信用スコアリング事業を題材としたプロファイリングの法的課題 ― 個人情報保護、プライバシーの観点から

2020-09-23

ビッグデータと人工知能(AI)を用いて個人の性向や属性などの推測を行う「プロファイリング」は、新たなビジネスを創出し、事業者・消費者双方にメリットがある一方、プライバシーなどの個人の権利侵害につながる可能性も指摘されます。EU一般データ保護規則(GDPR)においてはプロファイリング規制が設けられるなど、特に諸外国で、プロファイリングの法的課題は活発に議論されています。本稿では、近年、日本においても広がりつつある信用スコアリング事業を取り上げながら、日本におけるプロファイリングを含む個人情報の取り扱いの法的課題について、個人情報保護法やプライバシーの観点から解説します。

*1. 個人情報保護委員会, 2016. 『個人データの取扱いと関連する自然人の保護に関する、及び、そのデータの自由な移転に関する、並びに、指令95/46/EC を廃止する欧州議会及び理事会の2016年4月27日の規則(EU)2016/679(一般データ保護規則)』.

*2. 個人情報保護委員会, 2016. 『個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)』.

*3. 個人情報保護委員会, 2020. 「『個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案』の閣議決定について」(2020年8月11日閲覧)

執筆者

寺門 峻佑

TMI総合法律事務所 弁護士・ニューヨーク州弁護士
TMIプライバシー&セキュリティコンサルティング株式会社 取締役

平岩 久人

パートナー, PwCあらた有限責任監査法人

篠宮 輝

マネージャー, PwCコンサルティング合同会社

積極的なデータ活用を見据えた『攻め』と『守り』のプライバシー ― TMI総合法律事務所/PwC

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