テクノロジー業界のコンサルタントが語る テクノロジー業界の未来トレンド予測から導出する業界課題とその対策

第7回◆経営とサステナビリティの統合を推進するSX支援の使命とは 高度な専門性とノウハウで推進する経営とサステナビリティの統合

  • 2024-10-08

クライアントの課題に深く入り込む伴走支援でSXをより深く理解

須貝:
磯島さんはクライアントの新規事業創出に携わっています。プロジェクトの概要を教えてください。

磯島:
クライアントのビジネス開発部門と協力して、SX領域での新規事業化を推進するプロジェクトを進めています。PwCコンサルティング側ではジョブマネージャーの他、私を含め2名のシニアアソシエイトがメンバーとしてチーミングし、クライアントに対してはターゲットの選定やニーズの分析などを通じて事業戦略を策定するとともに、実際の案件づくりにも深く関わり、クライアントの先にいるエンドユーザーに向けた提案資料を作成したり、営業に同行したりするなど、伴走型で支援を行っています。

須貝:
エンドユーザーへの営業にも同行するのですね。

磯島:
はい。エンドユーザーの事前調査を行い、対応済みと未対応のSX領域を特定し、提案が有望な領域での仮説の設定から、資料の作成、当日の提案まで行います。また、提案が受注となった場合のさらなる支援も担っています。

須貝:
プロジェクトメンバーとして磯島さんはどのような業務を担っているのですか。

磯島:
担当業務は幅広く、戦略の策定ではソリューション開拓に関するリサーチ、資料作成、タレント分析、週次や隔週で行っている定例会議の議題設定や進行役などを行っています。一方エンドユーザー向けの提案では、机上のみで通用する事業づくりではなく、クライアントとともに汗をかく、伴走支援を重視し、すでに数十社の提案に同行しています。

須貝:
クライアント向けの支援では戦略観点からのSXアプローチ検討、エンドユーザー向けの営業支援では現場の声を基にしたSX事業化の仮説立案と検証をそれぞれ実施できるため、SXの全体像を、実体験を持って理解することができますね。ジョブマネージャーとの役割分担はどのように線引きしているのですか。

磯島:
プロジェクト全体の方針はジョブマネージャーがまとめた提案書に従います。私はその中でいつまでに何件のアポイントが必要か、どのタイミングまでに受注を目指すかといった具体的なアクションへの落し込みを行っています。また、プロジェクトの施策も基本的には私がゼロから案を考え、ジョブマネージャーからのレビューによってブラッシュアップしていきます。当然私1人では検討が難しい領域もあるため、その際には壁打ち役や相談役をしてもらっています。

須貝:
プロジェクトにおいてジョブマネージャーからはどのような役割や成長を期待されていますか。

磯島:
SXの専任者として、クライアントとエンドユーザーの両方に認められることと、実務の面では、定例会議の資料など、各種資料の全体設計と作成までを独り立ちして行う役割を期待されています。また、このプロジェクトはマネージャーがいないため、その役割を果たせるようになることも求められていると考えています。そのためには、企業価値創造につながるストーリーを描きながら、クライアントの経営層と同じ視座で提案ができるようにならなければなりません。

須貝:
そのためにどのようなことを意識し、取り組んでいますか。

磯島:
期待に前向きに応えていくことが重要だと考えています。私はもともと、マネージャーが指示を出し、アシスタントがその内容を受けて作業をする方が組織として円滑に動くと思っていました。しかし、SXチームに入って考え方が変わりました。私たちが関わるプロジェクトはマネージャーなどが主体となって動かすだけでなく、メンバーが積極的にプロジェクトに関わることでクライアントへの提供価値が大きくなります。

須貝:
SX推進の方法として、絶対的な正解がなく、型がないサービスをつくっていく私たちの取り組みは、磯島さんのようにメンバーからも意見やアイデアを出して進めていくことが重要ですね。

磯島:
そう思います。SXチームはメンバーそれぞれが主体的で常にチャレンジすることを求め、それがスタンダードになっています。そのようなメンバーと一緒に仕事をしてきた経験と環境も、私自身の考えが変わった1つの要因になっていると感じます。

