タイ「新たな投資奨励措置」、ベトナム「みなし輸出入取引の廃止案」、シンガポール「国外財産の譲渡に係るキャピタルゲイン課税(案)」ほか

2023-07-28

2023年5月16日、タイ投資委員会(BOI)は、投資奨励法に基づいて付与される税務恩典に対するグローバルミニマム課税ルール(第2の柱)の影響を緩和するため、新たな投資奨励措置を公表しました。本投資奨励措置は、既存のBOI被奨励企業、および2023年3月20日以降に新規でBOI申請を行う企業に適用されます。第2の柱の適用対象となる多国籍グループに所属する企業は、既存の法人税免税措置の他、法人税率の50%減税(かつBOI恩典対象期間を、10年を上限として法人税免税と比べて2倍にできる)を選択できます。

2023年5月29日、ベトナム税関総局(GDC)は、みなし輸出入取引について、政令08/2015/ND-CP第35条の改正案に関するオフィシャルレター2587/TCHQ-GSQL号および2588/TCHQ-GSQL号を発行しました。GDCは、上記第35条に規定されるみなし輸出入取引を廃止し、当該取引を国内取引として扱ったうえで、関係する海外貿易業者は納税義務を果たすためにベトナムにおいて代理人を任命しなければならないとする改正案を提案しています。

2023年6月6日のシンガポールの改正所得税法案において、シンガポールに経済的実体のない事業体による国外財産の譲渡に係る利益について、当該利益をシンガポール国内において受領した際に課税するという案が公表されました。本改正案は、2024年1月1日以降に生じた国外財産の譲渡に係る利益に対して適用されます。シンガポールで事業を行う企業は、本改正案の動向に注視し、事業への影響を検討すべきと考えられます。

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1. 今月の各国税務ニュースハイライト

  • タイ:BOIがピラー2の対象企業に対する新たな投資奨励措置を導入
  • ベトナム:みなし輸出入取引(In-country import and export 取引)の廃止案について
  • フィリピン:タックスフリーエクスチェンジに関する手続き変更
  • マレーシア:SVDP2.0の開始とガイドラインおよびFAQの公表
  • シンガポール:国外財産の譲渡に係るキャピタルゲイン課税(案)の公表
  • オーストラリア:無形資産の取扱いに関する新たなPCG草案

2. セミナー情報

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(全文はPDFをご参照ください)

タイ「新たな投資奨励措置」、ベトナム「みなし輸出入取引の廃止案」、シンガポール「国外財産の譲渡に係るキャピタルゲイン課税(案)」ほか

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