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2021-12-06
ESGとは、環境(Environmental)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字をとった言葉であり、企業の持続的な成長を可能とするためには、このESGの観点が不可欠であるという考え方が急速に広まっている。ESGやこれを内包するサステナビリティの考え方自体は目新しいものではないが、昨今の新型コロナウイルス感染症の影響拡大によって、世界的にも地球規模の環境問題や持続可能な社会のあり方に対する意識が高まり、これらの視点を一層重視する方向に価値観がシフトしてきている。
ESGの3つの分野における課題は多岐に渡り、例えば、「環境」に関しては脱炭素を始めとする気候変動問題や生物多様性の保全、「社会」に関しては人権やダイバーシティ、「ガバナンス」については腐敗防止などがあるが、これらに税がどのように関係してくるのか、具体的なイメージが湧きにくいところもある。税はもとより、社会基盤を支えるための財源であり、それ自体が持続可能な社会のためになくてはならない、いわば血液のようなものである。
また、ESGのそれぞれの要素に着目すれば、例えば、環境面では炭素税・カーボンプライシングや環境税とインセンティブ、社会面では所得の再分配機能や社会保険税、ガバナンス面では税務行動指針やステークホルダーに対する税務に関する情報開示といったように、各分野において税の観点での課題がある。
企業の税務においては、公平な課税を実現するためのコンプライアンスの実践や、税務リスクを適切に管理し予期せぬ企業価値の低下を防ぐこと、そして、納税等を通じて地域経済に貢献していくといったことなどが、ESGの観点からの重要なテーマとなると考えられる。
(全文はPDFをご参照ください。)
「月刊国際税務」2021年11月号 寄稿
PwC税理士法人 ESG Taxチーム
リーダー パートナー 高野 公人
ディレクター 木野 明日香
※PDFは税務関連専門誌にPwC税理士法人として寄稿したものです。発行元の許可を得て掲載しておりますので、他への転載・転用はご遠慮ください。