連載コラム 地政学リスクの今を読み解く

トランプ2.0関税・税制政策の見通し:日本企業が押さえるべきポイント

  • 2025-03-05

第2次トランプ政権は発足後、関税や税制改正といった経済政策を矢継ぎ早に打ち出しています。日本企業はこれらの政策をどう理解し、関税やサプライチェーン、税務の対応を進めるべきなのでしょうか。トランプ2.0の関税・税制動向と日本企業への影響に関して、PwC JapanグループとPwC米国の専門家が議論しました。
(本レポートは、2025日2月18日時点の情報に基づき作成しています。)

左から南 大祐、スコット・マキャンドレス、ロバート・オルソン、山口 晋太郎

登壇者

PwC米国 タックス・ポリシー・サービス パートナー スコット・マキャンドレス

PwC関税貿易アドバイザリー合同会社 パートナー ロバート・オルソン

PwC税理士法人 パートナー 山口 晋太郎

PwC Japan合同会社 マネージャー 南 大祐

1. トランプノミクス2.0の全体像

南:第2次トランプ政権の経済政策(トランプノミクス2.0)を端的に表すと、減税と規制緩和を軸とした小さな政府の方針と、関税や移民排除といった保護主義的・排他主義的な施策の組み合わせです。税制では、第1次政権時に成立した2017年減税雇用法(TCJA)の延長や追加減税策を提案しています。規制緩和では、既に人工知能(AI)や暗号資産に関する規制撤廃に着手しており、今後、反トラスト法や金融など他分野でも緩和を進めるでしょう。こうした成長戦略は産業界の支持を集めています。

一方で、対中一律60%関税といった貿易政策や不法移民の国外追放といった移民政策に関して、産業界から懸念の声が出ています。トランプ大統領がこれらの政策をどこまで実行するのか不透明ですが、関税や移民排除が物価上昇や経済減速につながると危惧されています。

PwC Japan合同会社 マネージャー 南 大祐

*1 Erica York, “Donald Trump Tax Plan Ideas: Details and Analysis,” Tax Foundation, October 14, 2024, https://taxfoundation.org/research/all/federal/donald-trump-tax-plan-2024/

インサイト/ニュース

主要メンバー

McCandless Scott

パートナー, PwC United States

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Robert Olson

パートナー, PwC関税貿易アドバイザリー合同会社

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山口 晋太郎

パートナー, PwC税理士法人

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南 大祐

マネージャー, PwC Japan合同会社

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