
従来のやり方にはとらわれない「新しい仕事のスタイル」をつくるゼロから始まった大林組のデジタル変革
総合建設会社大林組の「デジタル変革」に伴走し、単なるシステムの導入ではなく、ビジネスプロセスの抜本的な変革を推し進めたPwCコンサルティングの支援事例を紹介します。
「今まで通りの仕事のやり方でいいのか?」――そのような1人の社員の素朴な疑問から、総合建設会社大林組の「デジタル変革」はスタートした。PwCコンサルティング合同会社(以下、PwCコンサルティング)が伴走し、単なるシステムの導入ではなく、ビジネスプロセスの抜本的な変革を推し進める大林組の取り組みに迫った。
「デジタルで大林組を変革せよ」
2019年1月、大林組がグループ経営戦略室(当時)の配下に新設した経営基盤イノベーション推進部へ配属された中嶋 潤氏(現・DX本部 BPR部長)は、上司から与えられた重いミッションに困惑した。
「設計やBIMの推進など建築に関わる仕事に長年携わっており、デジタルに関する知識が全くなかったわけではないのですが、『会社を変革する』と言われても何をどうすればいいのか分かりませんでした。しかも、当初の専任者は私1人だけ。たった1人で、社員が10000人以上もいる大林組をどうすれば変えられるのか、と途方に暮れました」と中嶋氏は明かす。
大林組 DX本部 BPR部長 中嶋 潤 氏
中嶋氏は、とにかく知識を得ようと、複数のシステムベンダーに話を聞いたが、「システムを導入することで、業務が効率化・高度化する」という話ばかりで、しっくりこなかったという。
「そんなある日、たまたま手に取った書籍で『プロセス変革』という考え方に出会ったことが、方向性を定めるきっかけになりました。システムを導入する前に、まず仕事のやり方そのものを変えるべきではないのかと考えたのです」(中嶋氏)
以前から、中嶋氏には仕事のやり方について疑問を感じることがいくつかあった。
「古い話ですが、建築設計に携わっていたころ、CADで作成した図面を見積部門に渡すとき、トレーシングペーパーに出力した後、青焼き(※)していました。CADの中では原寸で描きますが、出図の過程で『伸びて』しまい、紙に表れた図面は『正確』とは言えず、なんとも不条理を感じていました。元の図面データを、そのまま社内ネットワークを通じて渡したほうが合理的ではないか、と当時は考えていました」(中嶋氏)
また、一般的に建設業界では、業務の知識やノウハウの多くが属人化していて、「大切な組織知がうまく引き継げずに失われてしまうのではないか、という懸念を抱いていました」と中嶋氏は振り返る。
このような「仕事のやり方の変革」や「知識・ノウハウの継承」にデジタルの力を生かすことこそが、デジタル変革なのではないか。中嶋氏はそう思い至ったのである。
その思いを、以前からBIM関連で接点を持っていたPwCコンサルティングにぶつけてみた。
「PwCコンサルティングのあらゆる業界に関する知見の深さや、ビジネス課題を解決するための引き出しの多さに興味を持っていました。対話を重ねるうちに、『システム導入の前に、業務プロセスの変革から手を付けるべきでは?』という私の考えが間違っていないことも分かったので、デジタル変革を全面的に支援してもらうことにしました」(中嶋氏)
支援を受けることに社内では異論もあったが、「デジタルで変革」するためには現状の延長線ではなく、他業界の知見を入れて飛躍することが重要と説き、中嶋氏とPwCコンサルティングの二人三脚による大林組のデジタル変革はスタートした。まず取り組んだのは、どんなゴールを目指すのかを決める「構想策定」である。
※青焼き(あおやき): 技術図面や建築図面の複写(青図)に使われた技術で、化学反応を起こして青く発色させるジアゾ式複写技法。光の明暗が青色の濃淡として写るためこの名がついている。現在、機器等の販売は終了しており、利用されることはない。
「変革を行うには何よりもまず、『目指すべき姿』を描くことが重要です。DXという言葉が登場して久しいですが、多くの企業でお題だけが先行し、目的不在の活動が多く見られます。本来、デジタル技術を使った変革を通じて企業価値を向上させることが目的であるべきですが、目先の成果を出すことに追われ、システム導入やツールの活用など、形から入ってしまうというわけです。
大林組のデジタル変革においても『どんな姿を目指したいのか?』『解決すべき課題は何か?』に徹底的にこだわる必要があると考えました。そのためにまず、仮説をベースに経営層や各部門のトップなど、様々な方々へのインタビューやヒアリングを通じて、課題や目指す姿を浮き彫りにしていきました。さらに、外部環境や内部環境の変化、現状業務や組織、IT基盤に関する調査を行い、課題の根本原因を整理したうえで、取り組むべき方向性を提言させていただきました」
