
カスタマーエクスペリエンスと従業員エクスペリエンスの出会い
マーケットでの競争が激化するなか、成功しているビジネスリーダーは、価値の創出には体験から得られるリターンが不可欠であると認識しています。本レポートでは、顧客と従業員の体験に焦点を当てて企業がとるべき対応策を解説するとともに、日本企業に向けた示唆を紹介します。
2021-07-27
米クイズ番組で人工知能(AI)がクイズ王に勝利してから10年、日本でプロ棋士がAIに勝てなくなってから5年がたつ。だが、経営層の方とお会いすると、いまだにしばしば「ビジネスの現場でAIは本当に活用されているのですか」という質問をいただく。
その答えは「既に会社の様々な業務にAIが入り込んでいる」である。AIというと製造現場や製品への組み込みなどで活用するイメージがあるが、経営管理や経営戦略でも利用が進んでいる。
例えば、PwC Japanグループでは、試算表から適切な財務諸表科目の推測、在宅勤務下における社内コミュニケーションの可視化、買収先候補のノミネートなどの領域で導入し活用している。また、定性・定量的な観点でのESG(環境・社会・企業統冶)情報の可視化、技術トレンドと市場評価を踏まえた企業が保有している知的財産の「定量価値」の算出などでもAIの活用を進めている。
しかし、AI活用は日本企業ではまだ当たり前ではない。それは調査データにも表れている。2020年10~12月にPwC Japanグループなどが日米で実施した「AI予測調査2021」では、日本でAIを活用する企業は43%に達する一方、それとほぼ同じ41%の企業はPoC(概念実証)はしたが実際の業務では活用していない、もしくは検討のみで終わっていた。
では、まだ活用していない日本企業は手遅れなのだろうか。そうではないと考える。今こそ日本の経営層がAIで実際に何ができるのか学び直し、自社のビジネスにどのように活用するか再検討する絶好のタイミングだろう。
進んでいるようにみえる米国でも、先の調査では、AIを活用していると答えた企業は58%と、半数を少し超えた段階だ。活用していない米国企業も21%あり、広い範囲に浸透するのはこれからだ。
デジタル革命に新型コロナウイルス禍と不確実性が高まるなかでは定石は通用しない。このような環境下で経営者の武器になるのがAIで、ビッグデータを絡めることで、これまで見えてなかった問題や解決策が可視化され、俊敏かつ客観的に経営判断ができる。
ただ、まだ導入していない企業の経営者にとっては、冒頭の例のようにAIはつかみどころがないのも現実だ。この連載では「そもそもAIで何ができるのか」といった初歩的なテーマから、経営層に役立つ解説をしていきたい。
※本稿は、日経産業新聞2021年3月22日付掲載のコラムを転載したものです。見出しおよび記事本文、図表は同紙掲載のものを一部修正/加工しています。
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※法人名、役職などは掲載当時のものです。
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