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2021-10-11
今から20年後の未来、2041年のコンサルティングファームに勤めているCさん。一体どのような日々を過ごしているのでしょうか?
2041年は、これまでの技術の進歩の速さに鑑みると、現在からは考えられないような新しい技術が生まれ、“現状では予測不能な世界“になっていることでしょう。
超高齢化、人口減、インフラクライシスなどの課題が山積する日本は、さまざまな分野での変革が不可避な時代に突入し、Society 5.0が実現された社会への対応に追われる過渡期にあると予測されます。世界的には、サービス業中心の産業構造へとシフトし、GDPにおけるサービス業の占める割合が約70%に拡大すると言われています。
そのため、先端技術を活用したサービスが生活のスタンダードとなり、労働者の働き方も大きく変化していると考えられます。
また、技術革新や産業構造の変化に留まらず、SDGsが2030年に達成され、貧困や飢餓、不平等の撤廃、気候変動に至るまで、さまざまな課題が包括的に解決された世界になっているのではないでしょうか。
2021年とは社会情勢や働く環境などが全く異なるであろう2041年において、コンサルタントはどのように「デジタル技術」を活用して日々の業務を遂行し、どのような生活を送っているのでしょうか。
Cさんの1日を追いながらイメージしてみようと思います。
※本稿はフィクションです。
誕生日:2013年 10月10日生まれ(28歳)
出身校:関東の実家から地方の高校へ。米国の大学に進学し経営学部を卒業(いずれもオンライン)
勤務先:PwCコンサルティング (2036年~) Public Services所属/シニアアソシエイト
「働く」とは、単にお金を得るためではなく、自己実現や社会貢献など多様な目的を達成するための活動
8時:起床
「おはようございます。本日の天気は晴れのち雨、気温は20度です」
毎朝7時に自動でカーテンが開き、スマートスピーカーがその日の天気や気温などを教えてくれます。
「昨日は飲みすぎましたね、二日酔いのようです。朝食にリンゴをご用意します」
ウェアラブルデバイスが基本的な健康状態を管理し、スマートフォンが私の表情、声のピッチ・トーンなどからその日の健康状態や精神状態を判断し、食事内容や生活方法を提案してくれます。また、不足している食材はドローンが運んできてくれます。
朝ごはんを食べたら軽く家の周りをジョギングします。
離島へ移住してきて、2年が経ちました。
家の周りは森林が多く、朝は夏でもひんやり涼しく気持ちがいいです。
9時:自己学習
ジョギングから戻ってシャワーを浴びた後は、始業時間までオンライン授業を受講します。人気講師の授業をオンラインで視聴し、個別の質問や勉強相談はAIが受けつけてくれます。私は対人の方がやる気が出るタイプなので、あえて対人授業を受けています。
授業といっても、仕事のためだけではなく、自分がより豊かで充実した人生を送るための学習なので苦になったことはありません。
10時:始業
コーヒーを飲んで、一息ついてから仕事を始めます。まずは、自分が寝ていた間のメンバー間のやり取りやクライアントからの連絡、今日のタスクを一通り確認します。そして、就寝前にAIロボットにお願いしていたリサーチ結果やタスクを確認します。
SDGsをきっかけに、世界の課題を各国が独自に取り組むのではなく、世界全体で取り組むべき課題として捉えられるようになりました。最近では私も、東南アジアや南米、アフリカの企業のプロジェクトが多く、自分以外のプロジェクトメンバーは海外に在住しています。時差があることを生かし、先端技術を駆使して24時間体制でプロジェクトを回しているので、効率的かつスピーディーにクライアントの希望に応えるようにしています。
さて、10時半からのチームミーティングに向けて、リサーチ結果を自分なりに整理しておきます。
10時30分:チームミーティング
VRヘッドセットをつけて、メンバー全員がバーチャル空間上に集合してミーティングをします。ミーティングでは各自が調べ、まとめてきたことを共有します。
今はテクノロジーを活用すれば、誰でも良質な情報を収集できるようになったので、情報を収集し、整理することに価値はなくなりました。さまざまな情報を組み合わせて、新しいソリューションを発明するスキルが求められているので、チームでのミーティングは基本的にディスカッションが多いですね。
