パブリックコンサルテーション会合:第1の柱(利益A)(OECD)

2022-12-07

2022年9月12日、OECD第1の柱(利益A)の進捗報告(プログレスレポート)に関するパブリックコンサルテーション(公開協議)が開催された。OECDは、2022年7月11日に第1の柱(利益A)のプログレスレポートを公表し、2022年8月19日までコメントを募集した(本誌2022年9月号参照)。

本プログレスレポートに関する公開協議は、利益Aの様々なビルディングブロックに係る政策・運用に関するコメントを受けて開催された。本公開協議では、MDSH(マーケティング・販売活動利益に係るセーフハーバー)(RoDP(減価償却費および給与費に対する利益率)や源泉税の取扱いなど)と、二重課税の排除(利益Aの支払者を決定するルール)(RoDPや救済国・地域のTier(階層)分類、免除/控除、納税事業体など)に議論が集中した。途上国の利害関係者のコメントによると、これらのルールの一部が軌道修正されないと、交渉が決裂し、ユニラテラルな措置になる可能性があるとしている。OECDとTFDE(デジタル経済タスクフォース)の担当者は、ユニラテラルな措置(デジタルサービス税(DST)など。迂回利益税(DPT)を含めるべきとの声もある)の排除の重要性を認識し、ビルディングブロックを実施する多国間協定(MLC)の調印期限とされている2023年半ばを目指すため、主要分野でさらなる取組みが必要と認めている。OECDは、また、税の安定性に関する改正規定と、執行に係る規定案についてのプログレスレポートを、10月6日、公開協議のために公表している(コメント期限:11月11日)。

出典:PwC, Tax Policy Alert
「月刊 国際税務」2022年11月号収録 Worldwide Tax Summary
PwC税理士法人編
PwC税理士法人顧問 岡田 至康 監修