スタートアップ&スケールアップ コラム

第10回:スタートアップが資金調達を成功させる秘訣――投資家を味方にするための10のポイント

  • 2024-01-18

はじめに

製品が売れ、費用対効果の高いマーケティングが行われ、利益を生み出す能力があっても、多くの企業はさらなる資金調達に依然として苦労しています。資金調達を成功させるには、投資家と知り合い、彼らのニーズ、目標、動機を理解するのに時間を費やす必要があります。スタートアップの経営者とそれに投資する人々の双方にアドバイスしてきた経験に基づいて、成功のチャンスを最大限に高めるための10の重要なポイントを紹介します。

1. 始めるのに早すぎるということはない

時間をかけてリサーチし、プライベートな交友関係等を通じて潜在的な投資家と知り合いましょう。あなたのビジネスに適した投資家を見極めるだけでなく、役立つアドバイスも得られるかもしれません。

2. 幅広い情報をキャッチアップしておく

投資家の投資意向を左右するような、経済やマーケットの出来事を幅広くキャッチアップしておくことが重要です。

3. 投資会社という組織を理解する

ベンチャーキャピタル等の投資会社は、それぞれ異なる関心とさまざまな目的を持っています。リサーチを通じて、彼らの投資と投資サイクルの傾向を把握しましょう。

4. 人を知る

10のポイントのうち、これが最も重要です。ご存じの通り、人が人に投資をするので、ビジネスとプライベート両方の点で投資家がどんなことに動機づけられるのかを理解しましょう。

5. 既成概念にとらわれずに考える

投資家を見つけることは、資金を調達するということだけではありません。コネクションを活用するなど、資金以外の面でビジネスの成長をどのように支援してくれるかも重要です。

6. 投資は双方向であることを理解する

自分にぴったりの投資家を見つけることは、ある意味でデートに似ています。信頼関係を築き、協力してビジネスを成長させることができるパートナーを見つけてください。

7. 目標を調整する

それぞれの投資家への理解が深まってきたら、自分の目標を彼らの目標に照らし合わせて考えてみましょう。目標が合致する度合いに応じて投資家に優先順位を付けておくと、資金調達が必要になったときに誰に頼るべきかを把握できます。

8. 説得力のあるプレゼンテーションを準備する

良いプレゼンテーションをするには、各投資家に合わせたカスタマイズが必要です。投資家が所属する組織と投資家個人の双方の目的にぴったりと合う情報を盛り込むようにしましょう。

9. プロセスを受け入れる

たとえ投資を見送るという結果になったとしても、プレゼンテーションから何かしら次につながるポジティブなフィードバックを持ち帰るようにしましょう。本当に一緒に仕事をしたいと思える投資家に出会えるまで、プレゼンテーションを磨いていきましょう。

10. ネットワーキングを止めない

たとえ資金を集めたばかりであっても、投資家の興味を引くことができる幅広い機会が依然としてあることを常に意識しておきましょう。

適切な投資家を見つけるのは、短距離走ではなくマラソンのようなものです。そのため、上記のポイントに留意して、早めに行動を開始しましょう。資金調達の可能性が高まるだけでなく、その過程で将来の成長の機会も見つけやすくなるはずです。

※本稿は、PwC英国が発表したコラムの翻訳です。翻訳には正確を期しておりますが、英語版と解釈の相違がある場合は英語版に依拠してください。

主要メンバー

本多 守

パートナー, PwC Japan有限責任監査法人

Email

清水 直樹

ディレクター, PwC Japan有限責任監査法人

Email

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スタートアップ&スケールアップ コラム 第10回:スタートアップが資金調達を成功させる秘訣――投資家を味方にするための10のポイント

資金調達を成功させるには、投資家と知り合い、彼らのニーズ、目標、動機を理解する必要があります。本稿では、スタートアップの経営者と投資家双方にアドバイスしてきた経験に基づいて、資金調達を成功させるための10のポイントを紹介します。

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