メンバーとの会議は自動翻訳機を使って行っています。私は日本語しか話せませんが、最近は細かなニュアンスもきちんと翻訳してくれるので言語の壁は心配ありません。
議事録の作成やホワイトボードツールへの書き出しはその国の言葉でAIロボットが行ってくれるので、会議中はみんなが自分の考えを自由に発言し、ファシリテーターである私は意見の集約に集中できます。ファシリテーターの役割は、昔も今も変わらないですね。
12時30分:休憩
「集中力が切れてきたようですね。そろそろお昼にしませんか」
ウェアラブルデバイスが血圧や血糖値を計測し、グラスは瞬きや視線移動などをデータとして読み取ることで、集中力の低下を教えてくれます。
上司は朝から晩まで働いているみたいですが、人によって集中できる時間は異なるので、自身の体質などに合わせて働いた方が効率的だと思っています。
お昼はだいたい、東京に住む曾祖父母、祖父母、両親とウェブランチ会をしています。私は料理が苦手なので、ロボットシェフにお任せです。その日の体調や気分に合わせた食事を作ってくれます。完全栄養食でさっと済ませるときもありますが、私は食べることが大好きなので基本的にはロボットシェフを愛用しています。
健康寿命が伸びたおかげで、祖父母は70を超えた今でも現役で働いていて、仕事の相談やアドバイスをくれるので助かっています。
13時:ミーティング準備
基本的に在宅勤務ですが、家で集中できないときはサテライトオフィスを活用しています。PwCコンサルティングのオフィスは縮小し、今では全国のサテライトオフィス、または自宅から働いている社員がほとんどだと思います。
天気が良い日は近所の森の中で作業することもあります。今は超次世代超高速無線通信(XG)が日本全国に通っているので、どこにいても問題なくインターネットへアクセスできるようになっています。また、外から電話会議に参加してもバーチャル空間上で完全に独立した個室を利用できるので、問題なく対応できます。
さて、先ほどのチームミーティングを踏まえて、クライアントミーティングに向けて資料を最終化しますか。
14時:クライアントミーティング
オンライン上のウェブ会議システムを利用します。やっぱりお互いの顔や表情が見えた方が安心しますから。
ただ、映像や音声データからAI 技術で情動・表情・発言を解析し、クライアントの様子を察知できるようになったので、手元で相手の見えない心情も参考にしながらファシリテーションをしています。クライアントを満足させる成果物を作成することは大前提として、今はよりクライアントの気持ちやリアクションに寄り添った業務スタイルになっているのではないかと思います。
昔は「コミュニケーション能力」と感覚的に言われていたものをきちんと言語化・数値化できるようになったので、コンサルタントであれば、誰でも一定水準以上のコミュニケーション能力が備わるようになりました。研修でたくさん練習を積んだのを思い出します。
16時:ヒアリング
各人が所属する部署はあるものの、社員はボーダーレスに意見交換やリソース交換をしています。クライアントミーティングで頂いた意見を踏まえて、ソリューションをブラッシュアップし、海外オフィスにいるメンバーからも意見をもらいました。
私は多くの方からフィードバックをもらうタイプですね。国籍や担当領域の異なるさまざまな人の視点が加わることで、より確度の高いソリューションになると思うので、積極的に意見をもらうようにしています。
17時:終業
ヒアリングにより新たに加えた方が良い視点をたくさん得られたので、チームにも共有します。それらを踏まえて追加調査項目を整理し、終業前にAIロボットに調査を依頼します。
ここまでが私の日々の仕事ルーティンです。
文字にすると淡白に見えてしまいますが、クライアントファーストで業務に取り組む姿勢はこれまでのコンサルタントの方々と何ら変わりはないと思っています。
クライアントや社会が抱えている課題・問題は、私たちコンサルタントが答えを提供すれば解決する、といった単純なものではなくなりました。柔軟に世の中の変化に対応し、さまざまな知見や経験を融合させ、クライアントの思いに寄り添いながら働く必要があると私は思っています。
ちょっと熱く語りすぎてしまいました。では、お疲れさまでした。
「コンサルタントはプロアスリートである」をモットーに、常にベストコンディションで働けるように体調管理はしっかり行っています。
食べるものに気を配り、最近は家庭菜園を始めました。サボテンも枯らしてしまうタイプだったのですが、最近は水やりのタイミングや植物の状態をAIが教えてくれるのでとても楽になりました。