昨今、ビジネスやサービスにおいて、人とモノのつながりは強く、複雑に絡み合っています。そうした中でPwCコンサルティング合同会社(以下、PwCコンサルティング)ET-IS(Enterprise Transformation-Industry Solutions)※部門のSecure mobility CoEは、多様な知見、経験を持つメンバーがモビリティ領域のセキュリティにおける課題解決に取り組み、確かな安心・安全をクライアントやそのお客様に届ける仕組み作りに邁進しています。今回はSecure mobility CoEのメンバー3名が、魅力ややりがい、今後の展望を語ります。
※ET-IS(Enterprise Transformation-Industry Solutions):インダストリーの視点から重要課題やテーマを解決することを目的とし、クライアントのトランスフォーメーションを支援する組織。
左から落合勇太、納富 央、岩本 康隆
納富:
私は、大学卒業後に大手SIerに就職し、業務システムなどの設計開発および運用に従事するエンジニアからキャリアをスタートしました。その後、コンサルティングファームに転職し、自動車関連企業に向けたシステム導入支援等に長く携わっていましたが、偶然、PwCコンサルティングとプロジェクトで協業する機会があり、それが転職のきっかけになりました。一緒に業務を行う中で、プロジェクトの進め方に感銘を受けただけではなく、PwCコンサルティングのメンバーが自社の魅力を語る様子がとても印象的で、その風通しの良さに、「私もここで働きたい」と感じたことを印象深く覚えています。
PwCコンサルティングに入社後は、継続して自動車関連企業向けの支援に主に従事してきました。とある自動車関連企業のサイバーセキュリティ組織の立ち上げ案件に関わったことをきっかけに、自動車×サイバーセキュリティの重要性や課題に触れ、モビリティ領域のサイバーを中心としたリスク対応をナレッジ化して社内で展開できる形にしたいという思いから、Secure mobility CoEを立ち上げました。現在はそのリードをしています。
岩本:
私は大学卒業後に新卒で大手自動車メーカーに入社し、海外事業のバックオフィス支援等に従事していました。コンサルティングに興味を持ったきっかけは、キャリアを積む中で、自分が培ってきた知見を基にもっと高い視座で業務を行いたいと考えたことです。また、お客様と接することのできるサービス業務が好きだったため、この2つを掛け合わせた結果、コンサルタント業務に行き着きました。加えて、変化の激しい世の中で「今のスキルだけでは生きていけないかもしれない」という不安もありましたので、幅広いスキルを身に付け、広く求められる人材となるためにコンサルティング業界に飛び込みました。
前職の他コンサルティングファームでは、勤務地の関係で担当できるクライアントが限られていたのですが、PwCコンサルティングでは多種多様な業界に携われる環境があると知り転職しました。私も納富さんと同じく「人」が入社の決め手です。面接官のカジュアルで話しやすい雰囲気が印象的で、ここなら培ってきた知見を十分に活かしながら働ける環境だと感じました。
現在は、Secure mobility CoEの業務と並行して、Industry Solution Garage(ISG)の責任者を務めています。さらに、PwCはグローバルな取り組みも多くありますので、語学力を活かして海外のクライアントに向けたプロジェクトの補佐業務にも従事しています。さまざまな側面から業務に携わることができるのはPwCの魅力です。
落合:
大学卒業後に大手自動車メーカーに入社し、車載ネットワーク開発設計に従事していました。他にもAIを活用した商品の研究開発チームの立ち上げや、新規事業企画など、多様な業務に携わる中で培った経験と知見を、社内に留まらずもっと多くの企業や業界で役立てたいと考えたことが、コンサルタントへの転身に踏み切った理由です。
PwCコンサルティングに入社した決め手としては、実は最初の面接官が納富さんで、「落合さんが培ってきた知見や経験は私のチームで活かせる」と言ってもらったことが大きかったです。コンサルタントへの業種転換に不安もありましたが、面接を通して入社した後の働き方や業務のイメージも掴むことができました。現在の業務としては、主に官公庁のクライアントに対して、データの活用方法や課題の発見と解決など、さまざまな支援を行っています。
