メッシュアーキテクチャが切り開く新たなデータアナリティクス~第1回 データアナリティクスプラットフォームの新潮流

2022-09-20

データ活用の推進における課題:データ品質をどう担保するのか

「サイロ化したデータを統合して新たな価値を創出する」という考えのもと、多くの企業がデータ活用に必要な資源を集約させ、ビジネスにおけるアジリティを向上させるための取り組みを行っています。具体的には、企業内外のデータを集約するためにデータプラットフォームを構築し、データ活用を推進する全社横断型組織を立ち上げるといったものです。

このデータ統合に取り組む中、以下のようなデータの品質とそれに対する責任に関わる課題が発生しています。

  • 事業部門が持つデータを集約したものの、その品質にばらつきがあり、他事業部門のデータをうまく組み合わせることが難しい。

  • 集約したデータを全社で活用できるよう最適な形に変換するためには、各事業部門にヒアリングしながら確認する必要があるなど、全社レベルで一定水準のデータ品質を担保することに対する負担が大きい。

  • 結果、アナリティクスによる価値を提供する全社横断組織が、データ品質の担保にその労力の大半を取られ、事業が求めるスピード感を失ってしまう。

加えて、データ整備を自動化するデータプラットフォームも、処理数が非常に大きく、複雑化してしまい、コスト面での負担増だけでなく事業に対するデータのリアルタイム性を失ってしまうといった課題も発生しています。

この課題を解消するアプローチとして注目されているのがメッシュアーキテクチャです。具体的に見ていきましょう。

期待される効果

従来の中央集権型では、データの取得から利用までのデータパイプライン開発とデータ提供そのもののリードタイム、リアルタイム性が失われるケースが多く見られました。一方メッシュアーキテクチャは、これらを解消し事業のアジリティを向上させることが期待されています。

この考え方を推進することで、以前からニーズがあった「業務に対するAIの組み込み」を可能とし、企業全体の生産性を向上させることが期待できます。トランザクションを扱う業務システムと、アナリティクスを担うデータプラットフォームとの距離や境目がドメインの中でなくなり、意思決定に必要な示唆をデータから得られやすくなるとともに、ドメイン間の境界をコントロールすることで他ドメインもその恩恵に与る機会を創出できるようになります。

次回は「業務に対するAIの組み込み」をご紹介し、具体的な有用性、効果を説明します。

主要メンバー

高橋 功

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

Email

黒田 育義

ディレクター, PwCコンサルティング合同会社

Email

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