そう語るのは、PwCコンサルティングで建設・ハウスメーカー業界を担当し、大林組のデジタル変革を支援したディレクターの木村安孝氏である。
PwCコンサルティング IPS Construction Team Deputy Lead ディレクター 木村 安孝
木村氏は、企業が全社レベルで変革を進めるためには「変革のテコ」に着目することが重要だと語る。
「『変革のテコ』とは、変革のために手を入れるべき経営資源のことです。具体的には、『市場・顧客』『商品・サービス』『財務』『ルール・制度』『ビジネスプロセス』『情報技術(IT)』『組織』『人材・文化』の8つの経営資源を指します。これらのうち、目指すべき姿の実現や、解決すべき課題に対して影響力の大きな経営資源に着目し、変革施策の立案と実現のための具体的なアプローチに落としていくわけです」と木村氏は説明する。
PwCが用いる「変革のテコ」というフレームワーク。①市場・顧客、②商品・サービス、③財務、④ルール・制度、⑤ビジネスプロセス、⑥情報技術(IT)、⑦組織、⑧人材・文化の8つで構成される「テコ」のいずれか、またはすべてに手を入れることで、変革の波及効果を高める
膨大なインタビューの内容や調査結果を基に、木村氏は中嶋氏と何度も話し合いを重ねた。その結果、「仕事のスタイルを変える」「大林組が培ってきた知識やノウハウを確実に継承していく」という中嶋氏が打ち出した方向性が間違っていないことが確かめられ、大林組のデジタル変革を前に進めていくことが決まった。
「中嶋さんのデジタル変革のスタート時の疑問に答えるとすると、『情報技術(IT)』だけでなく『ビジネスプロセス』に手を入れることで、課題解決を図っていくということになるわけです。DXではここに『商品・サービス』が入ってくることもありますし、ビジネスプロセスを抜本的に変える場合には『組織』の再設計を行うこともあれば、本当の意味での変革にこだわり『文化・風土』を変えにいくこともあります」と木村氏は説明する。
構想策定では「あるべき姿」や「現状の課題」を基に9つの施策を描いた。
その9つの施策とは、「1.業務・ICTの横串し管理を強化」「2.業務の標準定義を明確化」「3.全職員が利用するデジタル環境を整備」「4.プロセスの川上から川下まで一貫して情報を連携」「5.BIMモデルを用いて、積算から竣工までの情報を一元管理」「6.コード化した明細を繋げて、常に根拠がある状態を実現」「7.迅速かつ的確な受注支援」「8.実績数値とナレッジDB(データベース)を強化し、容易に活用できる環境を整備」「9.『超』概算見積の仕組化」である(下記図参照。本記事では主に、19年のスタート時の施策2と4に触れられている。現在は新しい取り組みが始まっている)。
9つの施策(2019年・デジタル変革プロジェクトのスタート時のもの)
これらの施策のうち、「2.業務の標準定義を明確化」と「4.プロセスの川上から川下まで一貫して情報を連携」は、それぞれ「知識・ノウハウの伝承」「ビジネスプロセス変革」の肝となる取り組みである。これらの施策を遂行するための1つの手段とし、デジタル業務基盤の構築が検討された。後に「BizXBase」(ビズ・エックス・ベース)と命名された独自の基盤を構築するため、大林組はPwCコンサルティングのアドバイスを入れて検討を重ね、Salesforce(セールスフォース)の導入を決めた。
中嶋氏は、デジタル業務基盤構築のためにSalesforceを選定した理由として、「実務者との対話に際して迅速にモックアップを用意できるローコード開発基盤であることに加え、あらゆる情報をたどることができること」という2つを挙げた。
「当初はパッケージの導入も検討したのですが、建設会社の個別受注生産型のビジネスモデルの特性に合わせたカスタマイズ開発が必要になることが多いと聞きます。木村さんたちの助言を得て、極力標準機能の組み合わせで幅広い業務に対応することができ、こだわる部分では柔軟な開発が可能なローコード開発基盤であることが適切だと判断したのです。また、個別受注生産型のビジネスでは営業から設計、見積もり、施工、アフターサービスまでのすべての部門において『案件』をキーとして情報がつながり、最新データを共有できる状態が望ましい。その点、SFA(営業支援ツール)やCRM(顧客管理システム)を得意とするSalesforceなら、その理想がかなうと考え、実際にSalesforceを活用することで、あらゆる情報が案件にひもづいてたどれるようになりました。
その他にも『顧客』はもちろん、建設会社ですから『建物』を切り口として情報が整理・活用されるという状態も作りたいと考えました。ローコード開発基盤のもう1つのメリットは、短時間でモックアップを作り、実際のイメージを皆さんに見てもらうことができるという点です。モックアップを見ながら議論をすることで、『新しい仕事のスタイル』の検討を進めやすかったです」(中嶋氏)
