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日本では、人口減少ならびに少子高齢化によって人口構造に大きな変化が生じています。また、医療の高度化によりがん患者の生存率が向上すると同時に、生活習慣病をはじめとした慢性疾患が増加することで、外来受療により病気を抱えながら地域社会で暮らす人の数が増加しています。人口構造と疾病構造の変化は、医療・介護サービス需要の増大、ひいては社会保障給付費の増加につながり、持続可能な社会を実現する上で早急に解決すべき社会課題となっています。
近年の医療政策の中心には、病床機能の分化・連携、在宅医療推進、医療従事者の働き方改革など、住み慣れた地域社会で必要な医療が受けられる体制の構築が据えられています。従って、これからの医療機関は地域・医療圏の人口動態や、政策・制度などの医療提供体制を取り巻く環境変化を見据え、患者・医療従事者から選ばれる存在となることが求められています。
医療/ヘルスケアを取り巻くもう1つの大きな潮流としてDXが挙げられます。オンライン診療やデジタルセラピューティクス(Digital Therapeutics:DTx)など、医療・介護領域へのデジタル技術の活用が日々進展しています。
デジタル技術の進展は、医師および医療従事者と患者との関わり方に変化をもたらします。例えば、医師はウェアラブルデバイスを通じて患者の症状の変化をリモートで把握し、オンラインによる受診勧奨を行うことで早期診断治療につなげることが可能となります。今まで患者との接点は医療機関内が中心でしたが、デジタル化の進展により、予後管理などの一部の診療は自宅などの日常生活に染み出していくことになるのです。
社会課題に基づく改革やデジタル技術の活用はもとより言われていたところですが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大によってもたらされた「ニューノーマル」の時代において、医療機関改革の必要性が改めて着目されています。医療体制のひっ迫により、医療機関間連携の必要性が浮き彫りとなり、また受診控えなどの患者の行動変容も見られ、在宅での療養を含む遠隔・非接触による診療ニーズが顕在化しています。
これからは医療機関内での診療だけでなく、在宅で治療・療養する患者の生活を支える患者中心の医療の実現に向けて、地域社会と医療機関の連携が重要になってくるでしょう。
近年、多くの医療機関において医療情報システムの整備が進められてきました。一方で在宅医療、介護を含む、地域における情報連携は十分できていると言える状況にありません。地域で情報連携を進める上での大きな課題の1つとして、医療情報に関するシステムおよびデータが、施設あるいは診療科ごとにサイロ化され、外部接続を可能とする基盤が整っていないという点が挙げられます。結果として、患者の情報を医療従事者間で受け渡す際に大きな手間を要するなど、医療情報を十分に活かしきれていません。
このような情報連携の課題を解決し、これからの地域医療を支える医療機関の基盤として、患者情報を中心とするデータ・ソリューションを連携するデジタル・ヘルスケア・プラットフォームの構築が肝要と考えます。
デジタル・ヘルスケア・プラットフォームは、施設ごとにサイロ化された患者個人の医療データ(EHR)および健康データ(PHR)をつなぎ、情報の利活用(ソリューションの構築・連携)を促進する基盤として、患者のライフスタイルやリスク(既往歴、アレルギー情報など)に応じた、患者本位の医療サービスの実現に寄与します(Patient Experienceの向上)。
加えて、従来は電話やFax、書面が中心だった施設間の情報連携を効率化することで、医療従事者にとって働きやすい環境の実現にも寄与します(Operation Experienceの実現)
ヘルスケア業界およびデジタル技術に精通したプロフェッショナルがスクラムを組み、クライアントの医療機関と併走しながら、DXおよび経営改革に関する構想の策定から実装、稼働後の運用サポートまでを一貫して支援します。
パートナー, PwCコンサルティング合同会社
神田 隆通
マネージャー, PwCコンサルティング合同会社
高橋 真梨江
シニアマネージャー, PwCコンサルティング合同会社