
「デジタルエコシステムの最前線」コラム 第13回「地域経済エコシステム【後編】」
地域経済エコシステムとは、行政や企業などのさまざまなプレイヤーがデジタルやデータを活用し、地域の魅力を発信することで地域経済・地域コミュニティを活性化するエコシステムです。前編・後編の2回にわたり解説します。
2020-08-24
ビジネスエコシステム(事業生態系)という言葉は1990年代に米国・シリコンバレーで生まれ、2000年代から日本でもよく聞かれるようになりました。今ではビジネス用語として一般化していますが、その根底にはコーペティション(Co-opetition)、すなわち「協調(Cooperation)しながら競争(Competition)する」という相反する考えが混在する難易度の高いビジネス論点があります。
一方で、昨今急激にユーザーの価値観の多様化やデジタル化が進んだことにより、デジタルコマースやデジタルヘルスケア、モビリティエコシステムなど、業種・業界を横断した新たなビジネスエコシステムが次々と生まれています。従来は同一業界内でビジネスエコシステムが形成されていましたが、昨今は業界内における差別化や顧客ニーズの充足が困難になり、各製品およびサービスを顧客目線でシームレスにつなぐ必要が強まっているため、業種・業界を横断したビジネスエコシステム形成が進んでいます。また、顧客ニーズの観点だけでなく、業種・業界を超えた協業の実現を可能とする技術が生まれていることや、GAFAを代表とするメガプレイヤーがさまざまな産業に進出・台頭してきたことによる強い危機感も、ビジネスエコシステム形成を後押ししています。
デジタルの観点で見ると、技術進化によりあらゆる顧客接点から顧客データ取得が可能となり、リアルをデジタルが包含する関係になった(リアルな世界であっても、そこには必ずデジタルな接点がある)こと、他社サービスとの連携がデータレベルで可能となったこと、大きくこの2点がビジネスエコシステム形成を促進しています。このようにデジタル基点で形成されるビジネスエコシステムをデジタルエコシステムと呼びます。
さまざまなデジタルエコシステムが形成されつつありますが、ここでは代表的なものとして6つの領域でのデジタルエコシステムの概要を紹介します。デジタルエコシステムはそれぞれ単独で区切れるものだけでなく、融合的に形成されるものもあるため、一概に分類分けができるものではないことは留意いただきたいと思います。
コーペティションの考えのもと、デジタルエコシステムは複数のプレイヤーによって形成されています。ここではプレイヤーを5つに分類し、各プレイヤーのデジタルエコシステムにおける立ち位置とKSF(重要成功要因)を紹介します。
デジタルエコシステムの価値を高める上では、4つのテクノロジーがキーになると考えられます。デジタルエコシステム形成の目的を鑑みると、顧客やモノに関するあらゆるデータを収集・活用してサービス体験価値を上げることが必要になり、その実現には、「デジタルツイン」「ブロックチェーン」「データプラットフォーム」「AI」がキーテクノロジーとなります。
以上、デジタルエコシステムの基本的な説明・紹介を行いましたが、次回以降は、代表的なデジタルエコシステムについて、その特徴やコーペティションに基づいた戦略の方向性、各プレイヤーのKFSを説明していきます。
地域経済エコシステムとは、行政や企業などのさまざまなプレイヤーがデジタルやデータを活用し、地域の魅力を発信することで地域経済・地域コミュニティを活性化するエコシステムです。前編・後編の2回にわたり解説します。
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