2022-05-11
昨今、サステナビリティ経営へのシフトやコロナ禍におけるリモートワークの常態化などを契機として、ビジネスや働き方に関する社会環境、技術、価値観は急速な変化を続けています。それに伴い、企業活動の各分野においてDX(デジタル・トランスフォーメーション)も急速に進展しています。
当然ながら、経理分野においてもDXを求める動きは広がっています。具体的には、立替経費精算や請求書関連業務に係るプロセスのデジタル化・効率化・ペーパーレス化対応や、情報管理プラットフォームの利用による企業グループ内での会計・税務関連データの効率的な収集・集中管理や税務申告書の作成や電子申告などの自動化・効率化など、多岐にわたります。これらのうち、領収書・請求書等に基づく取引情報の入力・保存における自動化・電子化・ペーパーレス化に適切に対応するためには、税法で定める電子帳簿保存法(電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(平成10年3月31日法律第25号)。以下、本稿では「電子帳簿保存法」といいます)を正しく理解して法令対応を行う必要があります。
電子帳簿保存法とは、税法上保存が必要とされる帳簿書類などに関して電子的に保存する場合の要件を定めた法律です。電子帳簿保存法の規定は大きく「電子取引」「スキャナ保存」「電子帳簿」の三つに分類されます。電子帳簿保存法は、こうした時代の変化に対応すべく令和3(2021)年度の税制改正において抜本的な改正が行われました(令和4(2022)年1月1日より施行)。この改正においては「事前承認制度の廃止」や「各種保存要件の緩和」といった利用の促進を目的とするものだけではなく、「不正があった場合のペナルティの創設」、さらには「電子取引に係るデータによる保存の義務化(代替措置の廃止)」など実務において大きな影響を与える内容となっています。したがって、企業が経理分野におけるDXに取り組む際に法令による文書保存義務を遵守するためには、この改正内容を正しく理解することが不可欠です。
そこで、本稿では、企業のDXをさらに推し進めるために必要な令和3年電子帳簿保存法改正のポイントについてご紹介したいと思います。
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「Business & Law」2022年4月26日寄稿
PwC税理士法人 電子帳簿保存法対応支援チーム 税理士 金杉 恭平
PwC弁護士法人 電子契約専門チーム 弁護士 木下 聡子
※本稿は、Business & Law 2022年4月26日に掲載された記事を転載したものです。
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