PwCを象徴するカルチャー、「Speak Up」。個人の意志や思いこそが組織の成長の源泉と考え、職階や年齢、年次に関わりなく、声を上げることが全ての人に奨励されています。もちろん、発信された内容を真剣に受け止め、改善していく組織の風土があればこそ。実際にSpeak Upに取り組み、カルチャーを体現するパートナー、職員に自身の経験とPwC あらた有限責任監査法人(以下、PwCあらた)のSpeak Upについて、語り合いました。
財務報告アドバイザリー部
梅木 典子
保険アシュアランス部
谷口 麻里
財務報告アドバイザリー部
加藤 大貴
トラストサービス開発推進部
石川 良亮
※法人名、役職、インタビューの内容などは掲載当時のものです。
(写真左から)梅木 典子、加藤 大貴、谷口 麻里、石川 良亮
梅木
私は2006年にPwCあらたに入社しました。PwCあらたが設立された年ですね。2009年にパートナーに就任しました。公認会計士のキャリアは30年ほどあります。PwC Japanグループのダイバーシティ推進責任者を10年ほど務めており、インクルーシブなカルチャーの醸成や女性活躍、社会貢献をテーマに取り組んでいます。他にも社外では、2019年から日本公認会計士協会の理事を務めています。
加藤
私は2019年に入社し、前職も監査法人ですが、いまは業務の他に、組織の改善点を部門のトップに提言するスタッフフォーラムの活動にも参加して、若手である私たちシニア・アソシエイトやアソシエイトがSpeak Up※した内容を伝えています。
谷口
私は前職で化粧品の研究・開発を担当していました。全く畑違いの分野から会計士の資格を取得後、2011年にPwCあらたに入社、いまは保険会社の監査業務をしています。私も女性の社会進出に興味があり、梅木さんと一緒にI&D(インクルージョン&ダイバーシティ)活動もしています。
石川
私がPwCあらたに入社したのは、2016年です。最初は監査業務に就き、その後、法人内の自発的な異動を支援するOEP(Open Entry Program)制度を2回利用して、「会計×デジタル」をキャリアの軸に据えています。
※Speak Up:自分の意見を、職階や経験年数を問わず誰でも発言することができるPwCの文化。職階に関係なくその発言に耳を傾け、対等にディスカッションすることが求められている。
梅木
加藤さんがスタッフフォーラムで提言してくれているように、「Speak Up」はPwCを象徴するカルチャーです。職階や年齢、年次に関わらず、声を上げることが全ての人に奨励されています。
石川
入社してすぐの頃に、事務所でパートナーとシニア・アソシエイトが、対等に議論するのを見て衝撃を受けました。さらに驚いたのは、そのやり取りを見かけた別のパートナーが、「スタッフ側が正しいと思う」と言ったこと。その後に私も、自分が正しいと考える意見を率直に伝えて、受け入れられる体験を何度もして、PwCにはSpeak Upが文化として根付いていると実感しています。
加藤
私がPwCあらたに転職した理由の1つも、Speak Up文化の存在です。自分の考えを発言できる会社だと聞いていて。実際に入社してみて、自分の思いを気軽に伝えられる場が多いと感じますね。
谷口
自分が発信したことを、真剣に受け止めてくれる組織であることも重要ですよね。ことの大小に関係なく、業務や環境改善など何か気がついたことを発信すれば、必ず耳を傾けてくれる。そして、自分が想定していたよりも、よい結論が生まれていきます。
梅木
声を上げた後に、受け止めて、よりよい針路に向けて共に考える。以前、入社して間もないスタッフが、「社内のコミュニケーションを深める企画を実現したい」と声を上げてくれました。素敵なアイデアなので、ぜひ予算をつけて実現したい。ただここで上席である私が上申してしまっては、新人スタッフの存在がマネジメントにも周囲にも認知されません。PwCでは、全員が全員――新人スタッフもディレクターもパートナーもトップマネジメントも――リーダーである、という「ホールリーダーシップ」を重要なコンセプトにしています。このときも、発案者である彼にプレゼンしてもらい、その結果、彼自身がリーダーを務める企画が動き出しました。意志や思いを持った人が、まずは声を上げる。すると、周囲は巻き込まれていき、組織も動いていきます。個人が成長する初めの一歩が、Speak Upすることなのだと思います。
PwCがグローバルで求める「リーダーシップ像、プロフェッショナル像」。「5つの要素があってホールリーダーシップが最も重要なので、中心に描かれていると考えています」(梅木)
谷口