「早くから各部門の方々に参加していただき、一緒に議論できたことは、プロジェクトの進め方として非常に良かったと思います。変革プロジェクトは、時に力強いトップダウンも必要ですが、ボトムアップも大切です。2つのアプローチを同時にやっていくことで本当の意味で会社全体が変わっていきます。本プロジェクトでは、大林組のあらゆる部門の方々と対話をさせていただきましたが、総勢で1000人以上の方に関わっていただいたのではないでしょうか。ご支援の中で、企業としての非常に大きなパワーを感じました」(木村氏)
大林組が「BizXBase」を構築、導入するにあたっても、PwCコンサルティングは中嶋氏をはじめとするプロジェクトメンバーとの対話を重ねながら、要件定義からRFI・RFP作成、製品・開発ベンダー選定、リリースまでをトータルに支援した。すでに大林組の建築事業部門、土木事業部門では本稼働が完了しており、24年度には不動産開発事業部門でも「BizXBase」が使われるようになる見通しだ。
中嶋氏は導入効果について、「従来はビジネスプロセスごとに縦割りだった業務データが共有されるようになり、以前よりもプロセス間の連携はしやすくなったと感じています。また、これまで多くの作業工数を要していた各部門のデータの収集や集計がほぼ自動化され、更新頻度を高められたことも成果の一つと捉えています」と語る。
ただし、デジタル変革の目的に掲げる「仕事のやり方を変える」ことに結びついたかと言えば、「まだ、道半ばです」と中嶋氏は評価する。
「デジタル業務基盤が整備され、データが蓄積されるようになっていますが、そのデータを、うまく業務に活用することができていません。データ本位で業務を進めるなど、仕事のスタイルを抜本的に変革するには、社員の意識そのものから変えていかなければなりません。デジタルで日常業務が楽になるという『業務改善』から、プロセスを根底から変える『業務改革』へと活動のレベルを引き上げ、維持しないといけないと思っています」(中嶋氏)
このような意識改革についても、中嶋氏は引き続きPwCコンサルティングによる支援を期待している。
「企業変革のプロジェクトのご支援をしていると、往々にして現状の『延長』や『改善』で考えてしまうことは非常に多いと感じています。そうなると小さな変化にとどまってしまう。そうならないよう、前提を疑ったり、最新技術や未来予測の視点を入れたり、建設業に活かせる他業界の知見を入れたりするなど、外部から新しい視点を入れて『変革』をご支援していくことが私たちの役割だと思っています」(木村氏)
「様々な業界の企業変革を支援してきたPwCコンサルティングには、我々にはない視点で、何を、どう変えればいいのかという気づきを与えてくれることを期待しています。実際、プロジェクトに参加した弊社職員からは、『大林組だけでも、PwCさんだけでもここまではできなかった。大林組職員がいろいろ好き勝手なことを言っても、それを外からの視点で毎回素早く整理してもらって、“こんな感じでどうでしょう?”“これが良いのでは?”と提案してくれる。そして、それをまた私が大林組の言葉に変換して職員に伝えてと、そういう関係でやってこられたから良いものができた』との声が挙がっていました。このように、うまく協調・共創ができた取り組みもあれば、一方で、思うような成果につながらなかった失敗もあります。今後はますます、弊社職員が主体となって、PwCコンサルティングの力を存分に引き出し、二人三脚で変革を続けていきたいですね」(中嶋氏)
大林組のデジタル変革に終わりはないようだ。
建設インダストリーチーム の体制と提供サービス概要
大林組のデジタル変革を支援する木村氏は、PwCの建設インダストリーチームに所属している。同チームのメンバーには、大手ゼネコンや設計事務所などの「業界の専門性」を有するプロフェッショナルと、様々な業務領域・テーマにおける変革経験がある人材がアサインされており、建設業界の特性を踏まえた支援を行っている
※本稿は日経ビジネス電子版に2024年に掲載された広告記事を転載したものです。
※法人名、役職などは掲載当時のものです。
プロフィール
ビジネスイノベーション推進室長。建築本部長室と経営企画室を兼務していた2017年に有志を募り、オープンイノベーション推進プロジェクトをスタートさせる。現在は、新しい収益源をつくるべく、主に新規事業開発を行っている。
コメント
本プロジェクトをスタートさせた当時より、建設業における労働者不足、2024年4月施行の改正労働基準法への適用、生産効率の改善などの課題があり、業務プロセスの見直しや行動変容を伴うイノベーションが経営の中でも重要になってくると見ていました。
