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国際的な資本規制の議論においては、IAIS(保険監督者国際機構)が2019年に「ICS(保険資本基準) Ver2.0」を最終化し、2025年の本格導入を目指してモニタリングを開始しました。また日本国内においては、「経済価値ベースのソルベンシー規制等に関する有識者会議」が規制の具体的な導入スケジュールを提言するとともに、リスク管理の高度化やガバナンス体制の整備について言及しました。
経営管理の意思決定に経済価値ベースの指標を用いるにあたって、着目すべき点は数多くありますが、その中でもデータは経済価値ベースの指標算出体制の構築および利用の根幹部分に位置するものであり、データガバナンスは重要な論点となります。特に、経営管理や規制の経済価値ベースへの移行に伴い、グループ全体に持続可能なデータガバナンス態勢を構築することが重要です。
データガバナンスの重要性は、先行して経済価値ベースのソルベンシー規制を導入した欧州の「ソルベンシーⅡ」においても強調されており、ソルベンシーⅡに関する委任規則は、さまざまな観点からデータの品質管理について規定しています*1。ソルベンシーⅡは欧州保険会社に適用される規制ではあるものの、経済価値ベースの資本規制という点で、国内で検討されている経済価値ベースのソルベンシー規制と本質的に類似しており、特に経済価値ベースの指標算出のデータガバナンスの検討にあたっては、先行事例のベンチマークとして有用であると考えられます。
2017年9月、オランダ中央銀行(DNB)はソルベンシーⅡのデータ品質管理に関するガイダンス*2を公表しました。このガイダンスには、ソルベンシーⅡが定める重要なデータ品質管理の要素や原則、グッドプラクティスが掲載されています。またDNBはこのガイダンスを通じ、データを適切に管理することは監督当局への報告に用いられるデータの適切性を確保し、その質を向上させるだけでなく、経営およびガバナンス情報、コントロール機能の報告、株主に対する財務報告、保険契約者に対する情報の質も向上させると指摘しています。
PwC Japan有限責任監査法人は、経済価値ベースのソルベンシー規制対応におけるデータガバナンスの高度化を支援するため、経済価値ベースの保険負債や内部モデルなどにおけるデータガバナンスに係る整備の現状とソルベンシーⅡ要件および欧州保険会社におけるベストプラクティスとのGAP分析を行い、データガバナンスの高度化に向けた課題点の洗い出しやロードマップの作成を行います。さらに、「データガバナンス診断サービス」*3と併用することで、持続可能なデータガバナンスの構築状況の診断も可能となります。診断結果に加え、診断後のガバナンス態勢やマネジメントプロセスの構築支援も併せて提供が可能です。