
Worldwide Tax Summary 2025年2月号
本稿では、海外税制(オーストラリア、ベトナム、オーストリア、ハンガリー、EU、アフリカ、OECD)の動向を解説しています。(月刊国際税務 2025年2月号 寄稿)
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2023-11-13
2023年8月4日、財務省は、第2の柱の法案をパブリックコメントのために公表した(2023年9月29日までコメント募集)。グローバルミニマム税法として公表された本法案には、各国・地域におけるトップアップ税額の計算規定ならびに所得合算ルール(IIR)および適格国内ミニマムトップアップ税(QDMTT)の適用に係るルールが含まれている。IIRとQDMTTは、2023年12月31日以後に開始する適格多国籍企業(MNE)グループの事業年度に適用される。軽課税所得ルール(UTPR)は、2024年12月31日以後に開始するMNEグループの事業年度に適用される(UTPR関連法案は未公表)。本法案には、OECDが公表したモデルルールおよび執行ガイダンス(随時改訂)と整合的に解釈すべきとする規定が含まれている。さらに、本法案には、OECDがこれまでに公表した恒久的QDMTTセーフハーバーおよび移行期CbCRセーフハーバーが含まれている。また、本法律に係る算定税額に対し、一般的租税回避防止規定(所得税法第245条)が適用されるとしている。なお、本法律の義務を遵守しなかった場合、多額のペナルティー(GloBE情報申告(GIR)に関連して毎月25,000ドル(最大40か月)、IIR・DMTT申告に関連して未納税額の5%(+毎月1%加算(最大12か月))が課される可能性がある(特定の状況においては、移行期ペナルティー軽減が適用される可能性あり)。また、度重なる申告漏れ、虚偽申告や記入漏れ、必要情報の未提出に対して、追加ペナルティーが課される可能性がある。さらに、租税裁判所への上訴に合理的な理由がないと裁判所が判断した場合、争点額の最高10%のペナルティーが課される可能性がある。
出典:PwC, International Tax News / PwC Canada, Tax Insights
「月刊 国際税務」2023年10月号収録 Worldwide Tax Summary
PwC税理士法人編
PwC税理士法人顧問 岡田 至康 監修
2023年8月15日、第2の柱に係る政府案が公表された(2023年9月8日までコメント募集)。本政府案では、所得合算ルール(IIR)、軽課税所得ルール(UTPR)、および適格国内ミニマムトップアップ税(QDMTT)が導入される。IIRとQDMTTは2023年12月31日以後に開始する会計年度から、UTPRは2024年12月31日以後に開始する会計年度から適用される。なお、QDMTTルールの詳細は、別の提案で取り上げられる予定である(QDMTTの計算ルールは、IIR・UTPRの計算ルールに忠実に従うべきとしている)。本政府案は、EU指令とGloBEモデルルールに忠実に従っている。さらに、OECDの(既存および将来の)ガイダンスが、グローバルでの調和のとれた実施のための中心的役割を果たし、各国・地域間の解釈の相違を避けるための鍵であることが、明確に認識されている。一方、本政府案では、OECDが2023年2月に公表した執行ガイダンスの一部のみが反映され、2023年7月公表の執行ガイダンスは取り込まれていない。さらに、移行期CbCRセーフハーバールールは含まれているが、移行期ペナルティー救済ルールは含まれていない。なお、フィンランドの憲法において、税法は、納税者の税額計算に係る十分なレベルの詳細な記述を含めるべきで、解釈の余地を残すべきでないと定めている。このような憲法上の制限により、OECDガイダンスに基づく特定ルールが、フィンランドの第2の柱に係る法律から逸脱している場合、その適用に関して不確実性が生じる可能性がある。
出典:PwC, International Tax News
「月刊 国際税務」2023年10月号収録 Worldwide Tax Summary
PwC税理士法人編
PwC税理士法人顧問 岡田 至康 監修
ルクセンブルグは、EU域内の多国籍企業グループ(および大規模な国内グループ)に対するグローバルミニマム課税に関する、2022年12月14日付け理事会指令(EU)2022/2523に従い、第2の柱のルールを実施しなければならず、2023年8月4日、グローバルミニマム課税を実施するための法案が公表された。EUの第2の柱指令の実施は、3つの新税を導入する別の法律を通じて行われる。これには、1. 所得合算ルール、2. 軽課税所得ルール、3. 適格国内ミニマムトップアップ税(1.および3.は、2023年12月31日以後開始事業年度、2.は、2024年12月31日以後開始事業年度から適用)が含まれる。本法案は、EUの第2の柱指令、および2022年12月にOECDが公表した経過的な(移行期)セーフハーバールール(本誌2023年2月号参照)に忠実に従っている。一方、2023年2月にOECDが公表した執行ガイダンスは一部のみ本法案に反映されており、2023年7月にOECDが公表した執行ガイダンスは、特にEUの第2の柱指令から逸脱の可能性がある点について、今のところ本法案ではカバーされていない。
出典:PwC, International Tax News
「月刊 国際税務」2023年10月号収録 Worldwide Tax Summary
PwC税理士法人編
