
テクノロジーアドバイザリーサービスに所属する若手社員2人が、オフィスのある東京を離れ、福島県内で仕事と休暇を組み合わせた「ワーケーション」を2カ月間行った経験について振り返りました。
PwC コンサルティング合同会社 Technology & Digital Consulting
Technology Advisory Service
斎藤 光 シニアアソシエイト
PwC コンサルティング合同会社 Enterprise Transformation-Industry Solutions
渡邉 元気 シニアアソシエイト
※役職およびインタビュー内容などは掲載当時のものです。
(左から)渡邉 元気、斎藤 光
渡邉:PwCでは「生産性や心身の健康向上への効果がある」「非日常の環境で仕事をすることで新たなアイデアが生まれやすくなる」という観点から、仕事と休暇を組み合わせた「ワーケーション」を積極的に推進しています。社内でもワーケーションを推奨する案内が何度か出され、私はそこからワーケーションに興味を持ち、実行に移すことにしました。場所を選ぶにあたって、私は福島県出身であることから、福島を訪れたことのない同僚を地元に招待し、微力ながらも福島の魅力を共有し、地元に貢献したいという考えがありました。また、長らく情熱を注いできたスノーボードのスキルを向上させたいという熱望も抱いていたため、福島でワーケーションを実施することを決断しました。
斎藤:当時の私はフルリモートで働いていた関係で、対面で人と話す機会が少なく、単調な生活になりがちで、何となくモヤモヤとした気分で日々を過ごしていました。かねてからPwCの推進する「ワーケーション」に興味はあったものの、1人で行くにはハードルが高く、どうしてもその1歩が踏み出せない状況でした。そんな状況のなか、渡邉君に声をかけてもらったのですが、ワーケーションは必ずしも1人で実施しなくても良いという驚きとともに、現状の「モヤモヤした日々から脱却するためにとても良い手段になるであろう」という確信がありました。私も幼少期からスノーボードを趣味で嗜んでおり、声をかけられた時期も秋ごろであったことから、「スノーボード×ワーケーション」のアイデアに大変魅力を感じました。プライベートとワークがより近づくワーケーションでは、「よりリフレッシュしてワークができるのでは」という希望と、「プライベートとワークの切り分けが上手くできるのか」という不安を半々に、計画を進めることを決断しました。
斎藤:このワーケーションの計画にはいくつかの段取りが必要でした。まず、会社の規定を確認することから始めました。規定では、クライアントオフィスや所属オフィスへの出社が必要な場合に、定時もしくは指定された時刻に出社が可能な執務場所で業務に従事することを原則とされています。福島県は、郡山駅から新幹線を使えば1時間半程度で都内に出られるため、この規定はクリアしていました。余談ですが、PwCでは適切な申請を行えば一定期間海外でのリモートワークも実施できます。社内には海外出身のメンバーも多数在籍しており、コロナ禍において母国の家族と会えない期間が続いていたことから、この制度を使用し海外からリモートで仕事を行う方もよく見かけます。他の会社の制度は存じ上げないのですが、少なくともPwCは働く場所に対してはかなり寛容なのかなと思います。
渡邉:次に、執務場所の確保です。2名の社員がそれぞれリモートで会議を実施するため、互いの声が聞こえないセキュアな間取りや、デスクやワークチェアを含む執務環境、さらには遅延のないネットワーク環境が必要になります。また、福島県から出社をする場合も想定し、ある程度新幹線の駅に近い場所で探す必要がありました。私たちは宿泊場所をそのまま執務場所として使用する想定だったので、これらの条件を満たす宿泊場所を探すことには苦労しました。運良く全ての条件を満たす部屋を見つけ、ワーケーション中は3LDKのマンションの1室を借り、各自が別々の部屋を執務スペースとし、LDKを含むその他のエリアについては共同利用する方針でまとまりました。
斎藤:あとは、プロジェクトの上長やチームメンバーからの許可の取得ですね。会社の規定はクリアしていたのですが、ワーケーションの実施期間が2カ月と比較的長期だったこともあり、物理的な距離が離れていることに不安を覚える方もいるのではと思いました。そのため、ワーケーションの実現にあたり、各々のプロジェクトメンバーに事前に相談を行いました。私の参画していたプロジェクトはフルリモートだったことや、他のメンバーが1週間単位のワーケーションを既に実施していたことから、福島県でのワーケーションに快諾してもらうことができました。
渡邉:私の関わっているプロジェクトでは週に1回程度の出社が必要だったのですが、始業時間までには出社が可能なことを説明した結果、上長から承諾をいただくことができました。この際の工夫として、事前に出社のスケジュールをプロジェクトメンバーとすり合わせておくことを意識しました。その結果、物理的な距離はあるものの、週1のペースでメンバーとも対面でコミュニケーションをとることができ、大きな問題なくプロジェクトを推進することができました。この時のメンバーの柔軟な対応にはとても感謝しています。
PwC コンサルティング合同会社 Technology & Digital Consulting Technology Advisory Service 斎藤 光(サイトウ ヒカル) シニアアソシエイト
