予算 – 暫定ミニマム税、みなし利子控除(NID)一部廃止、ロイヤルティーに係る外国税額控除改正(ベルギー)

2023-01-12

2022年10月11日、政府は連邦予算について合意に達した。主な合意内容は、進行中のエネルギー危機への対応、財政赤字の抑制、雇用の活性化などである。本予算には、税制、エネルギー、企業競争に関するいくつかの重要な措置が含まれている。合意された措置は、今後、法律として制定され、必要な議会手続きを経て、官報(Belgisch Staatsblad/Moniteur belge)に掲載され、2023年1月1日に発効見込みである。税制関連では、以下が含まれよう。

  • 暫定ミニマム税が制定されよう。OECD第2の柱のグローバルミニマム税の導入が1年遅れた(2023年1月1日ではなく2024年1月1日に発効予定)ことを受け、現行の「バスケット制度」における税金資産の利用(繰越欠損金の控除など)を70%から40%に引き下げる(最低基準額100万ユーロ超)暫定措置を導入する。本措置は、ベルギーが第2の柱モデルルールを導入するまで適用されることになろう。
  • 大法人向けみなし利子控除制度が廃止されよう。中小企業には、本制度が引き続き適用されよう。
  • ロイヤルティーに係る15%の一括外国税額控除について、実際に適用された外国源泉税に基づく控除に改正されよう。
  • 銀行税・保険税が(全額)税務上控除されなくなり、金融セクターで追加税負担となろう。
  • 著作権関連制度の対象範囲が縮小され、著作権が直接商業化される場合にのみ適用される可能性があろう。

以上のほか、エネルギー関連では、以下が含まれよう。

  • 2023年6月まで(欧州委員会の承認があれば延長)、エネルギーセクターの超過利益課税が導入されよう(2022年1月1日に遡及適用)。
  • ガス・電気に係る6%のVAT軽減税率が維持されよう。また、ガス・電気の消費税が改正見込みである。

出典:PwC, Tax Insights
「月刊 国際税務」2022年12月号収録 Worldwide Tax Summary
PwC税理士法人編
PwC税理士法人顧問 岡田 至康 監修