「信頼」を妥協しない、情報管理のパラダイムシフト 第3回 検証可能性により高まる情報の価値

2022-10-13

真正性検証の必要性

連載「『信頼』を妥協しない、情報管理のパラダイムシフト」の第2回「選択的な情報開示による秘匿性の確保」では、情報を過剰に開示しないことで、情報の出し手側の懸念を解消するアプローチについて解説しました。

しかしこの時、情報の受け手側は開示される情報が真実であるのかどうかを検証することができません。つまり、「やり取りされる情報を信頼できない」という受け手側の懸念は解消されていません。

例えば採用活動において、候補者から経歴の確認のために大学の卒業証明書や保有資格の認定証の提出を受けたとしても、有名な大学や資格の場合はインターネットで検索すれば証明書の画像を見つけ、模造することも不可能ではありません。そして第三者がその証明書が本物であることを検証することは容易ではありません。

では、どうすれば受け手側の懸念を解消できるのでしょうか。
そのカギとなるのが情報管理の3要素の2つ目である「真実であることの検証可能性」です。

本稿では日本政府が公式に提供する「新型コロナワクチン接種証明書(以降、ワクチン接種証明書)」※1を例に解説します。

執筆者

小林 公樹

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

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瀬山 稔哉

シニアマネージャー, PwCコンサルティング合同会社

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