渡邉:密なコミュニケーションを特に意識しました。具体的には、上長やプロジェクトメンバーと日次でタッチポイントを設けること、また何か質問や疑問点がある場合にはタッチポイントを待たずにチャットにてコミュニケーションを図ることなど、ワーケーション以前よりも活発にコミュニケーションをとることを意識していました。上述のとおり、週に1回の頻度で出社もしていましたし、メンバーも私も、特に物理的距離が離れている感覚はなかったのかなと思います。ワーケーションという特殊な環境であったために密なコミュニケーションに取り組んだわけですが、それがプロジェクトの推進にもたらす影響は大きく、ワーケーションが終わった今も、当時のコミュニケーション頻度を続けるようにしています。
斎藤:渡邉さんと似ているのですが、私もコミュニケーション面での工夫をしました。具体的には、レスポンスをできる限り早く行うということです。チームメンバーとの物理的な距離はもちろんありましたが、その分、心的距離をできるだけ近づけることを意識しました。チャットや会議依頼に即応することで、オフィスで対面で働いているのに近い感覚で仕事ができました。議論や検討の推進スピードも上がりますし、むしろワーケーションを始める前よりプロジェクトの推進スピードが上がったのでは、と思います。この経験以降、連絡はなるべく早く返すように意識しています。
渡邉:2カ月という長期間を同期とともに過ごすという初めての経験でしたが、学びの多かった期間だったと思います。斎藤さんと私は同じ時期に同じ部署に入社した同期なのですが、得意領域やケイパビリティがかなり異なっていたため、互いにアドバイスをしながら業務を行っていました。具体的には、斎藤さんは英語でのコミュニケーションを得意としており、私が海外のPwCメンバーとチャットやミーティングでやり取りをする際に、度々サポートしてもらいました。一方、私はクラウドなどのアーキテクチャについて詳しかったので、テクノロジー面の質問を斎藤さんから受けることが多かったです。業務の内容は違いますが、同じ役職の人間として共有できるTipsが多くあり、互いが経験したことを積極的に共有する機会を設けていました。
斎藤:この期間は私にとっても勉強になる期間でした。ワーケーションを実施する前は、リモートワークということと、同期と過ごすということもあり、「プライベートと仕事を明確に切り離せるのか、曖昧になってしまうのではないか」という不安がありました。しかし、予想に反し、メリハリを持って働くことができたと思います。というのも、宿泊していた場所は外出する際、必ず車を使用する必要がありました。そのため、2人の間で明確な勤務の終了時間を設け、そこまでに仕事を終わらせるという気概で取り組みました。1人で作業していると、どうしても終わりの時間を設けずダラダラと仕事をしてしまいがちですが、明確な終了時間が決まっていることで、より効率的に集中して業務に取り組めたかなと思います。また、ランチタイムなどに気軽に雑談をしながらともに過ごせたことも良かったと思います。やはり、1人でずっと作業をしていると気付かないうちに気疲れしてしまいますから、適度なリフレッシュは効果的であったと思います。コロナ禍の真っ最中に入社した2人だったので、お互いリモートワークにも慣れており、特に苦労した点はなかったと思います。
PwC コンサルティング合同会社 Enterprise Transformation-Industry Solutions 渡邉 元気(ワタナベ ゲンキ)シニアアソシエイト
渡邉:お互いに共同生活するうえで目標を立てて生活しました。1つ目は、健康的な生活を送ることです。1人では無頓着になりがちなことも、お互いが意識して注意しあうことで、栄養やカロリーに気を付けた食生活を送ることができました。2つ目は福島の食を堪能することです。焼肉や名物のソースカツ丼など、福島県の名産物を余すことなく食べることができたと思います。また、雪が多い地域だったため、車が雪に埋もれて動かなくなる時もありましたが、2人で協力して脱出するなど、言葉では表せないくらい濃い時間を過ごすことができました。
斎藤:実は毎週末、互いの友人を福島県に招待し、大勢でスノーボードをすることが多かったですよね。それぞれが友人を連れ合い、互いの友人同士のコラボレーションが見られたことはかなり楽しかったですし、貴重な経験だったと思います。社内の方にも何人か遊びに来てもらい、色々なリレーションを作ることができました。土日は完全オフと割り切って、遊びにきてくれた方々と朝から晩まで遊びつくせたのがとても良かったですね。本当に良いリフレッシュになりました。
斎藤:ワーケーションの実現のために苦労や工夫はありましたが、仕事もプライベートも含め、充実した期間だったと思います。1人で部屋に籠って仕事をしていた時のモヤモヤも吹き飛びました。
こういった長期間のワーケーションを実現できる会社はそう多くはないと思います。柔軟な働き方を支援してくれるPwCに魅力を感じています。
渡邉:今回はワーケーションという形式をとりましたが、PwCでは子育てやさまざまなライフスタイルに合わせて柔軟に働けるよう、リモートワークやコアなしフレックスタイムなど多様なライフスタイルを可能にする働き方改革を推進しているので、今後も積極的に活用し、効率よく働きたいと思っています。