XR(Extended Reality)の過去から現在、未来までを俯瞰する ~幅広いビジネス分野で活用への期待が高まるXRとは~

古くて新しい技術XRの成り立ち

現在のXRの源流となっているのは、映像作家モートン・ハイリグが発表した、立体映像、音声、風、においなど五感を伴う体験ができる装置「The Sensorama」であると言われています。1960年代には現在のヘッドマウントディスプレイ(HMD)に近い装置も開発されました。その後、コンピューター技術の発達によって、1980年代にはフライトシミュレーターが生まれ、「VR(Virtual Reality)」という言葉が使われるようになりました。テレイグジスタンス、AR(Augmented Reality)の研究もこの時期には行われていました。ARのライブラリ「ARToolKit」が開発されてからは、AR表現の普及が進みました。

2000年に入るとコンシューマー向けのHMDが発売されました。これをきっかけに、エンタテイメント分野を中心にVRを始めとしたXRのコンテンツ開発、利用検討が進み、ハードウェアや開発環境が進化した現在、さまざまなビジネスシーンへの転用が見込まれています。

XRに含まれるVR/AR/MRとは

XRは、VR、AR、MR(Mixed Reality)といった画像処理技術の総称です。全てCGによる映像を使用しているものがVR、現実世界の映像にデータや映像、CGをオーバーレイしたものがAR、重ねられた映像やCGと現実世界に物理的な相互作用を作り出したものがMRと、現実世界と仮想世界の融合度合いによって分類され、それぞれの表現に使われるハードウェアも異なります。

 

VR

AR

MR

特徴

  • フルCGの没入感
  • 現実空間にCG、データなどの情報をオーバーレイ
  • 現実とCGなどの高度な物理的融合

デバイス

  • 非透過型HMD
  • スマートフォン
  • スマートグラス
  • 透過型HMD

操作

  • コントローラー
  • スマートフォン画面
  • コントローラー

体験・感情移入共有

現実空間の情報取得

-

現実行動への反映

-

用途

  • 試乗・体験
  • 研修・トレーニング
  • 作業支援
  • ナビゲーション
  • 作業支援
  • ナビゲーション

効果

  • 体験が重要な製品の販促
  • トレーニングによる習熟度向上
  • 遠隔地での実施
  • 生産性向上
  • 遠隔地からのリアルタイムな作業ナビゲーション

 

昨今、XRが再注目されている背景として、センシング精度の向上、ハードウェアの低価格化・性能向上、3DCGの普及と表現の高精細化が挙げられます。PCを必要としないスタンドアローンのHMDが登場し、搭載された各種のセンサーやカメラが、ユーザーの動きや、現実世界の物理的な空間情報を高精度で取得し、再現することが可能になりました。こうしたさまざまな品質向上により、エンタテイメント分野以外のビジネス利用にも耐え得るようになってきました。また、プログラムを開発するゲームエンジンの機能向上、個人利用での無料化に伴う開発者の増加も、技術向上の要因となっています。

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