PwC税理士法人顧問 岡田 至康 監修
第2の柱 – 2023年6月23日、財務省は、多国籍グループに対するグローバルミニマム課税に関する理事会指令(EU)2022/2523の実施期限が迫っていることを踏まえ、ミニマム税法の文言案を公表した。財務省は、スロベニアの親会社、またはスロベニアに子会社を有する国外親会社に係る、400超の多国籍企業の事業体を特定している。
租税回避防止指令(ATAD) - ATAD規定の大半は税法に導入されたが、利子制限規定の導入は、同国が既に同等の国内規定(4:1の過少資本セーフハーバー規定)を有していたことから、2024年まで延期されていた。スロベニアは、EBITDAに基づく利子制限規定を、2024年までに同国の法律に導入する義務がある。
出典:PwC, International Tax News
「月刊 国際税務」2023年10月号収録 Worldwide Tax Summary
PwC税理士法人編
PwC税理士法人顧問 岡田 至康 監修
2023年8月8日、第2の柱に対応して、法人所得税(CIT)制度の導入に関する公開協議が開始された(2023年9月8日まで)。今後年内に、より詳細な第2回の公開協議が開催される予定である。本公開協議文書の概要は、以下のとおりである。
発効 – 2025年1月1日以後に開始する課税年度から適用見込みである。
CITの性質 - グローバル税源浸食防止ルール(GloBEルール)の対象租税となる。
CIT税率 - 9%から15%のCIT税率を検討している(さらなる分析を行う予定)。
適用範囲 – 連結収入7億5千万ユーロ以上の多国籍企業(MNE)グループの構成事業体(CE)(税務上の居住事業体およびバミューダの恒久的施設(PE))に適用される。
クロスボーダーのグループ内取引 - MNEグループのメンバー間のクロスボーダーの取引は、独立企業間価格で行われなければならない。
適格還付可能税額控除(QRTC) – 本CIT制度では、GloBEルールで定義されているQRTCを規定することが見込まれる。QRTCは、バミューダにおける資本投資や研究開発活動の奨励など、バミューダの主要な政策イニシアチブを支援するために策定されよう。
申告単位 - CIT 申告書は、原則、連結ベース(CIT課税対象となるMNEグループのすべての税務上の居住事業体およびバミューダPEを含む)で作成する(ただし、単体ベースも選択可)。
二重課税の救済 - バミューダでの稼得利得に対して、外国税およびバミューダCITの双方課税となる場合、外国税額控除が可能である。さらに、バミューダの利得に対して、他国・地域においてCFC(被支配外国子会社)税制により、直接/間接の親会社に課される支払/未払CFC税額について、外国税額控除を認めることが提案されている。
バミューダは、近い将来にQDMTTを導入する予定はないとしている(第2の柱の所得合算ルール(IIR)や軽課税所得ルール(UTPR)の導入も、本協議文書では示されていない)。
出典:PwC Hong Kong, International Tax News Flash
「月刊 国際税務」2023年10月号収録 Worldwide Tax Summary
PwC税理士法人編
PwC税理士法人顧問 岡田 至康 監修
イタリア最高裁判所(ISC)は、2023年7月、フランス法人によるイタリア子会社株式の売却に係るキャピタルゲインに適用されるイタリアの税制、および非居住者キャピタルゲイン税(NRCGT)のEU原則との適合性に関する判決(第21261/2023号)を公表した。イタリアの税制では、非居住者法人(イタリアに恒久的施設(PE)を有しない)は、租税条約で免除が規定されている場合を除き、イタリア株式を売却した場合、26%のNRCGT(当時の法律では13.67%の実効税率)が課される。キャピタルゲインの5%のみが法人所得税の課税対象となる資本参加免税(PEX)制度は、イタリアの税務上の居住者である法人(またはイタリアのPE)にのみ適用される。イタリアが締結した租税条約のほとんどは、キャピタルゲインに対して売却者の国のみでの課税を規定しているが、イタリアとフランスの間の条約(議定書)では、イタリアとフランス両方における特定の株式保有に対する同時課税を規定している。ISCは、PEXとイタリアの配当金免除制度(配当の95%免除を規定)は、経済的二重課税の排除という、同様の理論的根拠を持つことを認めた。ISCは、欧州連合司法裁判所による、過去のイタリアの国外向け配当に係る税制についての判決(C-540/07事件)をもとに、非居住者法人に係るキャピタルゲインに対する課税は、経済的二重課税であり、必要な条件が満たされれば、欧州連合機能条約第49条~第63条に従って、当該非居住者に対し、居住者に適用されるのと同様の税制優遇措置(PEX制度)を与えなければならないと判示した。ISCはまた、租税条約による税額控除での救済は、それ自体、経済的二重課税を確実に排除するのに十分でないとしている。したがって、非居住者に対する不利な税務処理が依然として生じている場合、国内規定(および適用される租税条約)をEU法に準拠するように解釈・適用しなければならない。
出典:PwC, International Tax News
「月刊 国際税務」2023年10月号収録 Worldwide Tax Summary
PwC税理士法人編
PwC税理士法人顧問 岡田 至康 監修
