デジタル技術の急速な進歩や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるパンデミックなど、予測不可能なことが次々と起こる現代は、VUCA(ブーカ)時代とも呼ばれ、あらゆる業界、あらゆる企業が変革を迫られています。これは監査法人も例外ではありません。PwC Japan有限責任監査法人(以降、PwC Japan監査法人)にも、これまで経験したこともないような2つの大きな変革の波が押し寄せています。
1つ目の変革は、監査領域の広がりです。これまで私たちの役割は、会計のプロフェッショナルである公認会計士がクライアントの財務情報を監査する、“会計”領域にとどまっていました。それが今では職員や幹部の女性比率などの多様性に関する指標、人材育成にどれくらいのコストをかけているか、温室効果ガス排出量をはじめとした気候変動に関する指標まで、企業に求められる情報開示はどんどん拡大しています。私たちも時代に合わせて変化し、あらゆる領域をカバーしていく必要があります。
そして2つ目の変革は、デジタルイノベーションです。企業におけるデジタル化に対応し、監査のデジタル化が求められています。AIをはじめとするテクノロジーの活用が必須となっています。すでに日常の業務で生成AIの活用は始まっていますが、近い将来、単純作業は全て人の手を離れ、AIやテクノロジーに置き換えられる時代が来るでしょう。そこまでデジタルが進化すると、人間はいらなくなるのではないかという声が聞こえてきそうですが、私は逆に人間の価値は高まると考えています。デジタルイノベーションによって生まれた時間をクライアントとの対話に使うことで信頼を深め、悩んでいるときに背中を押せるような存在にならなくてはならない。監査法人が会計監査だけをしていればいいという時代は、終焉を迎えました。まさに今、監査法人の枠を越え、信頼を提供するプロフェッショナルファームへと変貌を遂げる大きな転換期を迎えています。2023年12月、PwCあらた有限責任監査法人とPwC京都監査法人は統合し、PwC Japan有限責任監査法人が誕生しました。オーナー企業が多い京都に根ざした活動をしてきたPwC京都監査法人はクライアントとの信頼構築に長けています。PwCあらた有限責任監査法人にはグローバルとつながり、最先端の情報を日本の企業に提供し、幅広い分野で活動してきた実績があります。両者が融合することによって、未来の社会により貢献できるプロフェッショナルファームへの進化はさらに加速するはずです。
業務の領域が広がれば、働く人材も多様化していきます。グローバルなネットワークを持つPwC Japan監査法人では、バックグラウンドも違えば、共通言語も異なる仲間と仕事をすることが当たり前になっています。これだけの違いがありながら、なぜお互いを信頼して仕事ができるのか。その原点となっているのが「Integrity(誠実さ)」です。監査という業務、クライアントへの信頼、社会への責任、あらゆる面で一番大切なものは“誠実であること”だと、私たちは考えます。これまでPwC Japan監査法人では、カルチャーとしてIntegrityを大切に育んできました。そして、それは今後も変わることはありません。
その上で必要な素養があるとすれば、変化を恐れず、挑戦を楽しむことができるマインドではないでしょうか。と言っても、難しく考えることはありません。「未来へのレールは自分で敷くもの」という言葉がありますが、これからの監査の世界には、どこがレールを敷く場所になるのかも分からないような手つかずの原野が広がっています。ときには勇気が出ずに、尻込みをすることもあるかもしれません。しかし、PwC Japan監査法人には約4,000人の仲間がいます。多様な仲間がきっとあなたの背中を押してくれるはずです。
皆さんの未来には、無限の可能性が広がっています。私たちは、共に成長し、共に新たな歴史を刻んでくれる仲間を探しています。Integrityを持ち、挑戦を楽しみたい人はぜひ、PwC Japan監査法人に来てください。そして、想い描いている未来の話を聞かせてください。皆さんとお会いできるのを楽しみにしています!
PwC Japan有限責任監査法人 代表執行役
久保田 正崇