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2004年にCOSOが策定した「全社的リスクマネジメントの統合的フレームワーク(Enterprise Risk Management-Integrated Framework)」は、世界で最も広く認識され、適用されているリスクマネジメントフレームワークの一つです。
ここ10年間でリスクがより複雑化し、これまでになかった新たなリスクが生まれてきました。さらなる透明性や説明責任を求める声が関係各方面から上がり、取締役会レベルでのリスクに関する議論が注目を集めるようになったことから、全社的リスクマネジメントのあり方の変化に対応するとともに、より適切なリスク管理のアプローチを求める企業のニーズに応えるため、COSOは同フレームワークを見直し、刷新することとなりました。
COSOは2014年、改訂版の主たる起草者としてPwCを採用しました。このプロジェクトは、世界中のさまざまな業種や官民両部門の大きな関心を集めるところとなりました。「全社的リスクマネジメント‐戦略とパフォーマンスとの統合(Enterprise Risk Management-Integrating with Strategy and Performance)」と称されることとなった改訂版フレームワークは、改定前のフレームワークの強みを生かし、その基盤の上に策定されたものですが、必要に応じて適宜、より明確で詳細な説明を加えています。
COSOの「全社的リスクマネジメント―戦略とパフォーマンスとの統合(Enterprise Risk Management–Integrating with Strategy and Performance)」(以下、改訂版COSO ERMフレームワーク)は、世界で最も広く認識され、適用されているリスクマネジメントに関するフレームワークの一つです。本フレームワークには、市場が変化し続け、イノベーションが急速に進み、規制が厳しくなる中、企業の経営幹部はどうすれば、より大きな確信を持って21世紀の企業が直面する課題に対処できるかが示されています。
改訂版COSO ERMフレームワークは、プロセスごとに単独で行う予防的なリスクマネジメントから、積極的なリスクマネジメントへの転換を図ることを目的とするもので、どうすればリスクマネジメントを質と価値の創出、維持、実現につなげることができるかがわかるように構成されています。