若手社員とエキスパートがテクノロジーについて語る、「テクノロジーアライアンスがクラアントにもたらすメリットとは」

2022-06-09

5つのアーキテクチャレイヤーで考えるアライアンスのポイント

渡邉:PwCでは業界ごとに次世代デジタルアーキテクチャのあり方を考えているとのことですが、具体的にどのようなアーキテクチャでしょうか。私の理解では「経営判断や事業継続を下支えするデータを中心としたアーキテクチャのこと」ですが、その考え方で間違っていませんでしょうか。

町田:そうですね。データドリブン経営を実現するには、データアーキテクチャを中心にITシステム基盤を考える必要があります。PwCでは図1の5つのレイヤー(アーキテクチャ)にフォーカスし、レイヤーごとに適切なテクノロジーアライアンスベンダーを選択することでクライアントのシステム構築を支援しています。

データアーキテクチャではITシステム基盤全体の中で、どのデータがどこに格納されるべきかを検討します。その上で迅速かつ的確にデータ活用ができるアプリケーションやテクノロジーを選択します。

テクノロジーおよびアプリケーションアーキテクチャを選択するにあたってのポイントは、「ビジネス変化に応じて着脱・統合が可能である」ことと「経営の俊敏性に寄与する」という2つの観点を考えることです。なぜなら複数の事業を手掛けている企業が特定の事業を売却する場合でも、両アーキテクチャを自在に切り離して統合できるからです。

そして忘れてはならないのが、セキュリティアーキテクチャです。外部からのサイバー脅威に対する防御はもちろん、内部不正防止やガバナンス強化の観点を盛り込み、ITシステム基盤全体をセキュアに構築しなければなりません。セキュリティアーキテクチャを疎かにした結果、データ漏洩が発生してしまうと、ビジネスに深刻なダメージを与えてかねません。

渡邉:テクノロジーアライアンスベンダーを選択する際のポイントはありますか。

町田:それぞれのベンダーが提供している製品の特徴を把握し、クライアントの事業内容を踏まえて製品の長所、短所を理解する必要があります。

特にクラウドは新機能の追加や既存機能のアップデートを頻繁に実施します。ですから選択する側としてはPoC(概念実証)を充実させ、同じ製品でも繰り返し検証することが求められます。例えて言うならPwCは、お料理に合ったワインを提供するソムリエのように、知見と経験を活かしてクライアントに満足してもらえる提案をしなければなりません。

渡邉:ソムリエとは、言い得て妙ですね。私も一流の“ソムリエ”になれるよう頑張ります。

図1 アーキテクチャ デザインの検討フレーム
PwCコンサルティング合同会社 アソシエイト 渡邉 元気

PwCコンサルティング合同会社 アソシエイト 渡邉 元気

「BXT」で顧客体験価値を向上させるPwCの底力

渡邉:これまでのお話を通じて、テクノロジーアライアンスに対するPwCの考え方が理解できました。とはいえ、ほかのコンサルティング会社も各ベンダーと連携していますよね。その中でPwCの強みとは何でしょうか。

町田:先述したとおり、PwCは「ビジネス戦略立案だけ」「技術支援だけ」ではなく、クライアントのビジネスを鳥瞰し、将来的な視点に立脚しながら、最適で使い勝手がよいIT基盤システムの構築を支援できることを一番の強みとしています。

もう1つが「クライアントの体験までを付加価値として提供していること」です。PwCには「BXT(Business eXperience Technology)」という独自の概念があります。これは、ビジネスとテクノロジー、そしてエクスペリエンス(体験)を三位一体としてクライアントのビジネスを支援するという考え方であり、常に「クライアントの体験向上」という視点からシステム構築を考えるというものです。

また、PwCにはグローバルのネットワークがあり、あらゆる業界における数千社のクライアントに対する支援実績を有しています。そうした支援の中で培った知見を活かし、個々のクライアントに最適なソリューションを提案しています。加えて、クライアントの業務内容やITの最新技術、各業界の専門知識を持った人材を数多く擁していることも大きな優位性です。

渡邉:ありがとうございます。最後に今後のテクノロジーアライアンス動向について見解を聞かせてください。

町田:IT業界はテックジャイアントと呼ばれる大手ベンダーだけでなく、スタートアップ企業からもユニークな技術がリリースされています。例えば、ペタバイト級のデータを分析できるソリューションや、ビジネスの改善を提案できるAIを備えたBI(Business Intelligence)などを手掛けるスタートアップが続々と台頭しています。

私たちはこうした動向にアンテナを張り、業界ごとにアライアンスを組むベンダーを考えていく必要があります。

渡邉:クライアントに最適なテクノロジーを提供するためには、コンサルタント自身が学び続けることが最も大切なのですね。本日はありがとうございました。

(左から)町田 彰宏、渡邉 元気

(左から)町田 彰宏、渡邉 元気

主要メンバー

町田 彰宏

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

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