読み方:みなしはいとう
みなし配当とは、法人税法23条に規定する剰余金の配当または分配等には該当しないものの、実質的に剰余金の配当と変わらないため、これを法人税法上配当とみなして、受取配当等の益金不算入の規定の適用を受けることができるとされた一定の金額をいいます。
具体的には、内国法人が出資先である法人から、次に掲げる事由により、金銭その他の資産の交付を受けた場合において、その金銭その他の資産の価額の合計額が、その出資先法人の資本金等の額のうち、その交付の対象となった株式または出資に対応する部分の金額を超えるときの、その超える部分の金額が、みなし配当とされます(法人税法24条1項)。
この他、合併法人が抱合株式(当該合併法人が合併直前に有していた被合併法人の株式または被合併法人が合併直前に有していた他の被合併法人の株式)に対し、当該合併による株式の割当てまたは当該株式以外の資産の交付をしなかった場合においても、被合併法人の他の株主と同一の基準により当該株式その他の資産の交付を受けたものとみなして、上述のみなし配当の規定が適用されます(法人税法24条2項)。
また、合併法人又は分割法人が、被合併法人の株主等又は分割法人の株主等に対し合併又は分割型分割により株式その他の資産の交付をしなかった場合でも、株式交付が省略されたと認められる合併又は分割型分割として政令で定めるものに該当するときは、株主等が株式の交付を受けたものとみなして、本規定が適用されます(法人税法24条3項)。
なお、2010年度税制改正により、公開買付けなど発行法人が自己株式として取得することを予定している株式を取得し、予定どおり自己株式として取得される場合には、これにより生ずるみなし配当について受取配当等の益金不算入制度を適用しないこととされました(法人税第23条3項、第23条の2第2項)。ただし、完全支配関係グループ内の法人間での自己株式取得のケースについては益金不算入制度の適用が認められています。
本用語解説は2022年5月1日現在の法令等に基づいて作成されており、これ以降の税制改正等が反映されていない場合がありますのでご留意ください。また、本用語解説は概略的な内容を紹介する目的で作成されたもので、プロフェッショナルとしてのアドバイスは含まれていません。個別にプロフェッショナルからのアドバイスを受けることなく、本解説の情報を基に判断し行動されないようお願いします。
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