PwCコンサルティング合同会社 シニアアソシエイト 磯島 大起

「型のないサービス創出」を、熱意を持って追求できる人を求めたい

(左から)須貝雅人、磯島大起、山本潤平、中屋敷祐也

須貝:
サステナビリティという言葉が広く浸透し、山本さんが担当するCSRD対応も含めて、企業の経営課題としての注目度も高くなりました。一方でSXの取り組みはこれから本格的に着手する企業も多く、私たちとしてもクライアントへの提供価値を高めていくためにさらなる知見や人材を必要としています。SX領域でともに活躍する人材としてどのような人を求めていますか。

山本:
SXに必要な知見があるに越したことはないのですが、サステナビリティは関連する領域は広範にわたるため、1人で全てを理解するのには限界があります。そのため、プロジェクトに必要な知識や経験を持つさまざまなメンバーに働きかけて協働できる人材、そのような連携をリードできる人材が求められると思います。

中屋敷:
SXそのものがクライアントにとっても私たちにとってもチャレンジングであるため、志高く、自らのケイパビリティをストレッチしていける人が活躍できると思います。また、SXの推進やクライアントの長期的成長といった大きな目標を共有し、熱意を持って伴走支援できる人と一緒に働きたいと思いますし、PwCコンサルティングの組織風土としては、そのような人が働きやすい環境だと感じます。

磯島:
SXチームの環境には、自分の意思を持ち、共有できる人がマッチしやすいですよね。私たちとしても、そのような人と一緒に働くことを楽しく感じますし、チームで大きな目標に取り組んでいくために、個人の課題を取り繕ったり溜め込んだりすることなく、周りのメンバーとのコミュニケーションを通じて共有、共感できる人が向いていると思います。

須貝:
SXは大きな経営変革であり、そのための支援は1人や1社では実行できません。価値創造経営の実践、非財務情報管理基盤の構築、さらにはサーキュラーエコノミーの推進といった課題も広範に含む取り組みであるからこそ、グループ内外と連携して取り組んでいくことが重要です。クライアントの長期的な成長に向けて一緒にチャレンジする人たちを仲間に迎えたいですね。

主要メンバー

山本 潤平

シニアマネージャー, PwCコンサルティング合同会社

Email

須貝 雅人

マネージャー, PwCコンサルティング合同会社

Email

中屋敷 祐也

シニアアソシエイト, PwCコンサルティング合同会社

Email

磯島 大起

シニアアソシエイト, PwCコンサルティング合同会社

Email

テクノロジー業界のコンサルタントが語る テクノロジー業界の未来トレンド予測から導出する業界課題とその対策

10 results
Loading...

第7回◆経営とサステナビリティの統合を推進するSX支援の使命とは 高度な専門性とノウハウで推進する経営とサステナビリティの統合

気候変動、テクノロジーによるディスラプション、人口動態の変化、世界の分断化、社会の不安定化といったメガトレンドに対し、グローバル企業はどのような施策を推進していくべきか、PwCのコンサルタントが語り合いました。

第5回◆メガトレンドへの適応が急務。グローバルサプライチェーンのリコンフィギュアと、その取り組みを支えるデータ活用の現在地

気候変動、テクノロジーによるディスラプション、人口動態の変化、世界の分断化、社会の不安定化といったメガトレンドに対し、グローバル企業はどのような施策を推進していくべきか、PwCのコンサルタントが語り合いました。

第3回◆さらなる発展が期待される医療機器業界―従来の市場シェアを超えた成長を実現する企業の成長戦略とは

デジタル化やIT活用が進むことで、医療機器の市場成長率は高水準のまま推移すると見込まれています。医療機器業界を支援し、治療や健康維持に貢献することで社会課題の解決を目指すコンサルタントが、これからの同業界に求められる成長戦略について語ります。

Loading...

インサイト/ニュース

20 results
Loading...

HRデジタルトランスフォーメーションサーベイ2024 HRテクノロジーを最大限活用するための5つのFindings

HRテクノロジーに対する投資は堅調であり、2020年時と比較して増加しています。近年、生成AIなどのテクノロジーの発達も著しく、今後全ての業務領域でシステム化が進むと考え、人事施策と連動したテクノロジーの活用がより必要となってくることが予測されます。

Loading...

本ページに関するお問い合わせ