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開発段階から市販後まで医薬品の安全性を一貫して管理する製薬企業のファーマコビジランス(以下、「PV」)部門は、昨今の法改正などを受けて厳しい業務環境に置かれています。グローバルにおいては、新薬承認に至るまでのガイドラインを国際的に統一することによって承認期間の短縮を図りたいICH(医薬品規制調和国際会議)が、市場や技術の進歩を踏まえたガイドラインのアップデートを頻繁に行っており、製薬企業各社は常に新しい要件への対応を迫られています。
国内に目を向けると、コロナ禍を契機として、緊急時に新たな医薬品等を迅速に承認するための仕組みが2022年に整備されました。また、調剤までを含めた非接触型の診療が可能になったほか、薬剤併用に関する注意喚起の即時実施など、健康被害拡大防止を目指した薬機法の改正※1も行われています。さらにモダリティ※2の多様化によって治療手段が高度化し、医薬品が患者に及ぼす影響を予測することが一層困難になりつつあることも、製薬企業各社に少なからぬインパクトを及ぼしていると考えられます。
上記のようなさまざまな環境変化によって、PV部門の業務は複雑化が進み、その業務量は増加の一途をたどっています。この状況を打破し、課題を解決する1つの方法が、デジタルテクノロジーの活用です。
※1:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴う関係省令の整備に関する省令(令和4年厚生労働省令第84号。令和4年5月20日施行)
※2:低分子薬、抗体医薬、核酸医薬、細胞治療、遺伝子細胞治療、遺伝子治療などの治療手段のこと
デジタルテクノロジーの進化は、PV部門の業務に以下のような変化をもたらすと考えられます。
すでにいくつかの企業で、こうした未来を見据えた取り組みが始められていますが、実現に向けた課題は少なくありません。そのため、取り組みを行う上で発生する課題を適切に把握し、PV部門全体の改革を進めていく必要があります。
PwCは以下の4つの視点を踏まえ、PV部門の課題解決を支援します。
変革を進める中で生じる反対意見を抑制するには、事前にPVのあるべき姿、すなわち「ビジョン」を描くことが大切です。「ビジョン」の検討を進める中で、部門内外の関係者を巻き込み、繰り返しコミュニケーションを図ることにより、変革に対するオーナーシップを醸成することができます。
デジタルテクノロジーを取り入れた新たな業務に取り組むには、そのための時間を捻出する必要があります。これまで同様、定型業務の外部委託やCRO(開発業務受託機関)のさらなる活用を進めるのも一策ですが、増大する業務量に比例してコストが増大してしまうという問題があります。とりわけ「症例処理業務」の標準化・効率化には、新たな業務効率化手段の模索が必要となります。
日進月歩で進化するデジタルテクノロジーを適切に評価・選別し、業務に取り込むためには戦略が必要です。また、大規模一括型の導入にはリスクが伴います。まず仮説を立て、PoC(概念実証:Proof of Concept)により迅速な検証を行い、意思決定するといったサイクルを回すことが重要になります。
従来とは異なるスキルセットが必要になりますが、全てをPV部門内で調達するのはおそらく困難でしょう。他部門や、自社では保持しないスキルを持つ外部企業と連携するなど、新たなエコシステムの形成が望まれます。