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2020-05-29
PwCあらたが働き方を原則リモートワークとしてから2か月が経ちました。政府の新型コロナウイルス感染症専門家会議が「新しい生活様式」を提言したこともあり、これまでの非日常が徐々に新しい日常となってきています。リモートワークの導入がさらに進み、働く場所を自由に選択できるようになる日も遠くないかもしれません。
では、そのような働き方が当たり前になった時、全員が集まって仕事をする時と何が異なり、またどのようなことに気を付ける必要があるでしょうか。
リモートワークでは自分以外のメンバーの動きが見えづらい分、意識的に情報を共有することの重要性が増します。今回は、チームで仕事をする場合にどのような仕組みがあれば情報共有を円滑に行えるのかを考えます。
チームメンバーと同じ空間にいると、手が止まっている様子から業務が捗っていないことに気付けるように、働いている様子から調子の良し悪しや悩みを抱えていることを見て取ることができます。働いている様子を互いに見せることが、一種の情報発信の役割を担っていたと言えるでしょう。
リモートワークの場合、そのような様子が見えにくくなります。だからこそ、自分からチームに必要な情報を正確に発信し、共有する必要があります。特に監査業務のように複数名で仕事を進める場合、お互いの状況や持っている情報を連携することが、業務を円滑に進めていく上で不可欠です。
監査業務を行う場合、私たちは電子監査調書システム”Aura”を必ず使用します。Auraは完全オンライン化しており、チームメンバーであれば各自の業務量や業務の進捗状況をダッシュボードでリアルタイムに確認できます。さらに、完了期限を監査手続ごとに設定できるため、進捗が遅れているものを早期に把握し、業務の分担や優先順位を柔軟に見直すことができます。
Auraの優れている点は、Aura上で監査手続を行うことにより、自動で進捗状況が更新されることです。進捗状況を更新し忘れることもなく、最新の状況を保つことができます。
また、進捗状況を勘定科目や担当者に絞って確認することもできます。被監査会社の規模が大きくなればなるほど、監査の全体像を把握することが難しくなりますが、Auraを利用することにより統一的な形式で一覧化されるとともに、検索機能を上手く活用することで短時間で進捗状況を確認することができています。
とはいえ、こうしたツールを使用するだけで業務が全て円滑に進むわけではありません。ツール上では見えない部分の情報共有やケアが必要です。3月決算の繁忙期をリモートワークで対応した監査チームの多くが、Auraでの進捗確認に加え、オンラインでの会議を1日に1回または複数回実施していました。その会議では、主に具体的な監査手続の方針の確認や監査手続を実施した結果として識別した事項の共有を行います。さらに、Aura上では把握しきれない進捗度合いや相談事項を拾い上げる場にすることで、お互いの状況や悩みがわかり、チームメンバー同士の連携がより一層強まりました。
大きなプロジェクトを進める場合、必要な業務を洗い出し、担当者ごとに業務を振り分け、各担当者の進捗状況を確認することでプロジェクトは前に進むかもしれません。しかし、それでは各自で黙々と業務をこなすだけになってしまい、チームで働いているということを実感することが難しくなります。チーム全体の状況が見える、お互いの状況がわかる、大小問わず相談できるということが満たされて初めて、チームで働いているという感覚が得られるのではないでしょうか。
オンラインであってもチームで集まって行う会議は、さまざまな情報を相互に共有でき、チームで仕事をする上で欠かせないものであると実感しました。ただ、会議をする場合、チーム全員が予定を合わせる必要があります。限られた時間を有効活用するためにも、ツールを上手く活用し、労力をかけずにコミュニケーションの土台となる情報を収集・可視化することが重要です。