USTR、DSTの合意を受け、欧州からの特定物品の輸入への追加関税取りやめを公表(米国)

2022-01-05

2021年10月21日、米国通商代表部(USTR)は、米国が、オーストリア、フランス、イタリア、スペイン、および英国との間で、デジタルサービス税(DST)の取り扱いに関して合意に達した(注1)ことを受け、OECD合意の第1の柱が完全に実施される前の暫定期間において、これらの国々からの特定物品に対する25%の追加関税(DST Section 301調査を受けて採用、現在中断)の取りやめを公表した。本合意がなければ、これらの関税は11月末に発効する可能性があった。USTRは、これらのSection 301の通商措置の取りやめに必要な正式措置を進めており、今後OECD合意の実施を監視する。なお、DST調査の対象となったトルコとインドは、本OECD合意に参加していない(3億2,400万ドル相当のインド製品、および3億1,000万ドル相当のトルコ製品に、25%の報復関税が課される可能性がある)(注2)

(注1)暫定期間(2022年1月1日に開始し、第1の柱を実施する多国間協定(MLC)の発効日、または2023年12月31日のいずれか早い日に終了するまでの期間)に生じたDST債務が、第1の柱の利益Aの導入により生じる租税債務から控除される旨も合意

(注2)インドの財務大臣(Nirmala Sitharaman)は、2021年10月8日のグローバルの税制改革合意が実施された際には、同国の平衡税(Equalization Levy)を撤回すると述べたとされている(PwC, Latest digital tax byte)

出典:PwC, Tax Insights / Tax Policy Alert
「月刊 国際税務」 2021年12月号収録 Worldwide Tax Summary
PwC税理士法人編
PwC税理士法人顧問 岡田 至康 監修