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モビリティ社会における新たなビジネスの構築
自動車業界において世界的にNEV（New Energy Vehicle：BEV、PHEVなどの新エネルギー車）への構造転換が進む一方で、消費者はコモディティ商品のモノ消費から体験価値を重視したコト消費に重点を移しつつあります。企業はデジタル化の進展により社内業務の効率化に迫られていると同時に、モノに軸足を置いた断続的な製品開発から、UX／UIに軸足を置いた継続的に進化可能なサービス開発へシフトするなど、プロダクト開発から顧客提供まで一貫したビジネスモデルへの変革が求められています。
新たな事業実現に向けて超えるべきハードル
モノ売りからコト売りへの変革を行う際には、物品提供による一時的なマネタイズから脱却し、サービス提供に伴う継続的なマネタイズへと進化させる必要があります。企業は、マネタイズフローを整備し、財務インパクトを適切に制御することが求められますが、その中で以下のような課題があります。
マネタイズフロー整備に関する課題
- 料金設定の難しさ：今までにないサービスに対するフィー／タリフ設定と、継続的料金回収を確実にするキャッシュフロー設計が必要とされる
- ステークホルダー間での収益配分の難しさ：関連するステークホルダーが増えるに伴い、受益者の構造が複雑となることが想定され、レベニューシェアの新たな仕組みが必要とされる
財務インパクトの制御に関する課題
- 投資回収の時間軸の長さ：モノ売りの短期決済により原価回収するのではなく、「利用者数×契約期間×解約率」をコントロールすることで投資回収する考え方へのシフトが必要とされる
- 投資回収の不確実性：継続サービスの実現に必須な新たなアセットを保有・管理する能力が必要とされる
- 資金調達の複雑化：サービス・プラットフォーム・ファイナンスの各プロバイダとの協業、政府・自治体との連携、考慮すべきリスクの多様化に向けた管理の強化などが必要とされる
変革に伴い直面する規制
- 考慮すべき規制の多様化：モノ売りのために対応していた産業規制だけではなく、金融規制・運輸交通規制・消費者保護・会計・税制など新たなサービスに係るさまざまな規制への対応が必要とされる
新たな事業構築に向けての論点
企業は利用者への価値提供の方法を整備するだけではなく、サステナブルな提供を実現するための仕組み作りを行うことが求められています。事業構築に向けた適切な手段を選択し、実現への確度を上げることが重要となります。
コト売りへのシフトを進める上で生じる論点
- 利用者にとっての価値向上：UX／UIの高度化に伴って必要とされる決済手段の多様化など、利用者が抵抗を感じない仕組み設計が必要となる
- 課金体系の整備：サブスクリプションや従量課金など、提供サービスを最大化する課金制度の設計が必要となる
- 資金調達・アセット管理：プロジェクトファイナンス、ベンダーファイナンスなど、実現の確度を上げるステークホルダーの選定が必要となる
- 対象国におけるインフラ整備・政府連携：PPP／PFIや税制活用など、対象地域において事業を展開するにあたって最適なアプローチを選択する必要がある
PwCの支援内容
企業が新たな事業を開始するにあたり、戦略策定から実務構築までの道のりには多くの課題があります。PwCでは、新たなサービス提供の実現に必要とされるビジネスやファイナンス観点のインサイトを提供するとともに、PwCコンサルティング合同会社、PwCアドバイザリー合同会社、PwC弁護士法人、PwC税理士法人などPwC Japanグループの各法人が連携をとることで、新たな事業の構築から実行まで一貫して伴走支援します。
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