私は出産後、子育てしながらキャリアを形成したいと思いましたが、前例がなく、働き方に迷った時期がありました。そのことを当時の上司に話すと、「自分のやりたいようにやってみよう」と応援してくださり、いまの環境で自分の能力を最大限に発揮できる働き方を考えようと、気持ちを切り替えることができました。同じように、女性がライフイベントを理由にキャリアに迷ったときに、支えになりたい。自身の経験を伝えて、恩返しをしたいと考え、シニア・アソシエイトになったタイミングで積極的に声を上げるようにしました。アソシエイトの方から困りごとをヒアリングしたり、一対一のミーティングをしたりして、目指すキャリアや育児との両立、キャリア形成で不安に思う点などを解きほぐすように伺いました。Speak Upでは、自ら声を出すだけではなく、「見えない声」を引き出す環境づくりも大切。いまも支援の輪が広がっていて、部門のパートナーから体験談や考えを話していただく場をつくるなど、よい循環が生まれています。
梅木
私も改めてこれまでのキャリアを振り返ってみると、自然にSpeak Upしてきたと感じています。いまにつながるI&D推進活動も、Speak Upから始まりました。パートナー就任当時、部門の女性パートナーは、私を含めて2人だけ。女性の管理職が少ない状況だったので、マネージャー以上の女性のランチ会を企画し、気軽に情報交換できる場をつくりたいと思い、当時の部長にSpeak Up。部長はすぐに「いいね」と歓迎してくれて、「グループ全体で取り組めるように、アシュアランス・リーダーに提案しては」と背中を押してくださいました。これが実は、PwC JapanグループのI&D活動の原点です。
石川
周囲に対するSpeak Upだけではなく、個人のキャリアに対しても、気軽に手を挙げられる環境ですよね。私自身のキャリアでいうと、初めに所属していた部署で、デジタル技術を使うことで自分の能力にレバレッジがかかり、効率的に業務をこなせることを知り、ITに興味を持ちました。そこでOEP制度に応募して、監査業務変革部(現・アシュアランス・イノベーション&テクノロジー部)という、監査業務のDXを推進する部署に異動しました。その後、再びOEPを活用してトラストサービス開発推進部に異動し、現在はアドバイザリー業務とデジタルを掛け合わせたサービス開発に取り組んでいます。自分で決めたキャリアを歩みたい。6年という短期間で3部署を経験できているのも、PwCのSpeak Up文化があるからこそだと思います。
加藤
私が経験した象徴的なSpeak Upは、冒頭で紹介したスタッフフォーラムですね。私たちの部門は4つのセクターに分かれていて、管理職以上はいずれかのセクターに所属します。一方、シニア・アソシエイト以下は、アサインベースで業務が決まるため、具体的なジョブを想定できずキャリアプランを立てづらい状況でした。こうした問題意識をスタッフフォーラムで話し合い、管理職以上の方に、ジョブやアドバイザリー業務に関する情報を定期的に発信してもらいたいと提言。部門にどんなプロジェクトがあるのか、次はどんな領域の案件が走り出すのかなどをシニア・アソシエイトやアソシエイトが知る機会を設けていただきました。私を含めて下の職階の者が自ら、上司やコーチに「こういうジョブをしたい」とSpeak Upする機会の増加につながったと思います。
谷口
私の場合、業種を越えた転職でしたので、正直なところ、当初は経歴や年齢の面でハンデがあると感じていました。ただ、仕事を続けるうちに、全然そうではないことに気づきました。自分の中で閉じこもらず、いままでの経験から自分は何に向いているのか声を上げ、仲間と一緒に話し合いながら進んでいけば、自分の個性が際立ってくる。そう思ったんです。
梅木
やはりインクルージョンが大切ですね。プロフェッショナルファームであるPwCあらたには、いろいろな専門性を持つ人たちが、相手を尊重しながら組織として働いています。
加藤
私もお互いの価値を認め合いながら、PwCをよくしていきたいと思っています。相手も自分も、一緒に成長することを大切にしたいですね。
石川
私個人にフォーカスすると、成功よりも失敗のほうが多いかもしれません。ただ失敗を失敗にとどめず、前向きに改善点を探り、チャレンジしたいと声を上げれば何度でも取り組める。PwCにはそれを認めるカルチャーが根付いています。
梅木
Speak Upは、行動です。どんな立場の人でもリラックスして、安心してSpeak Upできるのは、「ありのままの自分」でいられる環境があるからです。それはすごく安全な環境で、何ごとにも代え難いものだと思っています。