
Worldwide Tax Summary 2025年3月号
本稿では、海外税制(米国、OECD、国連、イタリア)の動向を解説しています。(月刊国際税務 2025年3月号 寄稿)
2020-06-03
現在、データを有効活用できる企業が競争優位にたてるようになっている。今後この傾向は加速し、中でもデータ活用の鍵となるのがAI(人工知能)技術である。世界中の企業が組織としてこの技術力を強化しているが、高度なAIスキルを持つ人材は希少価値になっており、他社と差別化するために重要な経営資源になっている。
PwCが実施している「世界CEO意識調査」で「自社の成長見通しに対する潜在的な脅威(経済、政策、社会、環境)に関してどの程度懸念していますか」と、最高経営責任者(CEO)に選択肢を挙げて尋ねた。日本のCEOは「鍵となる人材の獲得」について「大いに懸念している」割合が53%と、様々な選択肢の中で最も高かった。一方、世界のCEOが「鍵となる人材の獲得」と答えた割合は32%(第6位)となっている。人材の獲得が日本のCEOにとって最大の懸念材料となっているが、この中にはテクノロジー人材、AIスキルを有する人材が含まれていると考察される。
グローバル企業はスキルの高い人材を世界中から採用しているのに対し、日本企業には一部の企業を除いて日本国内から、あるいは海外でも日本語スキルを有する人を採用しようとしている企業が多いところから、この差は生じていると考えられる。
この人材獲得に勝ち、かつ多様な人材を活用して競争優位な地位を得るために日本企業が取り組むべきことは多い。まずは社内でグローバル人材獲得の必要性を再認識し世界のマーケット水準で見劣りしない報酬制度を用意することが必要である。
次に、多様な人材を受け入れて協働する企業文化にすることである。グローバルな人材を採用して高いパフォーマンスを発揮してもらうためには受け入れ側の意識改革、文化の変革が必要である。優秀なグローバル人材が在籍していると彼らと一緒に働くために入社を希望する人が増えるという効果も期待できる。
さらにはこれらの人材が喜んで解決したい社会課題や企業課題と、解決するために分析するデータを保有することが重要である。日本企業が得意な分野のデータを幅広く収集し分析する基盤を整備する状況も人材採用に影響すると考える。日本企業にとっては企業文化の変革やデータ基盤の整備などが、報酬制度に加えて必要になることを考慮すべきである。
※本稿は、日経産業新聞2020年6月2日付掲載のコラムを転載したものです。
※本記事は、日経産業新聞の許諾を得て掲載しています。無断複製・転載はお控えください。
※法人名、役職などは掲載当時のものです。
本稿では、海外税制(米国、OECD、国連、イタリア)の動向を解説しています。(月刊国際税務 2025年3月号 寄稿)
2024年4月から日本でも導入されたグローバル・ミニマム課税(国際最低課税額に対する法人税)について、実務上の対応のポイントを全6回にわたって連載形式で解説します。(税務研究会「月刊国際税務」寄稿)
2025年3月、サステナビリティ基準委員会がサステナビリティ情報の開示基準を最終化しました。サステナビリティ開示を巡っては、開示情報の信頼性を担保するため第三者による保証が重要となります。保証計画の策定など、「保証」の実務上の論点について解説します。(週刊金融財政事情 2025年4月1日号 寄稿)
監査における AI 活用の現状と展望を踏まえ、監査役等が意識すべき点について解説しました。(月刊監査役771号(2025年2月号)寄稿)