納富:
一言で言うと、モビリティ領域のさまざまなビジネスに対するリスクを抑えることを目的としたチームです。モビリティ全般の安心・安全をどのように担保していくのかをテーマとし、サイバーセキュリティ対応や、品質保証を含むコーポレートリスク領域、国のルール・ガイドライン策定などを中心に支援しています。例えば、ある省庁の支援では、モビリティの安心・安全を担保する観点からルール作りやシステム化を行っています。昨今、議論が活発な自動運転、コネクテッド、電動化(EV)、モビリティのサービス化においては、移動する人やモノが、さまざまなインフラとつながっています。どのような仕組みを作れば安心・安全につながるのか、既存の仕組みでできることなのか、それとも全く新しい仕組みが必要なのかなど、人・モノの移動の安心・安全を実現するために幅広い視野でサービスや支援を提供できることが魅力だと考えています。
サイバーセキュリティ対応も1つの大きなソリューションです。人、モノ、データのつながりは、必ずサイバー攻撃の対象となる危険性がありますので、脆弱な部分をできる限り残さないように全ての領域を考えなければならず、さまざまな専門領域から取り組まなければならない困難さもあります。
モビリティのサービス領域には「セキュリティ」をはじめとしたリスクが必ず内包されています。私たちはその1つひとつに、PwCの多様な背景を持つ人材の知見を結集し、安心と安全をキーワードに課題解決に向けて取り組んでいます。
岩本:
Secure mobility CoEは製造業の工場セキュリティの支援も行っており、この分野のエキスパートを擁しています。工場のセキュリティを精査するには、セキュリティの知見だけでは足りず、工場にどのような設備があり、データの連携がどのように行われているのか、どこに脆弱性をはらみやすいのかといった全体像を理解していないと支援できない特殊な領域です。
私たちは製造業において生産技術、設備の知見のある人材を採用し、入社後にサイバーセキュリティの知見を身に付ける取り組みや研修制度を充実させています。現場に深い理解と知見を持ちながら、サイバーセキュリティと社内のルール作りにおいて包括的な提案ができるコンサルタントがいることは大きな強みだと考えています。
落合:
私からは、データ利活用の支援についてお話しします。多くのクライアントが、所有しているデータをどのように活用したら良いのかと言う問題を抱えています。データを活用するためには、私たちの本職であるセキュリティの観点だけではなく、個人情報を取り扱うのであれば「個人情報保護法」、数字の出し方によっては「統計法」といったように、取り扱うデータによってさまざまな法律を参照する必要があります。このため、データの取得、活用には法律に詳しいメンバーが必要不可欠であり、PwCではそれぞれの専門部署と連携し合いながら対応しています。時には国や地域の垣根を越えてスペシャリストがグローバルに連携し合えるのは大きな魅力でもあり、PwCの強みだと思います。
岩本:
将来のキャリアプランについて、大きく2つ考えています。1つは、コンサルタントとして、クライアントと相対しながら課題を聞き出し、必要な施策を提案する業務を続けていくことです。もう1つも、目標としては同じくクライアントにサービスを提供することですが、アプローチの仕方として、PwC全体のバリューをもっと上乗せした提案を行っていきたいと考えています。PwCは良い意味で、組織として固まっていない企業です。
例えば、私が担当したISGの立ち上げなどは、規模を考えても、1マネージャーが行えるものではありません。しかし、PwCでは挑戦できます。これは柔軟性のある組織であり、横のつながりが強いからこそ可能なことですが、ソリューションを自分たちで作り販売しているTechnology LaboratoryやFuture Design Labのような特色あるチームは他にもたくさんあります。社内のさらなる活性化や連携を目指し、お互いが触媒になるような仕組み作りが目標です。
