韓国個人情報保護法のポイントと企業に求められる対応

  • 2024-10-30

概要

韓国の個人情報保護法(PIPA)は、韓国における個人情報の保護を包括的に規定する初めての法律で、2023年9月15日に改正法(PIPA)とその施行令(PIPA-ED)が施行されました。

PIPAは、当局の解釈により域外適用が認められており、韓国国内でサービス・事業を展開し、個人情報を収集する日本企業はPIPAの適用を受ける可能性があるため対応が必要です。

日本企業が講じるべき対策とは何か

(1)データマッピングの実施

他国の個人情報保護法対応と同様に、自社グループ内で取り扱う、韓国に居住する本人の個人情報の取り扱いフローを可視化することが求められます。特に、日本と韓国の間でどのようなデータが移転され、どのように処理され、どこに保管されているのかなど、委託先や第三者へのデータの提供状況を把握することで、韓国個人情報の取り扱いにおける既存の課題やリスクを明確にすることが可能です。

(2)課題リスクへの対応の明確

PIPAの要件および(1)で洗い出した課題リスクを踏まえて、実施すべき対応を明確にします。特に、上記の「2023年9月施行 韓国個人情報保護法の主要ポイント」で提示した改正要件については、どのように対応すべきかをポイントとして検討する必要があります。

(3)社内体制

(2)により洗い出した対策を踏まえて、本社と現地法人の役割を明確化した上で、PIPAを遵守するための体制(DPOや代理人の設置を含む)を整備しなければなりません。

(4)ドキュメント類の改訂

上記(1)~(3)の検討結果を社内の規程類やプライバシーポリシーなどへ反映する必要があります。単に法令要件を反映させた規程を策定するだけではなく、法令に知見のない従業員でも実行可能な運用手順書を整備することも、コンプライアンス維持において重要です。

(5)データマッピング結果・新たなドキュメント類を踏まえた各種対応の実行

データマッピングの結果や新たなドキュメント類を踏まえて、組織として恒常的に法律対応を講じることができる体制を考慮した上で、以下の主な対応事項を実施します。

①通知・同意の見直し
②越境移転への対応
③本人権利対応フローの見直し
④個人データ漏洩時の対応フローの見直し

まとめ

韓国国内において事業を展開し、それに伴って個人情報を収集する日本企業は、PIPAだけでなく、関連する規制やガイドラインにも厳密に従う必要があります。法令の改正状況をモニタニングし、法令が改正されるたびに迅速に対応し、適切な措置を講じることが重要です。

執筆者

陳 俊琳

マネージャー, PwCコンサルティング合同会社

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高澤 真理

マネージャー, PwCコンサルティング合同会社

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