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2020-05-26
進化論で有名なダーウィンは、こんな言葉を残している。「生き残る種とは、最も強いものでも、最も知的なものでもない。変化に最もよく適応したものである」
PwCではデジタル時代に生き残る人材の要素を(1)スキル(2)心構え(3)関係性(4)行動――に分けて定義している。先端技術への理解、データ分析スキルは基盤として欠かせない。その上で、情報の陳腐化に合わせ「スキル」を随時機敏に更新する。次に失敗や試行錯誤から学ぶ姿勢、好奇心、変革をいとわない「心構え」がないと新しい情報や動向を吸収できない。
また顧客を巻き込み、SNS(交流サイト)を活用して関係先を広げ、人と人との接点から偶発性を生む「関係性」によってイノベーションを起こす。最後はいかに早く「行動」を起こせるか。計画はほどほどに前進させながらリスクを最小化して軌道修正できる柔軟性と、試行錯誤を繰り返し最後までやり切る実行力がものをいう。
つまり、スキル獲得だけでなく、新たな世界や変革に対する心構え、対人関係構築力と具体的な実行に移す機敏性が問われる。実際、PwCが18年に79カ国1200人超の経営幹部と人事責任者に行った調査でも同様の結果になった。
こうした要素を組織に定着させるには「学び方改革」を断行するほかない。今後は自分の意志でキャリアを選択せず会社に依存する体質では生き残れない。人生100年時代、生涯を通じて学習し続ける意識と新たなスキルを素早く習得する機敏性が求められる。
知識を身につける講座型の研修は全てeラーニング化して、社員は空き時間を利用して随時独学する。オンラインシミュレーションやゲーミフィケーション(ゲーム化)など、個人が嗜好に合わせて選択できる飽きのこない研修プラットフォームを提供する。
知識は陳腐化しても経験で培ったノウハウは廃れない。しかし社内で自分の経験を共有する機会はこれまで限られてきた。研修は個人の経験と組織の英知を集めて新発想を生む場に変わる。講師や教科書ではなく、同僚の経験から学ぶのだ。経験を語るためには、自分はどんな志をもって何を成し遂げてきたのか、内省して経験を棚卸しする。先生や教科書がなく互いに教え合うパリ発の無償デジタルエンジニア養成校「42」は、この考え方を形にした先進モデルといえる。
学習力の機敏性こそが未来の適応力の糧になる。一生学び続ける心構え、互いの経験に感化され協働できる職場環境、失敗を許容し試行を奨励する文化、それらを先端技術で支えるインフラ、そんな魅力的な組織にこそ優秀人材は集まり組織力がさらに強化される。
※本稿は、日経産業新聞2020年5月25日付掲載のコラムを転載したものです。
※本記事は、日経産業新聞の許諾を得て掲載しています。無断複製・転載はお控えください。
※法人名、役職などは掲載当時のものです。
PwCが実施したグローバル調査から、社会人はテクノロジーが将来的に仕事にもたらす影響をポジティブに感じていることが分かりました。全ての人々がチャンスを得られるよう、アップスキリングが必要とされています。
本レポートでは日本の回答者の回答に焦点を当て、諸外国との比較分析を通じて、日本の社会人の仕事環境の実態や、デジタルデバイド、アップスキリング(スキルの向上)やリスキリング(再教育)を巡る課題を考察します。
テクノロジーの発展により、社会に分断が起きつつあります。私たちの仕事も急速に変化しています。仕事は守れなくても人を守ることはできます。そのためには適切な教育を提供し適切なスキルを身に付けさせ、誰もが今の職場で活躍できるようにしなければなりません。