社会との認識のズレを修正し、多様な価値観を包摂

不正や不祥事を防ぐ循環型の仕組みでリスクカルチャーをアップデート

  • 2025-03-26

はじめに

企業が事業活動をする上で備えておくべきリスクは多岐にわたります。近年は、自然災害や地政学リスク、サイバー攻撃などが話題に挙がりますが、これら外的要因と同様に重要なのが、業界や企業の内的要因によるリスクです。

業界を問わず、コンプライアンス違反や品質不正、内部不正など、不正や不祥事が世間を騒がせる事案は枚挙にいとまがありません。いくら順調に収益を上げていても、こうした事案が明るみに出ると、ステークホルダーやユーザーからの信頼を失うばかりでなく、事業継続の大きな支障にもなりかねません。

各企業はコンプライアンス研修やルール整備といった対策を行っていますが、それでも不正や不祥事が起こってしまうという現状がある中、本コラムでは「リスクカルチャー」という視点から、現状を打破する糸口を探ってみたいと思います。

おわりに

PwCコンサルティングでは、コンプライアンス改善において循環的な仕組み作りが必要だと考えています。

本コラムでは、リスクカルチャーの全体像として、企業理念や行動指針に基づいたリスク管理を実施する仕組みであるコンプライアンス研修や内部通報制度を設け、もしこれがうまくいかなくても認識のズレを解消し、サブリスクカルチャーを醸成することで、リスクカルチャー全体をアップデートしていくと説明してきました。そして、これにはトップダウンだけではなくボトムアップの意思表示も重要であり、その結果として企業理念や行動指針も見直す必要が出てくるかもしれません。循環型の仕組みとは、このような改善のサイクルを指しています。

不正や不祥事が明るみに出てから気づくのではなく、時代に合わせた組織のあり方を踏まえ、継続的にアップデートしていけるような循環的なプロセスをどうやって構築していくかが、これからのリスクカルチャーには求められているのではないでしょうか。

インサイト/ニュース

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執筆者

濱野 真子

シニアマネージャー, PwCコンサルティング合同会社

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