切に行われているのかを評価する監査の経験を重ねました。その経験を生かして3年目からは、内部統制クライアントに対してリスクマネジメントを強化する体制づくりや仕組みづくりについて会社の環境に合わせて提案するというアドバイザリー業務にも携わることができました。

正直に言うと、入社当時は社会人になって間もない私が会社で何十年も働いているクライアントに対してアドバイスできることは少ないのではないかと不安に思っていました。でも、入社時に実施する研修や監査業務の経験の中で一から客観的な立場で「リスク」そのものを捉える機会を得て、監査等の実務を通じてそれぞれの会社にあるリスクを徹底的に理解し、それに対して何をするべきかを考えることを学びました。だからこそ、リスクの専門家としてクライアントがまだ気づいておらず対応できていない部分を理解して客観的な視点から提言をすることができると考えています。

また私は、通常のクライアントとのコミュニケーションがメインの監査業務に加えて、Global coordinationという業務にも従事しています。PwCのクライアントはグローバル企業が多く、本社だけでなく子会社を持つ企業がたくさんあります。クライアントの本社と子会社に対しては、PwC内でも違うチームが担当していることも珍しくありません。こうした際に、適切なコミュニケーションの機会を設けて情報交換や意見交換を推進し、PwCネットワーク全体の成果を高めることがGlobal coordinationの任務です。世界中のPwCメンバーと密度の濃いコミュニケーションを図る土台作りともなるので、PwCらしさを体感できる業務と言えます。

また、私は入社当時から、海外に関連する仕事がしたいと上司に伝えてきました。経験を積んだ今では、グローバルモビリティプログラム(海外赴任プログラム)を利用して2~3年後までには海外赴任したいという目標を持っています。こうした将来への目標を踏まえて、現在では外資系クライアントのプロジェクトを中心に担当させてもらえています。自分が将来こうなりたい、こんなプロジェクトに携わりたいと社内で声をあげると、実現に向けて柔軟に環境を整えてくれるのもPwCで働く魅力の一つです。

温かい目で見守る先輩と同じように後輩をサポートする

最初は私たちの提案に耳も貸してくださらなかったようなクライアントが、リスク管理の重要性に気づき、こちらから何か言わなくても対応を検討したいと相談いただけるほど問題意識が高まっていくのを感じることがあります。それはクライアントの組織の中で、自分たちの会社は自分たちで守ろうという意識改革が進んだ証といえます。会社を守るために必要な物事が進む過程に少しでも貢献できた時は、本当にこの仕事を選んでよかったと感じます。

ただ、こうしたクライアントの意識改革に大切なのは、信頼関係を築くことはもちろんですが、そもそもなぜリスク管理を行う必要があるのかという目的を理解してもらうことです。そのためには、クライアントとお互い納得がいくまで徹底的なディスカッションを重ねるようにしています。

まだ経験が浅いので、そうしたディスカッションの中でミスをしたり、うまくコミュニケーションが取れなかったりといった失敗をして反省することもあります。ただ、何かミスや失敗をした時でも、先輩は「なぜミスをしたの」と上から詰め寄るのではなく、私の立場に寄り添って話を聞いてから原因を考え適切なサポートを行ってくれます。先輩に限らずチームメンバーも支えてくれるので、ミスを引きずることなく、前を向いて業務に取り組むことができています。表立ったミスではなく個人的な悩みごとを抱えている時でも、私が何か言うまでもなく先輩から察して声をかけてくれることさえあります。常に温かい目で見守ってくれているんだなと実感する瞬間です。今の私が精いっぱい業務に向き合って頑張れるのは、まさしく先輩をはじめ素晴らしいチームメンバーのおかげ。そんな私を見て後輩が「盧さんが頑張っているから私も頑張ります」と言ってくれることを嬉しく感じますし、そうした後輩にとって今度は私が役立てるようなサポートをしていきたいと思っています。

※法人名、役職、インタビューの内容などは掲載当時のものです。