OT環境に対するTISAX VDA ISA 6の適用

  • 2024-10-28

VDA ISA 6のリリース

TISAX(Trusted Information Security Assessment eXchange)はドイツの自動車業界において広く採用されているセキュリティ評価の仕組みです。自動車会社は取引先となるサプライヤーやサービスプロバイダーに対してTISAX認証の取得を求めており、この認証を取得するには認定審査機関による審査を受ける必要があります。

VDA ISAは、ドイツ自動車工業会(VDA)がTISAX審査のためにISO27001に基づいて策定したVDA情報セキュリティ評価基準です。自動車業界における情報の取り扱いやサイバーセキュリティの状況を踏まえて数年に1度改訂されます。最新版であるVersion 6.0.1については2023年10月にリリースされ、2024年4月から審査に適用されています。

VDA ISA 6では、新たにコントロール・要求事項が追加されたことに加えて、これまで情報資産を処理するITシステムやITサービスに限定されていた対象領域に、OT(Operational Technology)システムが含まれるようになりました。

VDA ISA 6におけるアップデートの詳細については「TISAX updates:VDA ISA6のリリースと新たなTISAXラベル」をご覧ください。

本稿では、TISAX VDA ISA 6のOT領域に対する適用のポイントを解説します。

OT領域を含むTISAX認証取得に向けた準備

工場などのOT環境では、生産を止めないこと(可用性)やHSE(健康・安全・環境)が何よりも重視されるため、IT領域におけるセキュリティの考え方をそのまま適用することはできません。ITを管理している部門だけではなく、実際の製造現場をよく知る人材を巻き込むことが、OT領域におけるセキュリティ強化のためには不可欠です。

TISAX認証取得はOT関連部門も含む全社的な取り組みになるため、現時点でOT領域での対策が十分に実施できていない場合、ルールの整備や運用の実施に時間を要することが想定されます。既にISA 5.1以前のTISAX認証(IT領域のみ)を取得済みでも、3年後の更新に向けてすぐに対策を開始する必要があります。

PwCにできること

PwCでは、VDA ISAに基づく現状とあるべき姿のギャップ分析、不足するセキュリティ対策の検討、審査を想定したリハーサルや現地調査の実施、IEC 62443を踏まえたOT領域特有の対策支援など、TISAX認証取得までの一連の活動のサポートが可能です。PwCのグローバルネットワークや豊富な業界経験、さまざまな先行実績を活かし、OT領域を含めた包括的なTISAX認証対応を支援します。

執筆者

藤田 恭史

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

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道輪 和也

ディレクター, PwCコンサルティング合同会社

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山本 貴史

マネージャー, PwCコンサルティング合同会社

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渡邊 紘貴

シニアアソシエイト, PwCコンサルティング合同会社

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江口 碧

アソシエイト, PwCコンサルティング合同会社

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デジタル化する工場のサイバーセキュリティ

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