とはいえ、納富も話していますが、働きやすい環境がクライアントファーストにつながっているのは間違いありません。わたしは、名古屋在住ですが、クライアントの多くが関東圏の企業であり、リモートで働ける環境が整っていることは重要です。加えて、子どもが3人おり、生まれたばかりの子もいるため、家にいる時間を多く取れるのは非常に助かっています。PwCは男性の育児休業取得率も73%と高く、取ることが自然というような雰囲気があります。家庭や家族について話しやすい風土であることも魅力です。
落合:
私が目指すコンサルタント像を一言で表すと、「困った時に連絡したいと思える人材」です。「新しい事業をやりたい」「人手不足」など、課題や悩みを抱えている方は大勢いらっしゃいます。そういう時に頭に思い浮かべてもらえる人材になることがコンサルタントの醍醐味だと思っていますし、そういう人材を目指しています。
そのためには、これは提供するサービスにも関わってきますが、「サイバーの専門家だからサイバーしかやりません」というように専門領域のみに固執することはしたくありません。専門性を持っているからこそ、サイバーが必要になるビジネスの根幹といった上流にも意識を向け、自分自身や私たちのチームで提案できること、他のチームと連携した方が良いことを精査し、確かな課題解決に向けたサービスを提案していきたいです。
その意味では、PwCは研修の取り組みはよく考えられていると思います。私も入社時には研修を受けましたが、その後はサイバーセキュリティに関する研修の講師側に回ることもあります。教わる立場と教える立場の両方を経験することは、学びの感覚を掴みやすく有用でした。
納富:
Secure mobility CoEの領域は、グローバル対応が求められる場面が増加していくと考えています。落合が国の垣根を越えたグローバルなつながりがPwCの魅力だと伝えてくれましたが、そうした連携をリーダーとしてより積極的に展開していくことが目標です。グローバルな視座を持ってアクションを起こせるメンバーを集めて、Secure mobility CoEの強みや知見を議論しながらアップデートを行い続けています。
そして、さらにさまざまな背景を持つメンバーを巻き込みながら、より具体性を持たせた連携や活動をしていきたいです。データの利活用についても、国内のクライアントは海外の先進事例に関して興味を持っていますし、逆に海外のクライアントは日本国内の優れている事例に興味を持ちます。Secure mobility CoEの目指すところとしては、広い視野で情報収集を行いながら発信方法を模索し、安心・安全を確かに実現できる提案をPwCの総力を挙げて取り組んでいくことです。
自己研鑽の話をさせていただくと、PwCコンサルティング全体で実施しているコンサルタントスキルの研修に加え、Secure mobility CoEには専用のトレーニングプログラムがあります。各々の専門領域において、学びたい内容を学べる環境が整っています。
例えば、セキュリティと言うとネットワークのアタックなど技術的な詳細についての研修を想像されるかもしれませんが、ビジネス全般に関わる網羅的なセキュリティに関して、座学だけではなく、演習を通してアウトプットするトレーニングも行っています。
最後に、メンバーが一番力を発揮できる環境作りも重要だと考えています。個人が培ってきた知見を共有し、今後どのような領域を経験していきたいのか、ヒアリングも行っています。また、リモートワークを駆使した働く場所の調整や育児休業の希望など、メンバーの生活スタイルに沿った働き方ができるように心がけています。
PwCコンサルティング合同会社 ET-IS ディレクター 納富 央
SIerでの設計開発・運用やIT系コンサルティング会社での自動車関連企業のシステム導入支援などを経て現職。自動車業界を中心に情報セキュリティ、製品のサイバーセキュリティ領域におけるポリシー・規程の策定などのプロセス構築、自動車に対するペネトレーションテスト実施管理などのサービスを提供。自動車業界のサイバーセキュリティ領域において、海外のPwCのチームとも連携し、横断的な支援を実施。
PwCコンサルティング合同会社 ET-IS マネージャー 落合 勇太
日系大手自動車メーカーを経て現職。自動車メーカーでは車載ネットワークやゲートウェイECU開発、AI開発チームのリード、新規事業企画等に幅広く従事。現在は、自動車OEMの製品領域向けにサイバーセキュリティのポリシー・規定の策定等のプロセス支援や、企業/組織のデータ利活用の戦略検討の支援を実施。