建設業において実行されている業務プロセス(慣行)の多くは、長年にわたる経験が積み重ねられたものであり、「変革」は簡単ではありません。しかし、デジタルが会社や現場のプロセスと統合されれば、圧倒的な生産性を実現する技術やテクノロジーの開発や自社のビジネスモデルの変革、ひいては新たな事業価値や顧客体験の創出など様々な可能性につながります。そのキーがDX(デジタル化を含む)と予見しましたが、大元であるデジタル化そのものが建設業の場合は非常にハードルが高いことも同時に見えてきていました。
そんな中、海外における先駆的なBIM活用の実態を視察させていただいた際に、同じような問題意識を中嶋潤さんと共有できました。中嶋さんは「BIMは単なるツールではなく経営の礎となるデータを提供する」との思想を持っており、DXの大きなポイントになると考えておられました。例えば、「売り上げ・利益の元となる現場での工期・消化数量は、BIMが保有するProperty情報と現場の進捗状況から把握できる可能性がある」との考えに私はとても共感し、議論が白熱した記憶があります。
その後、グローバル経営戦略室で経営基盤イノベーション推進部長の責を引き受ける際、「デジタルで大林組を変革せよ」との重たいミッションを一緒に成し遂げていく仲間として、中嶋さんに白羽の矢を立てたのでした。
プロフィール
2023年大林組に入社。1985年~15年まで日立製作所に在籍し、公共分野のSE・情報事業の企画に携わり、その後グループ会社の役員を歴任。15年には日立製作所より内閣府に出向し、Society 5.0の作成に従事。
コメント
BizXBaseは、弊社のDX戦略の中核的な取り組みの一つであり、単なるデジタル化にとどまらず、部門間を横断してビジネスプロセスの見直しにチャレンジする野心的なプロジェクトと言えると思います。
建設業は古い職業領域であり、その歴史と伝統に裏付けられた現場オペレーションに踏み込むビジネスプロセスの見直しには、かなりの困難が伴うものと予想されます。そのため、スタート時点は社内の専任者が中嶋部長1人であったと聞き、大変驚きました。
ただ、パートナーであるPwCコンサルティングの手厚いサポートや、その後の社内体制の拡充を経て、何とか初期稼働にまでこぎ着けることができました。
この先もビジネス環境の変化に機敏に対応するため、BizXBaseの取り組みにとどまらず、全社的なDXの継続的な推進が求められることになるわけですが、今回の経験を生かしてさらなる飛躍を目指していければと思います。
プロフィール
PwCコンサルティング合同会社 IPS IMEC&RES パートナー、建設・ハウスメーカーインダストリーチーム Lead。大手会計系コンサルティングファームを経て現職。自動車部品、精密機器、産業機械、医療機器、医薬、不動産、鉄道など、幅広い業界に対して、会計・経営管理・サプライチェーン領域のコンサルティングサービスを提供。
コメント
大林組に初めてうかがったのは、他産業の事例に係る教育セッションを2時間受け持たせていただいたときでした。その後、現状課題の明確化に係るワークセッションを実施させていただいたことが大林組内部の動きと重なり、デジタル変革プロジェクトへとつながりました。
構想フェーズから多くの業務メンバーを集めていただき、建設的なディスカッションを通して作成した構想書は、10年、20年後に強い企業となるためのポイントをまとめたものであり、本質的な課題を解消し得るものです。その中で2つの主要テーマ「営業からアフターサービスまでEnd to Endで業務プロセスをつなげる」「BIMデータをPLM(Product Lifecycle Management)の思想に基づき各業務へ活用し、新しい仕事のやり方を実現する」は、業務が縦割りになりがちで、これまで当該の概念がなかった建設業においては難しいテーマであったと思います。また、本質的な改革テーマであるため、一朝一夕では実現が難しいものでもありました。
そのような難しいテーマに対して1歩ずつ取り組みを進め、「BizXBase」という基盤を構築し、成果を上げるところまで到達できたのは、必要なメンバーを集めて、しっかりとGoalを定め、着実に成果を上げられる強い推進力が大林組にあったからです。それに加えて、改革を自走するための体制を構築し、最終Goalに向けて着実に推進していたことも重要なポイントでした。PwC Japanグループにおいては改革をさらに加速させる支援を通じて、大林組の発展に貢献できればと考えています。
総合建設会社大林組の「デジタル変革」に伴走し、単なるシステムの導入ではなく、ビジネスプロセスの抜本的な変革を推し進めたPwCコンサルティングの支援事例を紹介します。
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