透明性を高め企業の信頼性向上につなげる

グローバル企業におけるESG・人権リスク管理ツール導入のメリット

  • 2024-12-06

はじめに

昨今、ESGや人権リスクへの対応を効率化するリスク管理ツールの必要性が高まっています。その背景の1つとして、EUの「コーポレート・サステナビリティ・デューディリジェンス指令(CSDDD)」をはじめとする各国の規制強化が挙げられます。これらの規制では、リスクの特定と評価の実施や報告、各ステークホルダーとの対話など、さまざまな義務と責任が企業に課されています。対象は、直接的な取引先だけでなく、間接的な取引先も含むサプライチェーン全体に及びます。

また、取引先や投資家などのステークホルダーからの要請もますます高まってきています。こうしたESG・人権リスクへの対応に関する課題が増え続ける中で、それらを適切に管理するツールがなければ、企業経営そのものが困難になる時代に突入しつつあります。

おわりに

これまで見てきたように、効率的かつ効果的なESG・人権リスクの管理には、ツールの導入が非常に有益です。そしてそのツールは、自社を取り巻くバリューチェーン全体を可視化できるものであることが重要です。取引先のデータを一元管理し、外部のさまざまなデータソースや自社の基幹システムと連携することで、ESG・人権リスクを一貫して管理できるようになります。これにより、コスト削減やトレーサビリティの向上、リスク評価の高度化などが期待でき、ツール導入のメリットは非常に大きいと言えるでしょう。

ただし、ツールの導入によって手作業よりもはるかに効率化できるとはいえ、全てが簡単に解決するわけではありません。取引先との連携や外部データソースの取り込みなど、運用開始時の負荷は相応に大きくなると予想されます。これらも鑑み、PwCコンサルティング合同会社ではツールの選定からカスタマイズ、導入時のサポートや運用の支援まで、一貫して伴走します。

自社の業務改善やビジネス拡大に向け、多くの企業がDXに取り組んでいますが、サステナビリティに関するDXにも積極的に取り組む必要のある時代になっています。ツールの導入は、ESG・人権リスク管理の効率化を実現し、自社の信頼性を高めるきっかけとなるでしょう。

PwCドイツのESG・人権リスク管理ツール
(Check Your Value Chain)

PwCドイツで提供するESG・人権リスク管理ツール(Check Your Value Chain(CYVC))は、全てのビジネスパートナー(Tier 1からTier nのサプライヤー、自社のビジネス活動、顧客)を包括的に把握できる統合ソリューションです。
詳細なリスク分析を通じて、段階的にリスクのあるビジネスパートナーを特定します。

  • 完全なカバレッジ
    • 完全自動化されたエンドツーエンドソリューション:リスク分析、予防策と是正措置、阻止実行、効果測定を1つのソフトウェアパッケージで提供
    • 証明書の自動取得
    • モジュール式の質問票と自動評価
    • 計算ロジックと基礎データの透明性
  • 既存システムとの連携
    • SAPベースのソリューション
    • 企業対応およびマルチクライアント対応
  • コンプライアンス遵守と実績
    • ドイツでは2023年1月からサービス提供を開始
    • SAP Innovation Award Winner 2023、SAP Pinnacle Award Winner
    • 将来的には、コーポレート・サステナビリティ・デューディリジェンス指令(CSDDD)、EU森林破壊防止規則(EUDR)、欧州炭素国境措置(CBAM)への対応を予定

図表3:PwCドイツのESG・人権リスク管理ツール(Check Your Value Chain)

図表3 PwCドイツのESG・人権リスク管理ツール(Check Your Value Chain)

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執筆者

北崎 陽三

マネージャー, PwCコンサルティング合同会社

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