グローバルミニマム税案のコメント募集(OECD)

2020-01-05

2019年11月8日、OECD事務局は、第二の柱(PillarⅡ)の公開協議文書であるグローバル税源浸食防止提案(Global Anti-Base Erosion Proposal(「GloBE」))を公表し、OECDの包摂的枠組みの参加国130か国超にわたるグローバルミニマム税規定の導入に関する利害関係者の見解を求めている。これらの規定は、多国籍企業グループの所得が十分に高いレベルの税の対象にならない状況での、トップアップ(上積)課税とその他の防御的な措置として機能するであろう(これらを総合して、GloBE提案)。

本コンサルテーションは、グローバリゼーションとデジタライゼーションの結果として生じる税務課題への2つの柱となる解決策を(大規模な「消費者向け(consumer facing)」事業の利得配分見直しを模索する第一の柱(PillarⅠ)とともに)開発するという、OECDの取り組みの第二部である。しかしながら、第一の柱と違い、この最新のコンサルテーションは、すべてのセクター(カーブアウトの対象になる可能性あり)の大規模国際事業に適用されるミニマム税規定を想定しており、したがって、より広範な事業に係る税およびコンプライアンスコストが大幅に増大する可能性がある。

本協議文書へのコメントは2019年12月2日まで募集され、パブリックコンサルテーション会議は2019年12月9日にパリで開催された。OECDは、二つの柱の仕組みに関して、2020年を通してより詳細な技術作業を行えるよう、改正提案の基本構造について、2020年1月中に包摂的枠組みのメンバー間での政治的合意を模索している。

 

出典: PwC, Tax Policy Alert
「月刊 国際税務」 2020年1月号収録 Worldwide Tax Summary
PwC税理士法人編
PwC税理士法人常任顧問 岡田 至康 監修