イタリア最高裁判所(ISC)は、イタリア地方税(IRAP)上の外国税額控除(FTC)に関する判決(第21047/2023号)を公表した。本件は、フランスに所在する建物の売却に係るキャピタルゲインに対してフランスで支払った超過外国税に係る、IRAP上の税額控除に関するものである。IRAPの課税所得は、特定の規定に従って算定され、その税率は、(事業活動や地域によって)若干の差異があるものの、通常は3.9%である。原則として、イタリアの法律上は、法人所得税(CIT)上でのみ、FTCを認めている。しかしながら、ISCは、租税条約上の規定が対応する国内規定よりも優先されるという一般原則を再確認し、IRAPが租税条約の対象税目に含まれるため、IRAP上外国税の控除が可能としている。ISCは、IRAPが租税条約の対象税目に含まれるかどうかを確認するためには、ケースバイケースの評価が必要であることを明らかにした(古い条約には、イタリアの従前の地方税(ILOR)が対象税目に含まれている)。ILOR廃止に伴うIRAPの自動的な代替には疑問があったが、ISCは、ILORとIRAPは同等であり、したがって、IRAPは租税条約の対象税目に含まれるとした。なお、(i)本租税条約では署名後に導入された税にも条約規定の適用を拡大するとしており、(ii)イタリア歳入庁は、IRAP導入をフランス税務当局に伝え、条約上ILORの代替税として提案しており、(iii)フランス税務当局は、IRAPを当該条約の対象税目として受け入れ、承認している。
出典:PwC, International Tax News
「月刊 国際税務」2023年10月号収録 Worldwide Tax Summary
PwC税理士法人編
PwC税理士法人顧問 岡田 至康 監修
2023年8月8日、国連事務総長は、国連における国際租税協力をめぐる選択肢/次のステップを分析する報告書(暫定版)を公表した。本報告書は、2022年後半にアフリカの特定の国々が決議案を承認・採択したことを受けたものである(正式版は2023年9月の国連総会までに公表され、その後、報告書のどの部分を採択するかについて検討)。選択肢として、(1)多国間の租税条約、(2)国際租税の協力枠組み条約、(3)国際租税の協力枠組み、が挙げられている。
出典:PwC, International Tax News
「月刊 国際税務」2023年10月号収録 Worldwide Tax Summary
PwC税理士法人編
PwC税理士法人顧問 岡田 至康 監修
メキシコ、チリ、コロンビア、ペルーにおいて、2023年7月2日に立法批准のための国内法的手続きを完了した後、租税条約に規定されている税務上の取扱いを標準化する協定が、太平洋同盟枠組み協定の締約国間で発効した。2017年10月14日にワシントンD.C.で署名された本協定の諸条項は、2024年1月1日に発効する。太平洋同盟枠組み協定の主な目的は、加盟4か国間の協力と成長、経済統合を改善することである。これに関連し、本協定で、メキシコ、チリ、コロンビア、ペルー間の租税条約を修正し、年金基金(注)に居住者としての資格を与えることで、4か国間で執行されている租税条約の特典の享受を可能にする。本協定はまた、利子およびラテンアメリカ統合市場の一部である証券取引所を通じて出資持分(shares)売却から得られるキャピタルゲインの税務上の取り扱いを標準化することも目的としている。利子の場合、適用される源泉所得税率は利子の総額に対して10%となり、キャピタルゲインの場合は、事業体の出資持分を売却した年金基金の居住国でのみ課税されよう。なお、所得税法に従い、利子、キャピタルゲイン、土地・建物の一時的な使用・利用許諾、に係る実質的な受益者である年金・退職基金は、メキシコ国内の源泉所得に対する源泉徴収の対象にならないことに留意が必要である。
(注)本協定では、年金基金の関連事業体に係る便益も対象としており、実質的な受益者に含まれる。
出典:PwC, International Tax News
「月刊 国際税務」2023年10月号収録 Worldwide Tax Summary
PwC税理士法人編
PwC税理士法人顧問 岡田 至康 監修
2023年7月31日、IRS(内国歳入庁)は、デンマーク、ルクセンブルグ、メキシコ、マルタとの間で、2020年7月1日より発効する、権限のある税務当局間の合意を公表した。これにより、米国との二国間租税条約における北米自由貿易協定(NAFTA)の言及については、2020年7月1日発効の米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)への言及として扱われることになる。
2023年8月8日、ロシアのプーチン大統領は、38か国(米国、日本を含む)との租税条約の特典を停止する法令に署名した(これに先立つ2023年3月、ロシア外務省・財務省は、ロシアに対して一方的な経済制裁を導入しているすべての国との租税条約停止を検討中である旨を公表した旨、報道されている)。なお、米露租税条約には終了条項があり、少なくとも6か月前に終了を通告するための具体的な外交手続きを行うことが義務付けられている。今後、例えば、ロシアでの支払税額について、米国で外国税額控除規定上の「任意の」税に該当するかなど、検討が必要になる可能性がある。
出典:PwC, International Tax News
「月刊 国際税務」2023年10月号収録 Worldwide Tax Summary
PwC税理士法人編
PwC税理士法人顧問 岡田 至康 監修
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