第11回 運用成績向上のために必要な遂行能力(ケイパビリティ)

保険業界が直面するリスクと対応策

1.本テーマの重要性

PwCとCentre for the Study of Financial Innovation(CSFI)が隔年で実施している保険業界におけるリスク認識の調査レポート(インシュアランス・バナナ・スキン2019)によると、運用成績は5番目に心配されるリスクであり、2年前と同順位である。運用成績は、過去の調査では1位を獲得したこともある。運用成績は上位の常連であり、保険業界が常に気にしているリスクと言っても過言ではない。

本稿は、運用成績を向上させるために、テクノロジーをどのように活用し、どのように人材を獲得すべきかについて、PwCグローバルが資産運用会社向けに公表した「資産運用業界における変革への対応:収益性に対する圧力」を参照しながら考察し、それをもって保険会社への示唆としたい。

なお、読者の中には資産運用の領域について長い実務経験を踏まれ、深い知識を有する方々が多くいらっしゃるものと承知しているが、本稿は資産運用会社の課題を広汎に述べることで、読者に少しでも気付きを提供できれば幸甚である。

4.保険会社への示唆

資産運用会社も保険会社も運用成績向上という目標は同じであることから、PwCのレポート「資産運用業界における変革への対応:収益性に対する圧力」で取り上げた課題は、そのまま資産運用を行う保険会社にも当てはまると考えてよいであろう。つまり、保険会社は運用成績を向上させるために、AIによる運用、データアナリティクスの高度化、自然言語処理といったテクノロジーを資産運用の領域に最大限に活用する必要がある。また、そのような新しいテクノロジーを使いこなす優れた人材を惹きつけるために、多様で包括的な職場づくりを整えることが不可欠である。

執筆者

久保 直毅

パートナー, PwC Japan有限責任監査法人

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※本稿は、保険毎日新聞2019年11月12日付掲載のコラムを転載したものです。

※本記事は、保険毎日新聞の許諾を得て掲載しています。無断複製・転載はお控えください。

※法人名、役職などは掲載当時のものです。

保険毎日新聞 連載寄稿

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